歩道上において
歩行者は右側通行?左側通行?
人や自転車と対面したときどちらに避ける?

この疑問は誰もが考えたことがあると思いますが道路交通法の観点から解説します。

基礎知識として
1.対面通行の原則
向かい合う方が視認できて安心だよね。
という原則です。
少数だが相対速度が速くなるとの
理由でこの原則を否定する者もいるが
歩行者の側方を通過するときは安全な速度と
定められており
対面通行による視認性と安全速度によって
歩行者を保護してます。

2.道路交通法10条(歩行者の交通ルール)
a.歩道の無い道路の時だけは道路の右側を歩く
b.歩道上や路側帯(ペイントのみの歩道)があれば歩道等を歩く。
c.歩道又は路側帯内ではどちら側とか規定がない
d.当該普通自転車通行指定部分をできるだけ避けて通行するように(下画像参照)
(自転車のマークがこれ以外の標示は法定外標示)


3.道路交通法63条の4第2項
(自転車の交通ルール)
歩道内中央から車道寄りを走ること

4.安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン(国土交通省 警察庁)
自転車同士すれ違うときはお互い左に避ける。
(車両は本来左側通行なので理にかなっている)


5.これらの情報をまとめてみる
3.車道寄りと4.左に避ける事をイラストにしてみた



この画像に1.対面通行に従い歩行者を追加する



歩行者と自転車を対面に設定すると
自然と歩行者同士もお互いに左側に避けることになります。


6.まとめ。
歩道内では歩行者同士の通行方向は
ルールに明記はしてないが
読みといていくと
左側通行となる。

基本は右側通行ではなくて、
歩道の無い道路の時だけ右側通行
と覚えなければ勘違いが増えてしまう。
トラブルの元です
片耳イヤホンでも違反であると
聞いたことがある。

交通ルール上はイヤホンの有無なんて
関係ないんだ。

各都道府県のルールで決められたルールは
【イヤホン等を使い安全な交通に関する音が聞こえない状態で運転するな】というルール

イヤホン「等」なので、ヘッドホンでも
ラジカセをカゴに載せても
耳くそが詰まっていても
とにかく
【安全な交通に関する音が聞こえるか否か】
これがポイントなんです。

安全な交通に関する音とは
サイレン クラクション(警音器)は想像に容易いし、
何よりも大音量なのでほぼ聞こえます。

一番小さな交通に関する音は
「お巡りさんの呼び止める声」
です。
そしてこれが自転車の違反を決定付ける。

警察官「止まってください!」
このあと、止まらなければ聞こえてないのでアウト。
止まればセーフである。

警察は皆の安全のためにイヤホン等をして
走行していれば聞こえているか確認が出来る。
むしろ、安全のためにも確認しなきゃ駄目だと思う。

お巡りさんの手間を減らすためにも
どーーーしても使いたければ
片耳イヤホン程度で我慢すべきである。
(左耳は空けておいて、警官から見えやすい左耳は何も着けない)

参考までに
各都道府県の道路交通法施行細則(道路交通規則)のイヤホンに関するまとめ。

イヤホン等を使い、
安全な運転に必要な交通に関する音又は声が聞こえないような状態で運転しないこと
【北海道・青森・岩手・宮城・山形・福島・茨城・栃木・群馬
埼玉・千葉・東京・神奈川・新潟・富山・石川・福井・山梨
長野・岐阜・静岡・愛知・三重・滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良
鳥取・島根・岡山・山口・徳島・香川・愛媛・高知・福岡
佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島・沖縄】

イヤホンを使用して両耳をふさぐ等周囲の音が十分に聞こえないような状態で自転車を運転しないこと
秋田

警音器の音、緊急自動車のサイレン、警察官の指示等周囲の音が聞こえない状態で車両を運転しないこと。
和歌山

前回のブログで、自転車横断帯について書きましたが

信号と自転車横断帯は一緒とは考えずに

分けて考えた方が良いと思います。

 

歩行者信号(人の形の灯火信号)と一般信号(車両用信号)

について書いていきます。

 

1.基本は対面する信号機に従う

道路交通法施行令2条1項

【信号機に対面する交通について表示されるものとする。】

つまり

歩道を走行していたら歩行者信号に従い

車道を走行していたら一般信号に従う。

 

 

2.「歩行者・自転車専用」の歩行者信号がある時

歩行者信号に「歩行者・自転車専用」と書いてあれば

そちらに従わなければならないというルールがあります。

道路交通法施行令2条3項

【公安委員会が信号機について、当該信号機の信号が特定の交通に対してのみ意味を表示するものである旨を内閣府令で定めるところにより表示した場合における信号機の第一項の表に掲げる信号の意味は、当該信号機について表示される特定の交通についてのみ表示されるものとする。】

 

道路交通法施行令2条5項

【特定の交通についてのみ意味が表示される信号が他の信号と同時に表示されている場合における当該他の信号の意味は、当該特定の交通について表示されないものとする。】

つまり、「歩行者・自転車専用」と書いてある歩行者信号があれば

歩行者信号に従って、一般信号は無視するというもの。

 

3.問題点

基本は対面する信号に従うことなんだけど

外を歩けば歩行者信号の位置が

横断歩道の奥にある場合と

交差点付近にある場合の2種類あります。(下図参照)

 

交差点付近に「歩行者・自転車専用」があれば良いのですが

遠くにあれば視認性は悪く、従う事が困難な場合もあります。

ロードバイク等高速走行可能な自転車が増えてきた昨今

奥にある歩行者信号に従う事は不可能かと考えます。

信号機の設置基準に

「交通の安全と円滑に支障を及ぼさず、かつ、自動車等の運転者及び歩行者が 信号灯器を良好に視認できるように信号柱を設置できること。ただし、信号柱 を設置せずに、自動車等の運転者及び歩行者が信号灯器を良好に視認できる場 合は、この限りではない。」

横断歩道の奥にあるような信号機は

車道通行の自転車に対して設置しているとは考えられない。

 

4-1.「歩行者・自転車専用」歩行者信号が奥にある場合

一般信号に従います。

 

4-2.「歩行者・自転車専用」歩行者信号が交差点近くにある場合

「歩行者・自転車専用」歩行者信号に従わなければならない。

が、車道を走行しながら自転車ばかりが二つの信号を

見比べなければならない。酷なはなしである。

 

5.困った信号機から察する

5-1.押しボタン信号の「歩行者・自転車専用」

車道を走行中、どうやって押せと言うのか?

