15年程前に買って以来、私の足であり、愛しい相棒でもある。
そしてまた、彼は最高のエクササイズマシーンでもある。
無目的に貯めていた100円玉貯金(100均などでよく見掛ける、100円玉で10万円貯まる貯金箱、あれだ)が、10万円貯まったので彼を買った。
私は日頃、自分の生息地周辺を彼に跨り疾走している。
「ウィンダム」と言う名前は、メーカーが付けた名前ではない。
私の悪友が勝手に、強引に付けた名前である。
買ったばかりの彼を見た悪友は・・・
『コイツ、ウルトラセブンに出て来るウィンダムと同じカラーだな!』
ウルトラセブンに出て来るウィンダムとは、味方のメカ怪獣である。
『そうだっけ・・・?』
私は覚えがなかった。
『よし!コイツは今日からウィンダムだ!』
『ええー!勝手に名前付けんなよ!』
『・・・・でも、ウィンダムって弱ぇーんだよな・・・出て来てもすぐにやられちまう(笑)!』
『なんだよ、それぇ!じゃあ違う名前にしてよ!!!』
『んにゃ!コイツはウィンダムだ!!!』
かくして彼はウィンダムとなった。
シルバーカラーの物など、他にも幾らでもあると言うのに・・・
敢えてのウィンダムである。
15年の間に、メンテナンスとカスタマイズを繰り返し、購入時から残っているパーツは、ボディーのフレームくらいのものである。
私はほぼ毎日、彼と出掛ける。
大久保、代々木にある各スタジオへは、どちらも自宅からウィンダムで約15分ほど。
行き帰りで、最低30分は乗る。
時間があれば、1時間くらい乗り回す事もある。
スタジオまでの道程では、ウィンダムで脚のウォームアップである。
どちらのスタジオに向かうにも、坂道があるので、立ちこぎ無しで筋トレ。
足首、膝裏を伸ばし、内腿を意識し、腹筋を引き上げた状態でこぐ。
クラス前のウォーミングアップには最適である。
退院直後、弱ってしまった脚の筋力トレーニングもウィンダムが助けてくれた。
筋力だけではない。
私の萎えた気持ち、落ち込んだ気持ちをも回復させてくれた。
彼と一緒に走っていると、イライラとした気分も吹き飛んで行く。
私の体型維持の大事なサポーターである。