こんにちは!
Flexible Perfect Body協会 代表 安藤一樹です。
今回は、手関節をキメる(極める)コツを、生理学的にお話ししていきたいと思います。
セラピストにとって「関節をキメる」ことは、必須技術です。その理由は、前々回のブログに書いてあるので、ぜひ、ご一読下さい。
こちらは手関節をキメる(極める)コツを、生体力学的に解説したブログです。
関節技の名手で、総合格闘家の青木真也さんは、
「関節技の極めはどうすれば身につくのか。」という題名の記事の中で、
『僕が大切だと思うこと。相手の関節を曲がらない方向に曲げる。痛い方向に曲げる。これが一番。1にも2にもまずはこれ。僕は十字固めをこう習った。どんな状況でも相手の痛い方向に曲げたらいいし、曲がらない方向に曲げたら痛いだろうと。』引用元:
と述べています。
つまり、関節をキメるを習得するには、
①痛い方向に曲げる。
②曲がらない方向に曲げる。
この2つが重要です。
そして、しっかりと関節をキメると、ビリッとした耐え難い鋭い激痛が走ります。
関節をキメる=関節に最大限のメカニカルストレスを与える行為ですので、これが出来ないということは、どうすれば関節にメカニカルストレスが加わるのかが、分からないと言うことになります。
その状態では、関節のメカニカルストレスを軽減させる治療が出来ません。
※メカニカルストレスとは・・・伸展、圧縮、ねじり、せん断、曲げなどの機械的な力による負荷のこと。
そのため、関節をキメることは、セラピストにとって必須技術です。
しかし、言うは易しと言うように、これが意外に難しく、なかなか出来ません。
そこで、今回は、生理学的に見た、手関節をキメる技術をお伝えしたいと思います。
前述したように、関節をキメるためには、痛みが指標になります。そして、しっかりと関節をキメると、ビリッとした耐え難い鋭い激痛が走ります。
痛みには、①侵害受容性疼痛、②神経因性疼痛、③心因性疼痛の3つがありますが、関節をキメた際の痛みは、侵害受容性疼痛です。
侵害受容性疼痛とは、危険から身を守るために生じる生理的な痛みです。
そして、関節をキメた痛みは、局在の明確な鋭い痛みですが、そのような痛みを伝達するのは、Aδ線維です。
これは通称、速い痛みと呼ばれます。
Aδ線維は、靭帯にも多く存在しているため、靭帯に対してしっかりと刺激を加えると、発火します。
靭帯は、関節が脱臼しないように、関節を繋いでいる綱のような役割をしています。その綱に刺激を加えるためには、関節を脱臼させるように動かす必要があります。
それが出来ているかどうかの指標として、腱が伸張される痛みがあるか無いかが、大切です。
腱は筋肉の収縮力を骨に伝える役割があり、関節の脱臼とは関係ありません。そのため、腱が伸張された時の痛みは、靭帯のそれに比べてダメージが少なく、緊急性が低いため、マイルドな痛みになります。
そのため、もし、腱が伸張されるマイルドな痛みがあれば、それは腱のストレッチになってしまっており、靭帯に刺激を入れることが出来ていません。
しかし、腱が伸張される刺激が無ければ、それは関節自体に刺激が加わっているため、上手く靭帯に刺激が入り、Aδ線維が発火して、ビリッとした耐え難い鋭い激痛が走ります。
これは、とても大切な技術ですが、練習する際には、危険が伴います。
痛みが後を引く場合は、靭帯を痛め過ぎている危険性があるため、その際は時間を空けて練習して下さい。
練習する際は、くれぐれもケガをしないように十分注意して、自己責任で行ってください。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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