この標示があれば話は解るが。。。

 

 

5-2.歩車分離の「歩行者・自転車専用」

左折自動車と、自転車の通行位置は左側端と同じである。

自転車を止める事は円滑の阻害でしかない。

 

つまり、車道を走行している限り、一般信号に従うのみで

十分と考えられる。

それが、明確であり道交法の趣旨に適っていると考える。

 

5-3.感応式信号機

自転車が反応するのだろうか。。。

 

 

6.まとめ

個人的な主観となってしまったブログだけど

 

歩道通行時は歩行者信号に

車道通行時は一般信号に

従うだけで十分だと考える。

時には歩道に乗り上げなければ成立しない場合も

多く存在するだろう。

1.交差点の定義

 道路交通法2条1項5号

 【十字路、丁字路その他二以上の道路が交わる場合における当該二以上の道路(歩道と車道の区別のある道路においては、車道)の交わる部分をいう。】

車道の交わる部分が交差点となっているので

で囲まれた部分が交差点となります。

駐車禁止に関する判例では
緑からは5m離れているが、駐車禁止場所の交差点5m手前
と言うのは、左折車がピンク部分(角切りされている部分を含む)
を通る事からも分かる通り
ピンク部分を交差点と解するべきだとされていますが、
あくまでも駐車禁止に関する判例であり
定義から考えると緑色の部分が交差点となります。

 

2.自転車横断帯の定義

道路交通法2条1項4の2号

【自転車横断帯 道路標識等により自転車の横断の用に供するための場所であることが示されている道路の部分をいう。】

 

横断歩道は歩行者のための

自転車横断帯は自転車のための

それぞれを保護するための道路標示となります。

 

信号の無い横断歩道において、自転車は保護されず

自転車はあくまでも車道に進入する車両と言う事で

車道通行の方が優先となります。

 

3.付近に自転車横断帯があるときのルール

3-1.道路を横断する時

道路交通法63条の6

【自転車は、道路を横断しようとするときは、自転車横断帯がある場所の付近においては、その自転車横断帯によつて道路を横断しなければならない。】

付近とは判例上は40mは付近とは言い難いとされ

ルール上も30mルールが各所にある事から

30m以上離れていれば付近とは言えないと思われる。

自転車横断帯から30m以内なら下図のように横断する。

あくまでも道路を横断する時のルールです。

 

3-2.交差点を通行する時

道路交通法63条の7

【自転車は、前条に規定するもののほか、交差点を通行しようとする場合において、当該交差点又はその付近に自転車横断帯があるときは、

第十七条第四項(左側通行の原則)、第三十四条第一項(左折方法)

及び第三項(二段階右折)

並びに第三十五条の二(環状交差点における左折等)

の規定にかかわらず、当該自転車横断帯を進行しなければならない。

3-1とは異なり、交差点を通行する時のルールです。

この場合の付近は、3-1でいう30mとは異なります。

10mも20mも交差道路に入るなら、

それはもはや左折です

【この場合の付近を一般的に言うと、その交差点と一体となって

自転車横断帯が設けられていると認められる程度の距離以内

ということができよう。むしろ直近と規定した方が

よかったのではなかろうか。】(執務資料16-2訂版)

 

この図は、交差点と自転車横断帯が離れすぎで

自転車横断帯の通行義務はありません。

交差点を通行する上で自転車横断帯を通らなければ

ならない距離は交差点と一体となる程度なので

せいぜい下図の様な感じになると思います。

これならば、自転車も安心して通行できます。

 

(概ね交差点に接している自転車横断帯)

国土交通省 東北地方整備局

 

4.なぜ自転車横断帯を撤去しているのか?

有名な話ですが、危険だからと判断されているようです。

誰でもわかる通り激突する危険性があるからです。

 

警察は、離れた自転車横断帯でも通行すべきと

考えているからですね。

しかし、本来の自転車保護の為の通行とはかけ離れた解釈で、

大間違いかと思います。3-2参照。

 

歩道通行が許可されている、子供と高齢者

(13歳未満と70歳以上)たちの横断する保護のためにも

自転車横断帯は残しておくべきかと思います。

横断歩道だけでは押して歩かなければ保護されません。

 

自転車横断帯を撤去するのではなく、

交通の方法に関する教則の方を訂正すべきなのでは

ないでしょうか?

 

5.まとめ

大きく左折するような自転車横断帯は無視!

