ニューヨーク物語 26 | 鬼ですけど…それが何か?

鬼ですけど…それが何か?

振付師KAZUMI-BOYのブログ

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添付はツアーの衣装の一部である。


この着物風のかけに、クラゲ状の大きな帽子を被り顔を隠す。


それを脱ぎ捨てると、下の金の衣装。


更に、この金の衣装を脱ぎ捨てると、真っ白なフリンジだらけの衣装に早替わる。(残念ながら、この衣装の写真がない。)




これ等の衣装は、台湾から持ち込まれた衣装である。

従って、各々のサイズに合わせて色々と『お直し』が必要だったのだが、私はウェストを詰めなければならず、パンツのウェスト部分を詰め、更に鍵ホックの場所も付け替えた。




ある日、アクシデントが起きた。


本番中、踊っていると、この白の衣装のパンツがどうも心もとない…。


私は、一瞬ポーズで止まった際に、チラリとパンツを見た。



『!』



なんと、ウェスト部分の鍵ホックが外れ、股のファスナーが半分ほど下がっているではないか(οдО;)!


私は慌てて鍵ホックをかけ直し、ファスナーを上げた。


『危ねぇ、危ねぇ!』



気を取り直して踊り始めた私。


しかし、暫くすると再びパンツがユルユルと下がり始めた。


見ると、また鍵ホックが外れている。


『なんで!?』


私は再びポーズで止まった隙に確かめる…


(οдО;)!!!!!!



鍵ホックを縫い止めた糸が、千切れてしまって、鍵ホックの鍵の方がぷらぷらとぶら下がっている…。



これではもう、止めようがない…。



南無三!




毎晩催される、中華料理フルコースの宴…。


お陰様を持ちまして、流石の私もウェスト周りがチョイト成長致し、今回の悲劇を巻き起こす事と相成った訳である。



『ど…どうしよ…(οдО;)?』


私は仕方なく、片手で鍵ホックのあるウェスト中央部分を鷲掴み、振りを続けたが、ナンバーラストの決めポーズは両手を上げなければならない。


その途端、パンツは何のためらいもなく、重力の虜となるだろう。


そんな事は、断じて許されない。


私は焦った。


『!?』


ウェスト中央を鷲掴みにしていた手が、何か、パンツの生地以外の何かを感知した。


早変わりの為に、パンツの下に仕込んでいたスパッツであった。


私は勢いよくスパッツのウェスト部分をグイッと引き上げると、パンツのウェスト部分に被せ、グリグリと巻き込んだ。



何とか最悪の状態は避けられた。


ホッとして楽屋に戻り、ふと楽屋の姿見に映る自分の姿を見ると、ウェストをたくしあげた分、パンツの裾が上がり見事なツンツルテン…。


足首が丸出しのみっともない着こなしであった。




以来私は、どんな時も、出番直前にパンツの鍵ホックとファスナーのチェックを怠らない。