NHKでドラマ化もされた『山女日記』の続編です。
読んでみると、ドラマは本とまっったく違う内容…。ドラマはあれで面白かったけど、これだけ内容が違うのに原作は「山女日記」といえるのだろうか?と思ったりして
本は四章に分かれていて、それぞれいろんな思いを持って山に登る人の人生模様が四通り描かれています。
前作でも思ったけど、雨とか、天気悪い描写多い
最終章が一番心に残りました。
大学の山岳部で一緒に山に登っていた2人の女性が卒業後にそれぞれをの道を行き、30年を経たのち手紙を交換して近況を語る内容。心に響いたのは、自分の歳と重なるからかな?
学生時代って大体皆んな勉学やサークル活動やバイトにおいて横並びだけども、卒業後は自分が進んだ環境で、それぞれ全く違う人生を歩くことになる。
誰しも平等に良いことも悪いことも起こるけど、表に出るのは良い面だけだから、自分と比べて羨んだり落ち込んだりもする。
結婚して頼れる夫がいて幸せそうで羨ましいと思われる人も、結婚せずに自分の好きな道を極めている人に劣等感を感じていたり。
それでも30年経って、ようやく鎧を取って、良いことも悪いことも洗いざらい、かつての親友に手紙で綴りあうという内容。
うまくいかなかった過去は不幸だったと切り捨てて亡きものにしたくなるけどそうじゃなく、それを乗り越えた自分を労って、また進めば良い。
途中で休んだら二度と歩き出せなくなりそうだけど、山ではザックを下ろして座って休憩して、立ち上がれなくなることは一度も無かったじゃん?だから大丈夫。むしろちゃんと休んだ方が良いんだよ。
みたいなことを感じました。
しんどい時にしんどい、と言えないことが一番しんどい、とかも、なるほどな〜と。
しんどい、と言ったらその場に座り込んでしまいそうで怖いんだよ。
50才過ぎたから言えるようになるのか、どうか。
20〜40代後半までって、これからも延々に人生は続いて行くと思ってるから辛いのかも。
私は先が見えてきて、もう何か成し遂げなくては!と思わなくてもこのままゴールでいっか〜と思えて少し楽。年金だって、払うのはあと4年になったし。終わりが来ようとは思いもよらなんだ
しかし、小説家ってすごいね。どんだけの観察力があるんだろう。観察して感じてそれを言葉にして物語にする。頭の中どうなってるんだろう。尊敬しかない✨