 

あくまでも、個人的見解であり責任を負うものではありません。

考えるきっかけになれば幸いです。

横断歩道を横断する自転車と車道の車両の関係性について

 

 まずは条文を読んでみましょ。

道路交通法38条

(横断歩道等における歩行者等の優先)

【第三十八条  車両等は、横断歩道又は自転車横断帯(以下この条において「横断歩道等」という。)に接近する場合には、当該横断歩道等を通過する際に当該横断歩道等によりその進路の前方を横断しようとする歩行者又は自転車(以下この条において「歩行者等」という。)がないことが明らかな場合を除き、当該横断歩道等の直前(道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線の直前。以下この項において同じ。)で停止することができるような速度で進行しなければならない。

この場合において、横断歩道等によりその進路の前方を横断し、又は横断しようとする歩行者等があるときは、当該横断歩道等の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければならない。】

 

歩行者信号が赤の時は、横断しようとする歩行者がいない事があきらかとなり、無効となります。

前段は、例えば井戸端会議してても、横断しようとする歩行者がいないとは明らかではないので、停止できる速度で近づかなければなりません。

後段は、それでも進路の前方を横断していない時そのまま進めば自動車に接近し、もしくわ激突するような時は歩行者を優先して一時停止かつ妨害してはいけません。

逆に言えば、一時停止しても、歩きださない場合は車両は進んでもOKです

この条文は信号の無い横断歩道はもちろんのこと、車道を右左折する時に現れる横断歩道においても適用されます。

 

一般的な解釈の仕方としては

・「等」がつくので

横断歩道で横断する歩行者

横断歩道で横断する自転車

自転車横断帯で横断する歩行者

自転車横断帯で横断する自転車

の全てが優先となると勘違いが多いが

横断歩道の定義は

【道路標識又は道路標示(以下「道路標識等」という。)により歩行者の横断の用に供するための場所であることが示されている道路の部分をいう。】

 

自転車横断帯の定義は

【道路標識等により自転車の横断の用に供するための場所であることが示されている道路の部分をいう。】

 

つまり。。。

横断歩道において自転車は優先されません。

自転車は車両であり

車両が車道に侵入するときは車道走行の車両を

妨害してはいけません。

 

 

道交法38条前段の停止できる速度で接近する義務なんですが、

自転車乗りの場合は、降りれば歩行者になるので

「横断しようとする歩行者がないことが明らかな場合」

とは言えませんので、前段の停止できる速度で接近する義務があります。

 

 

追記

横断歩道は自転車ではないと認めている判決文を紹介しているサイト

「同条項は、横断歩道における自転車自体を保護する規定ではない」

https://xn--3kq2bv26fdtdbmz27pkkh.cc/%E9%81%8E%E5%A4%B1%E5%89%B2%E5%90%88/crosswalk/

 

追記2

東京高裁昭56(う)第381号、業務上過失致死被告事件

 

判例タイムズ

大型貨物自動車の運転者につき交差点を左折する際に、自転車に乗って交差点を左折して来た者が、

左折後、自転車を運転したまま、青色信号に従って横断歩道上を横断する場合のあることも予測して、

その動静を注視し、その安全を確認すべき注意義務があるとした事例

 

大型貨物自動車の左折に伴って生ずる交通事故における、右自動車の運転者の注意義務については、

この種自動車に特有のいわゆる資格の存在とからめ、あるいは、いわゆる「信頼の原則」との関連において、

その存否が裁判上問題とされた事例は少なくない。本件もその一事例といえよう。

本件事故の発生状況は、判文によると、大型貨物自動車の運転者である被告人が、

本件交差点において左折するに際し、一旦前車に続いて信号待ちのため停車したときに、

左前方に自転車に乗った被害者を認めたが、対面信号が青色に代わって発進し時速約10kmで左折を行い

自己車両が交差点に進入したころは、右自転車も交差点左側端に沿って左折進行し、

右交差点出口に設けられた歩行者用の横断歩道付近まで進んでいたので、

右自転車もそのまま、自車と同一方向に左折進行するものと考え、前記と同一速度で進行しようとしたところ、

右自転車を運転しつつ右横断歩道を青色信号に従って被告人車からみて左から右へ進行してきた被害者に気付かず、

その自転車に自車を衝突転倒させ、同人を轢過したというものである。

 本件判決は、右のような場合には、被告人において、被害者運転の自転車も交差点左折後自車と同一方向に

進行するものと信ずべき状況にあったのであるから、その上さらに右自転車の動向を注視すべき義務、

若しくは被告人車の資格の関係から、その動静を確認できなくなった場合に右横断歩道前で一時停止等をして

そのあんぜんを確認すべき義務は存しない、との弁護人の主張を排斥したものである。

 

本件判決は、本件横断歩道が、歩行者用のものであって、いわゆる自転車横断帯ではないので、

それを自転車に乗ったまま横断しようとした被害者は、被告人車両に対して優先権を主張し得ず、

その意味で被害者に落ち度が無かったとは言えないとしつつ、

自転車運転者によるこのような横断(直進)方法がしばしば行われている事にかんがみ、

このような横断方法がとられる場合と、道交法に従い、歩行者のための横断歩道を自転車を押しながら横断する者が

ある場合(この場合は、優先権が存する)との間に、被告人車両のように左折後横断歩道に接近する車両の運転者につき、

その注意義務の内容につき特段の径庭を認めるべき理由がない旨指摘している。

本件と全く同種の事例についての裁判例が見当たらないので、事例として掲載する

 

 

 キープレフトとは(道路交通法18条)

 

車両通行帯の無い道路においては

車道の左側寄り通行をする事。(道交法18条)

 

車両通行帯のある道路においては

一番右の通行帯は右折や追越し以外では走行してはならない。(道交法20条)

 

今回は、車両通行帯の無い道路でのキープレフトについて考察。

罰則のない訓示規定なので、臨機応変さも求められると思います。

 

 

