こんにちは本質力リハビリテーション協会 代表

 理学療法士の安藤一樹です。

 


今回は筋筋膜アプローチが脳卒中の回復に与える効果について考えてみたいと思います。

 


まず、筋筋膜アプローチとは!?

当協会が考える筋筋膜アプローチとは

硬くなってしまった筋筋膜を正常化することで身体アライメントを整え、身体の機能を改善する治療法です。

 



身体はテンセグリティーと呼ばれる構造をしており、張力材(筋・筋膜)の張力によって圧縮材(骨)が支えられている構造をしています。



過去ブログ:テンセグリティー について詳しく説明したブログhttps://ameblo.jp/kazukiando19861211/entry-12443780457.html



図.テンセグリティー構造



図.テンセグリティー 構造(人体モデル)


 

 

そのため、筋・筋膜が硬くなってしまうと骨の位置がズレてアライメントが崩れてしまい、



関節運動の障害や循環障害、内臓機能の低下などさまざまな不具合を起こします。


 図.アライメントが崩れた状態



その崩れたアライメントを筋筋膜に対する治療で修正し、関節運動の障害や循環障害、内臓機能の低下などを改善するのが筋筋膜アプローチです。

 


過去ブログ:内臓の働きと身体アライメントの関係についてhttps://ameblo.jp/kazukiando19861211/entry-12440808708.html

 


では、この筋筋膜アプローチが脳卒中の回復にどのように良い影響を与えるのか考察していきたいと思います。





脳脊髄液とは?


脳脊髄液とは脳室やくも膜下腔を流れる無色透明の液体です。約140mlの脳脊髄液が流れており、一日に3~4回入れ替わります。

 

働きとしては

①脳を栄養する

②脳の保護(緩衝作用)

③脳内の不要な物質の除去

④情報伝達

などがあります。




図.脳脊髄液(赤字のところを流れています)





 


 

また、脳には一次呼吸と言う働きがあり脳脊髄液の循環に合わせて頭蓋骨が0.02mmほど膨らんだり、しぼんだりしています。(実は頭蓋の縫合は完全にくっついている訳ではないので動きます!)




※ちなみに0.02mmはコピー用紙一枚分の厚さです。

※一分間に6~13回のリズムで膨らんだり、しぼんだりを繰り返しています。




 

頭部の筋・筋膜が固まっている(筋硬結、筋膜の高密度化がある)と頭部が締め付けられて頭蓋骨が膨らんだり、しぼんだり出来なくなり、



この一次呼吸が阻害されます。



一次呼吸が阻害されると脳脊髄液の循環も阻害されるため、脳の栄養や老廃物の除去が出来なくなり脳の回復を阻害してしまうと考えられます。



また最近の知見では脳脊髄液は情報の伝達にも関与していると分かっているのでシナプスを増やして機能を回復させる働き(シナプスの可塑性)も阻害されてしまうかもしれません。

 


図.頭部の筋・筋膜が硬くなった場合

出典:https://ima.goo.ne.jp/column/comic/4704.html


図.
出典:https://ima.goo.ne.jp/column/comic/4704.html


※大きな枠組みでは筋・筋膜が硬くなる=筋肉のコリ

=筋硬結、筋膜の高密度化です。ほとんど同じものと考えて差し支えありません。


※筋・筋膜が硬くなると、上記のような症状も引き起こすため、筋筋膜アプローチでは上記のような目の疲れ、食いしばり、頭痛にも効果的です。





 

 

筋筋膜アプローチによって、硬くなった頭部の筋筋膜をほぐして正常化することは



脳脊髄液の循環を促進して脳に栄養を行き渡らせ、脳に溜まった老廃物を除去し、情報伝達をスムーズにして機能回復を助ける効果があると考えられます。

 


本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

 




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