こんにちは!

Flexible Perfect Body協会 代表 安藤一樹です。




今回は、関節をキメる(極める)コツを、生体力学的にお話ししていきたいと思います。




セラピストにとって「関節をキメる」ことは、必須技術です。その理由は、前々回のブログに書いてあるので、ぜひ、ご一読下さい。




関節技の名手で、総合格闘家の青木真也さんは、

「関節技の極めはどうすれば身につくのか。」という題名の記事の中で、

『僕が大切だと思うこと。相手の関節を曲がらない方向に曲げる。痛い方向に曲げる。これが一番。1にも2にもまずはこれ。僕は十字固めをこう習った。どんな状況でも相手の痛い方向に曲げたらいいし、曲がらない方向に曲げたら痛いだろうと。』引用元:

と述べています。




つまり、関節をキメるを習得するには、

①痛い方向に曲げる。

②曲がらない方向に曲げる。


この2つが重要です。




そして、しっかりと関節をキメると、ビリッとした耐え難い鋭い激痛が走ります。




関節をキメる=関節に最大限のメカニカルストレスを与える行為ですので、これが出来ないということは、どうすれば関節にメカニカルストレスが加わるのかが、分からないと言うことになります。




その状態では、関節のメカニカルストレスを軽減させる治療が出来ません。


※メカニカルストレスとは・・・伸展、圧縮、ねじり、せん断、曲げなどの機械的な力による負荷のこと。




そのため、関節をキメることは、セラピストにとって必須技術です。




そこで、今回は、生体力学的に見た、手関節をキメる技術をお伝えしたいと思います。




まず、手関節の構造について、Donal A.Neumann原著の「筋骨格系のキネシオロジー」には

『橈骨遠位端には、生体力学的に重要な2つの構造がある。第1に、橈骨遠位端は尺骨(内側)方向に向かって約25度の角度を形成している。この橈骨の傾斜のために、手根及び手がさらに回転して、橈側変異より大きな尺側変異を生じる。』


『第2に、橈骨遠位関節表面は手掌方向に約10度の角度をなす。このことにより部分的ながら、手根では伸展に比べなぜ大きく屈曲できるのかが説明できる。』と記載されています。

引用元: Donal A.Neumann原著,嶋田智明・平田総一郎監訳「筋骨格系のキネシオロジー」p188





図.25°尺側傾斜(右前腕)




図.10°の掌側傾斜(右前腕)

引用元:ヒューマンアナトミーアトラス2024




橈骨遠位端には、これら二つの傾斜があります。




そのため、生体力学的には、手関節掌屈した際に25°の尺屈を生じます。




そして、10°の掌側傾斜により、背屈に比べて掌屈運動がしやすくなっています。




この生体力学的な動きに逆らうことで、関節を破壊する方向にメカニカルストレスを加わり、関節をキメることが出来ます。




具体的には、掌屈する際に25°橈屈方向に力を加え、10°背側に押し込みながら、手関節を掌屈させます。




このような動きを加えることで、関節をキメて、ビリッとした痛みを出すことができます。




これは、とても大切な技術ですが、練習する際には、危険が伴います。




痛みが後を引く場合は、靭帯を痛め過ぎている危険性があるため、その際は時間を空けて練習して下さい。




練習する際は、くれぐれもケガをしないように十分注意して、自己責任で行ってください。

 



本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 



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