車両通行帯のある道路 無い道路とは

  • 車両通行帯のある道路とは基本的に複数車線ある道路の事です。
  • しかし、車両通行帯と言うのは
  • ・公安委員会が認定し設置しなければなりません。
  • ・道路の左側部分(当該道路が一方通行となつているときは、当該道路)に二以上の車両通行帯を設けること。
  • となっております。
  • つまり、公安委員会が認定せず、道路管理者が線引きしただけの
  • なんちゃって車両通行帯は車両通行帯の無い道路と言う事になります。
  • 3車線あっても原付は二段階右折をしてはいけませんが
  • 見た目で区別する事は不可能ですので
  • 複数車線=車両通行帯のある道路 という認識で十分かと思われます。

 

 

 キープレフトに関する条文

車両(トロリーバスを除く。)は、車両通行帯の設けられた道路を通行する場合を除き、自動車及び原動機付自転車にあつては道路の左側に寄つて、軽車両にあつては道路の左側端に寄つて、それぞれ当該道路を通行しなければならない。ただし、追越しをするとき、第二十五条第二項若しくは第三十四条第二項若しくは第四項の規定により道路の中央若しくは右側端に寄るとき、又は道路の状況その他の事情によりやむを得ないときは、この限りでない。

 

 

 車両(トロリーバスを除く。)は、

自動車、原付、軽車両(自転車)ということ。

 

 車両通行帯の設けられた道路を通行する場合を除き

片側1車線の車道と考えます。

 

 自動車及び原動機付自転車にあつては道路の左側に寄つて、

 0001.JPG

 道路の左側と言うのは青で囲った所です。が今後の条文で

意味が変わってきますので仮の画像です。

 

 軽車両にあつては道路の左側端に寄つて、

 0002.JPG

このような感じになります。

 

 

しかし、左側に寄って 左側端に寄って

と言葉を変えています。絵的には同じ事になるのに

どうしてでしょうか。

 

その答えは道路交通法27条2項(譲る義務)に載っています。

 

 

道路交通法27条2項抜粋

  • 第十八条第一項の規定にかかわらず、できる限り道路の左側端に寄つてこれに進路を譲らなければならない。

つまり、左側端に自動車が寄る事は間違いなんです。

左側に寄る

左側端に寄る

できる限り左側端に寄る

できる限り中央に寄る

全て区別して考えなければなりません。

一律に何mとかは規定されていないので社会通念上判断と言う事になります。

 

道路の左側に寄るということは

左側端部分の右側に寄ると言う事。画像にすると

 

 0003.JPG

幅1m程度空けて左側に寄ると言う事がキープレフト。

・歩道から1m空けておく事によって歩行者との安全間隔を維持できる(18条2項)

・低速車である自転車を追い越すことなく、追い抜く事が出来る。

・普通自転車の幅は600mm以下です。しかし、排水溝等もあるため1m程度と

考えます。

 

 それぞれ当該道路を通行しなければならない。

つまり、上の画像のように、それぞれ当該道路を通行

ということになります。

 

  ただし、追越しをするとき、第二十五条第二項若しくは第三十四条第二項若しくは第四項の規定により道路の中央若しくは右側端に寄るとき、又は道路の状況その他の事情によりやむを得ないときは、この限りでない。

道路状況によっては左側1m空けると

中央寄りになってしまう事もあります。

 0004.JPG

 

こうなると、できる限り中央に寄ってしまう事もありますが

全て区分けしている以上これはNGですし、危険です。

 0005.JPG

 

教習などでできる限り寄せる時は50センチ以内と

されている事から、できる限り中央部分50センチは

空けておかなければならないと考えています。(個人的見解。。)

対向車同士1mの間隔があれば十分でしょう。

 

自転車を抜く場合は「追い越し」になってしまいますので

狭い道路では気をつけましょう。

 

場合によっては、右寄りになってしまう事もあるので

罰則も無く、やむを得ない場合はこの限りではないとなっております。

 

 

 よくある勘違い

道路の左側部分で十分だ!

という書き込みが多々見受けられます。

 

これは道路交通法17条の左側部分を通行という

日本の左側通行を明示してある条文であり

キープレフトとは異なります。

 

17条の左側部分と

18条の左側寄り通行

この2点を含めてキープレフトの原則となります。

 道路交通法27条(他の車両に追いつかれた車両の義務)について

一言で言えば
1項は加速するな
2項は左端に寄せて進路を譲れ
 
ただ、のんきにまっすぐ走る前車ですら義務を課す珍しいルールです。
条件が複数あり、議論に発展する条文。
こんなルールで捕まる人はほぼ居ない現実。
マナー的なルールと考えてよろしいかと。
 
そんなルールをガチで考えてみました。
以下こんな感じで考えております。
アドバイス、反論、賛成、疑問、質問、色々募集中です。
 
では本題。
 

 1項 加速してはならない義務

 

 車両(道路運送法第九条第一項 に規定する一般乗合旅客自動車運送事業者による同法第五条第一項第三号 に規定する路線定期運行又は同法第三条第二号 に掲げる特定旅客自動車運送事業の用に供する自動車(以下「乗合自動車」という。)及びトロリーバスを除く。)は、

バスは運行時間が決められているためバスは除外されています。
 

第二十二条第一項の規定に基づく政令で定める最高速度(以下この条において「最高速度」という。)

車両の区分を分ける為の条文です。
決して速度超過を除くという文章ではありません
政令で定める最高速度とは
自動車60km/h
原付30km/h
制限速度の標識などは一切関係ありません。
 
もう少し具体的に書くと道路交通法施行令に書かれている最高速度です。
つまり法定速度のこと
 
一般道では
・自動車60km/h
・原付30km/h
・車両総重量2t以下の車両を車両総重量が3倍の車両で牽引する時40km/h
・それ以外の牽引30km/h
・125cc以下の2輪(バイク・原付)が牽引する時は25km/h
・緊急車両80km/h
 
高速道路では
最高速度のうち、自動車が高速自動車国道の本線車道(次条に規定する本線車道を除く。次項において同じ。)を通行する場合の最高速度は、次の各号に掲げる自動車の区分に従い、それぞれ当該各号に定めるとおりとする。
  次に掲げる自動車 百キロメートル毎時
 大型自動車(三輪のもの並びに牽引するための構造及び装置を有し、かつ、牽引されるための構造及び装置を有する車両を牽引するものを除く。)のうち専ら人を運搬する構造のもの
 中型自動車(三輪のもの並びに牽引するための構造及び装置を有し、かつ、牽引されるための構造及び装置を有する車両を牽引するものを除く。)のうち、専ら人を運搬する構造のもの又は車両総重量が八千キログラム未満、最大積載重量が五千キログラム未満及び乗車定員が十人以下のもの
 普通自動車(三輪のもの並びに牽引するための構造及び装置を有し、かつ、牽引されるための構造及び装置を有する車両を牽引するものを除く。)
 大型自動二輪車
 普通自動二輪車
  前号イからホまでに掲げる自動車以外の自動車 八十キロメートル毎時
  法第三十九条第一項 の緊急自動車が高速自動車国道の本線車道を通行する場合の最高速度は、第十二条第一項及び前項の規定にかかわらず、百キロメートル毎時とする。
 
 
これが27条における最高速度における車両区分です。
牽引まで書いたり、高速道路まで話をするとややこしいので
 
原付30km/h 自動車60km/hしか登場させません
 
 

ポイント

  • 制限速度30km/hの道路であったとしても
  • 原付と自動車の関係は
  • 原付:最高速度の低い車両
  • 自動車:最高速度の高い車両
  • となります。
  • どちらも30km/hしか出せないのにも関わらず。
※自転車には法定速度はありませんので
最高速度が高い、低いは関係ありませんので
義務自体存在しません。
 
 

 最高速度が高い車両に追いつかれたときは、その追いついた車両が当該車両の追越しを終わるまで速度を増してはならない。

・追いつかれたとは26条の適正な車間距離以内という意味。
・最高速度が高い車両に追いつかれたとは
前車が原付、後車が自動車です。
追いつかれたときから追越しを終わるまで速度を増してはならないのです。
原付が時速25km/hで走行して追いつかれた状態から、
速度をあげたら違反となります。
原付が時速40km/hで違法に走行していたとしても
追いつかれたあとに加速すると27条違反となります。
原付には非常に厳しいルールです。
 

 最高速度が同じであるか又は低い車両に追いつかれ、かつ、その追いついた車両の速度よりもおそい速度で引き続き進行しようとするときも、同様とする。

・前車が自動車、後車も自動車
又は
前車自動車、後車は原付
の場合です。
 
・追いつかれたときではなく
追いつかれ、かつ、その追いついた車両の速度よりもおそい速度で引き続き
進行しようとするとき
という条件がつきます。
 
原付の場合と違い
追いつかれても加速する事は可能です。
では、加速してはいけない義務が発生するのはいつか?
となりますが
追越し時の危険防止のための条文なので
後車が追越しを開始したら加速してはいけません。
相手が違反だとしてもです。
 
原付の場合は、追いつかれる=速度をあげてはならない。
自動車の場合は、追越し開始されたら速度をあげてはならない。
という事になります。
 
 
 

 2項 譲る義務

 車両(乗合自動車及びトロリーバスを除く。)は、車両通行帯の設けられた道路を通行する場合を除き、

車両通行帯の設けられた道路とは
公安委員会が意思決定をし、
片側複数車線の道路の事ですが、
公安委員会が意思決定をしていないなんちゃって車両通行帯は
多く存在します。進行方向別通行区分や専用レーンが設置されている
道路は確実に車両通行帯のある道路です。
ややこしくなるので、複数車線があれば車両通行帯のある道路として
考えます。この場合を除きなので
 
2項は
片側1車線以下の道路という条件でのルールです。
 
※1項は全ての道路に適用されますので
片側1車線であっても加速してはならない義務は
当然発生します。
 

 最高速度が高い車両に追いつかれ、

原付自動車に追いつかれたという状態です。
 

 道路の中央(当該道路が一方通行となつているときは、当該道路の右側端。以下この項において同じ。)との間にその追いついた車両が通行するのに十分な余地がない場合においては、

追越すスペースが無い場合に譲ることで道路の円滑を目的としています。
十分な余地があれば譲る義務は発生しません。
後車はただ追越すだけです。
十分な余地が無い場合つまり、狭い道路の時に適用される義務です。
 
片側1車線道路で狭い道路の時という条件の下譲る義務を考えると言う事。
 

 第十八条第一項の規定にかかわらず、できる限り道路の左側端に寄つてこれに進路を譲らなければならない。

18条は左側寄り通行で左側端は自転車用スペースとして空けておくこと
その部分を除いてできる限り左寄りのルールです(道路幅員によっては
中央寄りを走行しなければならない事も多々あります。)
左側端を空けておくことで、急な飛び出しにも対応できます。
この18条のルールを除外して
車道左端に寄って
かつ
進路を譲らなければならない。
左端に寄るだけがルールではありません。
進路を譲ってこそ義務を果たす事になりますので、
生活道路においては徐行が必要になる事が多々あるでしょう。
(左端に寄るだけがルールだと思っている人もいるみたいです)
 
譲らなければならないとは、妨害してはならないよりも
より厳しい言葉です。
追越し禁止道路において、後車に進路を譲るためには
一時停止をし、先に行かせる事まで必要とされるでしょう。
(一時停止をしてしまえば追越し違反とはならないので
譲ると言う行為はそこまで必要とされてしまいます。)
 
原付は追いつかれた状態なら譲らなければならない
という大変厳しいルールです。
おまけで取得できる免許なのでそんなものなんでしょうね。
 
※では、左端に寄れない時は?
工事や歩行者、駐停車車両がある時もあるでしょう。
この場合は、ただちに違反とはならずに
左端に寄れる所まで進んでから譲らなければならない
もちろん1項の義務により追いつかれた原付は加速も出来ない
辛抱が必要となります。
 

 最高速度が同じであるか又は低い車両に追いつかれ、

1項と同じです。
前車が自動車、後車が自動車 又は 前車自動車、後車原付です。
 

 道路の中央との間にその追いついた車両が通行するのに十分な余地がない場合において、

前段と同じです
 

 その追いついた車両の速度よりもおそい速度で引き続き進行しようとするときも、同様とする。

追いつかれ、遅い速度で引き続き進行しようとするとき
義務が発生します。
原付は追いつかれたとき、有無を言わさず義務発生ですが、
今回は追いつかれ、遅い速度で引き続き進行しようとするとき
と1つ条件が追加され、速度をあげる選択肢があります。
 
 

ポイント

  • 現実に追いつかれた=即義務発生
  • とはなりません。
  • 遅い速度で引き続き進行しようとするとき
  • に発生する義務です。
 
状況別に説明すると
 
・追いつかれてもなお、制限速度未満又は法定速度未満をキープするなら
遅い速度で引き続き進行しようとするときになります。
義務ありです
 
・追いつかれて、制限速度又は法定速度まで速度をあげた時は
後車もこれ以上出す事は無いと信頼して十分です。
まだ義務は発生しません
 
・そもそも速度超過していて、さらに上を行く速度超過に
追いつかれたときは、義務ありと判断するしかないでしょう。
 
最初から、制限速度又は法定速度の場合もやはり
後車と同じ速度と信頼して十分です。
メーターの誤差やタイヤの状態、
又は、うっかり速度を出し過ぎてしまったんだろう。
今後は追従するだろうと信頼して十分です。
まだ義務は発生しません
 
なぜ制限速度又は法定速度で走行すると
まだ」義務が発生しないのか?という疑問がわきます。
 
なによりも現実に追いつかれている事実があるのでは?
と考えがちですが
追いつかれた現実つまり譲る義務がある!ということなら
自動車は原付と同じ対応しろと言っている事になりますので
この考えは消極的に解さざるを得ない。
 
引き続き遅い速度という条件がある事から
原付と同じ対応なわけがありません。
 
「その追いついた車両の速度よりもおそい速度で引き続き進行しようとするとき」
とは
・前車の義務なので前車が判断しなければなりません。
・法の趣旨である安全かつ円滑を遵守して考える。
・車検を通過している以上、速度計を信頼する事は可能。
以上3点より
前車が制限速度又は法定速度で走行していれば
後車が違反してまで追越してくる事を想定しなくても良いです。
違反車両には法律は適用しないのか!?
と思考停止的に考える人がいますがそういう事ではありません。
 
前車の義務としては十分対応していると言う事。
後車が速度超過してまで追越してこないだろうと信頼して十分。
信号無視して突っ込んでくる事を想定して青信号で一時停止しますか?
この信頼の原則を27条だけ無視する事は不条理です。
 
制限速度又は法定速度で走行している時は
まだ義務は発生しないと書いていましたが
ではいつなら義務が発生するの?
という疑問がでます。
 
法定速度又は制限速度で走行していても
追いついた車両の速度よりも遅い速度で引き続き進行しようとするとき
に当たる場合はどういう状態なのか?
それは、
後車が追越しを開始したとき、遅い速度だと確定します。
後車が違反だとしても
これはもう引き続き遅い速度であるという事実ですから。
前車の引き続き遅い速度で進行しようとしないという意志は
はかなくも崩れ去ります。
速度超過はしてまで追越してこないだろう。追従してくるだろう
という信頼は見事に裏切られた場合
引き続き遅い速度であると言う事になります。
 
では
追越しのどの段階で確定するのか?
右合図だしただけでは右折との判断がつきませんが
右合図出しながら徐行へ向かわなければ追越ししかあり得ません。
後車が追越しを開始したと言う事は加速も出来ません。
 
ダブルパンチで引き続き遅い速度確定です
 
合図も出さずに追越しを開始し
いきなり反対車線に後車が移動した場合は
後車の進路は反対車線と言う事になりますので
前車は譲りたくても進路自体が異なるので
義務は消失します。
(前車は当然加速したら駄目ですが。)
ですので、ちゃんと合図は3秒ルールを守り
正しく使いましょう。
 
 
違反だから義務が無いという短絡的な話ではありません。
あくまでも
追いついた車両の速度よりも遅い速度で引き続き進行しようとするとき
義務が発生します。
 
現実に遅い速度で進行する事が確定したら
遅い速度で引き続き進行しようとするときになります。
 
 

 細かいけど、こんな場合は?という事を何点か。

左端に寄るスペースが無い場合
2項前段と同じく、スペースが出来てから譲る事になります。
 
追いついた車両が追従している場合も義務はありませんが
前車が最高速度又は制限速度よりも下がったら
2項の義務は発生します。譲らなければなりません。
 
前車の前にも沢山の車列がある時
全ての車両が制限速度以下又は法定速度以下であっても
追越しには安全な速度と方法が求められますので
前車の前に車両があるので、追越しはしてこないと
信頼して十分です。
もちろん、それでもなお追越しをかけてくるようならば
義務は発生してしまいますので譲りましょう。
 
後車が50ccなのか90ccなのか判別がつかない場合
であっても、同じです。
前車が最高速度又は制限速度未満で走り続けるなら義務は発生します。
前車が最高速度又は制限速度で走り続けるなら一旦義務はありません。
後車が追越しをかけてくるならば義務は発生します。
50ccなのか90ccなのか考える必要はありません。
条文通り義務を果たすのみです。
追いついただけで義務を主張する人がいますが
前車が原付の場合なので無視しましょう。
追いつく+遅い速度で進行しようとする
2つの条件が成立したら義務が発生します。
 
追越し禁止道路ではどうか?
追越しをかけてくる後車は違反ですが
制限速度未満で走行する場合は進路を譲らなければなりません
進路を譲るためには後車に違反をさせるような行為は
譲るとは言えません。
一時停止してしまえば後車は違反することなく追越せますので
譲ると言う事は一時停止まで必要と言う事になるでしょう。
制限速度で走行している場合は、追いつかれても譲る義務は「まだ」発生しません。
後車が追越しを無謀にもかけて来たら譲らなければなりません。
前車の義務としてはどうしても発生してしまうのです。
追越し違反は進路変更時点で違反となるので
後車は違反確定ですが、譲らなければ前車も違反となります。
左端に寄れない状況なら後車は違反とはならない。
 
 

 煽る行為は? 後車の意思表示

いくら煽ったところで、それは何の意思表示なのでしょうか?
・速度をあげろ?
・譲れ?
・てめぇムカつく運転してんじゃねーよ
など、色々な状況に応じて意味が異なります。
 
無駄な煽り行為は無意味です。
 
前車が最高速度未満の場合に限り
後車は右合図をつけて、右に寄り車間を維持する。
それでも譲らなければ
進路を戻さなければならない。
また右合図をつけて右に寄り車間を維持する
それでも譲らない。
パッシングしても良いでしょう。
ここまでキッチリやれば
見た目には煽り運転ですが
煽っているわけではありません。
煽らされているんです。
 

ポイント

  • 車間を詰める必要はありません。
  • 右合図をつけた場合、右折なら減速します。
  • 減速しない場合は追越しと考えるしかありません。
こんな事を考える前に普通は追越して行きます。
それで十分なんですが。。
 
 
27条は加速厳禁、譲る義務以外にも、重要な役割があります。
 
キッチリ法定速度又は制限速度で走行しましょうね!
 
という意味も含まれると考えています。
 
条文には22条で最高速度を超えてはいけないしか
書かれていませんが
最高速度未満で走行する場合は
加速出来ない
譲らなければならない
という義務が生じてしまうのです。
こんな譲ってばかりでは運転しずらいので
 
キッチリ、ピッタリ 一定の速度で
法定速度又は制限速度を守る事が大切だと考えます。
 

 22条を遵守した上でのルールなのかどうか考察

 
条文だけを読む限り、速度に関する記述がない以上
27条2項は発生するという考えになるのはしょうがない。
 
各種コンメンタールの情報を記載しますね。
 
 

 判例タイムズ38

二十追越しの場合についてこんな記述があります。
「二重追越しの場合には、
適法な追越しを前提とする法27条の被追越車の避譲義務は、
そのまま適用されることはないと見るべきであろう」
 
違反として逮捕することは少ない27条ですが
過失割合の判断基準にはよく使われそうですね。
判例タイムズは適法な追越しを前提としているので
当然制限速度以下という見解です。
 

 道路交通法の解説 十一訂版

「連続して進行する車両のうち連続車両が制限速度いないで進行していて、
先行車両に接近した場合の先行車両の義務を規定しています。」
この本も、制限速度以下と明言しています。

 道路交通法とその運用

「追いついた車両を安全に追い越しまたは追い抜きをさせるための前者の義務である」
 
安全に追越し追抜きさせるためなので
この知恵ノートと同様の見解であると思います。
俺的見解は一言でいうと、制限速度なら引き続き遅い速度とはならないが
違法であったとしても追越しをかけられた場合は義務は発生する。

 執務資料 道路交通法解説16-2訂版

ちょいと1項の話に戻りますが
原付は追いつかれた段階で速度を上げてはいけない。
お互い制限速度未満だったとしてもです。
それに対して、↓は同順位又は低順位に追いつかれた場合の解説です
 
追いつかれた車両は、追いつかれた場合に追いついた車両の
現実の速度を超える速度で進行を開始すれば、右の義務は生じないことになる。
なお、この場合、追いついた車両が法定の最高速度を超える速度で違法に
走行していたとしても、
なお追いつかれた車両に加速してはならない義務が
生ずるかどうかという点については、
若干の疑問はあるが、
法の趣旨から見て消極に解すべきであろう。(宮崎注解 s.41)
 
正直この文章読んで最初まったく意味が分かりませんでした。
必死に理解しようとしても、??でした。
俺的解説を踏まえてもう一度読んでみてください。
 
追いつかれた車両は、追いつかれた場合に追いついた車両の
現実の速度を超える速度で進行を開始すれば、右の義務は生じないことになる。」
(この後に、法定の最高速度を超える速度について記述してあることから
↑の部分は、制限未満から制限までしか想定してない事が分かる。
原付は追いつかれただけで強制的に加速厳禁ですが、
自動車はおそい速度で引き続きにあたるか否かを考えなければなりません
もちろん追越し開始されたら加速厳禁ですよ。)
 
なお、この場合、追いついた車両が法定の最高速度を超える速度で違法に
走行していたとしても、
(それでもなお速度超過で迫ってくる車両に対して
引き続き遅い速度となるのかを考えさせる文章だと思って
読んでくれると理解しやすいです。)
 
なお追いつかれた車両に加速してはならない義務が
生ずるかどうかという点については、
(義務が生ずるかどうかは、引き続き遅い速度かどうかで
判断しなければなりません。)
 
若干の疑問はあるが、
法の趣旨から見て消極に解すべきであろう。(宮崎注解 s.41)
(若干の疑問は当然あるけども、引き続き遅い速度とは
ならないだろうということです。
俺的見解では、この後実際に追越しを開始されれば、
完全に遅い速度で進行しようとするときにならない。
なぜなら、追越し開始されたらそれは明確な事実だから。)
 
 
なぜ、ここでわざわざ1項の解説を載せたのかといいますと。
次にも出てきますが
「現実の速度」とはなんぞや?
という事になるからです。
 
この1項の解説を読む限り、先生方の使う現実の速度とは
あくまでも、法の範疇である制限速度以内という事になります。
 
 
執務資料の2項の部分にはこんな解説があります。
 
「進路を譲る義務は、双方の車両の現実の速度の如何を問わず、
後順位の車両は、進路を譲らなければならないことになる。
したがって、同順位又は後順位の車両に追いつかれた場合は、
その追いついた車両の速度を超える速度で進行すれば、
後車に進路を譲る義務は生じない。
後車の現実の速度よりも遅い速度で引き続き進行しようとする場合に、
初めて進路を譲る義務が生ずる。(横井注釈 s.42)
 
ここでも現実の速度という言葉が出てきます。
制限速度内という条件での解説だと理解し、
おそい速度で引き続き進行しようとする場合に当たるか否かを
考えつつ読むと理解できると思います。
 
法律の改正とともに横井注釈を俺的解説を付けくわえながら
見てみましょう。
 

道路交通法の変遷

大正9年 道路取締令
昭和22年 道路交通取締法
昭和35年 道路交通法(条解道路交通法 宮崎清文 s.38)
昭和39年 27条改正   (注解道路交通法 宮崎清文 s.41)
 
 
 

道路取締令

  • 第四條 牛、馬、諸車等行逢フトキハ互ニ左方ニ避譲スヘシ
  • こんな、時代もあったんですね。
 

道路交通取締法

  • 第十六條 車馬及び軌道車相互の間の通行の順位は、左の各号の順序とする。

     緊急自動車
    二 緊急自動車以外の自動車及び軌道車
    三 自動車以外の車馬
    車馬又は軌道車は前項の定める先順位の自動車又は軌道車に進路を譲らなければならない。
     
    優先順位の車両に追いつかれた場合のみ避譲義務を課していた。
    加速の義務なんてまだない時代です。
 
 

道路交通法 改正前

 
道路交通法ができたものの、避譲義務しかまだありません。
この件について 条解道路交通法 再訂版 宮崎清文先生の解説では
 
後順位の車両は、進路を譲らなければならない。
もちろん、追いつかれた以上は、現実にも、後順位の車両の方が低速で進行していたことは明らかであるが、
 
その場合、追いついた先順位の車両が、現実に、低順位の車両について定められている最高速度を下廻る速度で進行している(したがって、低順位の車両がさらにそれを下廻る速度で進行している)場合にあっても同様である。
(どちらも制限速度未満だったとしても原付は追いつかれたなら譲らなければならないってことね)
 
これに対し、同順位又は後順位の車両に追いつかれた場合は、
前者は、その追いついた車両の現実の速度よりもおそい速度で引き続き進行しようとする場合においてはじめて、進路を譲る義務が生ずることになるわけである(したがって、追いつかれたときに、その追いついた車両の速度をこえる速度で進行を開始すれば、右の義務は生じない。) (宮崎条解 s.38)
(この時はまだ、現実の速度という言葉は使われていません。
常識的に言えば制限速度まで加速すれば生じないと考えるんだけど
 
  • 車両(道路運送法第3条第2項第1号 に規定する一般乗合旅客自動車運送事業者又は同条第3項第1号に掲げる特定旅客自動車運送事業の用に供する自動車(以下「乗合自動車」という。)及びトロリーバスを除く。)は、車両通行区分帯の設けられた道路を通行する場合を除き、第十八条に規定する通行の優先順位(以下「優先順位」という。)
  • が先である車両に追いつかれ、かつ、道路の中央との間にその追いついた車両が通行するのに十分な余地がない場合においては、道路の左側に寄ってこれに進路を譲らなければならない。優先順位が同じであるか又は後である車両に追いつかれ、かつ、
  • 道路の中央との間にその追いついた車両が通行するのに十分な余地がない場合において、その追いついた車両の速度よりもおそい速度で引き続き進行しようとするときも
  • 同様とする。
 

そして現在の27条 昭和39年から変わりました。

この本はどこにもなくて、読んでませんので書けませんが
横井注釈は載せておきます。
 
注釈道路交通法 再訂版 横井大三 s.42年
 
「双方の車両の現実の速度の如何を問わず、後順位の車両は、
双方の車両の現実の速度の如何を問わず、後順位の車両は、
進路を譲らなければなないことになる。
(これも、原付は有無を言わさず譲れということ。
制限速度30キロの道路を原付が10キロで走行中
自動車が15キロでどちらも、トロくさい状況であっても
譲らなければならない)
 
 
従って、同順位または後順位の車両に追いつかれた場合は、
その追いついた車両の速度をこえる速度で進行すれば、
後者に進路を譲る義務は生じない。
(おそい速度で引き続き進行しようとしなければ義務はないってこと)
 
 
後者の現実の速度よりもおそい速度で引き続き進行しようとする場合に、
はじめて進路を譲る義務を生ずる。
  • 注解道路交通法 宮崎清文先生の新しい(s.41年だけど)解説書では
こんな感じでルールが変遷してます。考える参考になれば
 
 
この意見が100%あっているという事にはなりません。
27条に関して具体的に書いてある資料がなく
ガチで考え込んでみた結果こんな感じになりました。
最後まで読んでくれてありがとうございました