こんにちは!本質力リハビリテーション協会 代表 理学療法士の安藤一樹です。
今日はセラピスト向けに新しい身体構造の捉え方について書いていきたいと思います。
教科書などで多く散見される従来の身体構造は身体を剛体として捉える考え方でした。
図.剛体モデル(従来の身体構造の捉え方)
この考え方では身体の各パーツを筋収縮によって動かします。
そのため、姿勢を保つためには綱で引っ張って支えるように後方の抗重力筋を働かせ続ける必要があります。
図.抗重力筋
そのため全身の筋が発達していて強いほど、パフォーマンスが高い身体ということになります。
理学療法の現場でも高齢者からスポーツ選手まで筋力を鍛えて強い身体を作ることが重要視されることが多いと思います。
しかし、この考え方では身体を最大限に上手く使えている超一流アスリートや武術の達人の動きを説明する事は出来ません。
なぜなら彼らは筋力に頼った動きをしていないからです。
YouTubeなどで彼らの動画を見てみるとみんな力んだ感じが無く、しなやかな動きをしています。
それに歴史に残るような伝説的なアスリートにゴリゴリに筋肥大してマッチョな人はいません。
図.超一流アスリートの一例
イチロー
ペレ
フェデラー
マイケルジョーダン
また武術では緊張を使って床を蹴る動きを「居つく」と呼び、無駄の多い悪い動きであると戒めています。
そして緊張の無いスムーズな動きこそ良い動きであるとしています。
この動きは身体=剛体という従来の考え方では説明できません。
この動きを説明できる考え方がテンセグリティーです。
図.テンセグリティー構造
人体で例えると、木の棒が骨、青いゴムが筋膜や筋です。
上の図のテンセグリティー構造は従来の剛体モデルと違って、
地面から浮いているような感じがしませんか?
この構造であれば全体がゴムの張力によって支え合うことで形を保つため、抗重力筋活動で後方から引っ張らなくても立つことが出来ます。
図.テンセグリティー構造を人体に応用したモデル
動く際も筋収縮で動かすのではなく、一部の張力を抜いて形を変えたり、
ボールを落とすように重心を落としてたわませることでその復元力(元に戻ろうとする力)を使って動くことが出来ます。
図.一部の張力を抜くことで全体に動きが生じる
図.復元力(たわんでから元に戻ろうとする力)で動く
アライメントが悪い身体は筋硬結(筋のコリ)や筋膜の硬さによって、この構造が歪んでいる状態だと考えられます。
図.筋硬結や筋膜の硬さによる、テンセグリティー構造の歪み
そのため筋肥大しなくても筋硬結や筋膜の硬くなった部位(青いゴムが一部硬くなった状態)を改善して、
より歪みの無いきれいなテンセグリティー構造にすることで最大限動きやすい身体にすることが出来ると考えられます。
ちなみに、イチローも筋肥大することには否定的です。
35:10~37:30頃まで ウエイトトレーニングについての話が出ます。
また、これは柔道の達人、三船十段の動画です。
なんだか上記のテンセグリティーのように地面から浮いていて力みが無い感じがしませんか?
三船十段も柔道の極意は「球のように身体を使うことだ」と言っています。
テンセグリティー構造も全体の張力が支え合って形を作るので、球体に近いイメージがあります。
おそらく三船十段の言う
球体のように身体を使う=テンセグリティー構造なのだと思います。
このように当協会では
身体のアライメントを整えて、きれいなテンセグリティー構造になることで動きやすい身体が作れると考えています。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
本質力リハビリテーション協会とは・・・
ゴッドハンドとそうではないセラピストの一番重要な違いは何か知っていますか?
それは「正常なアライメントをしているかどうか」です。
当協会では超一流と平凡な人の身体アライメントを数多く比較することで、
ゴッドハンドと呼ばれるセラピストや超一流アスリート、武術の達人が例外なく「正常な身体アライメント」をしていることに気が付きました。
実は「正常なアライメントをしているかどうか」がセラピストやアスリートの技量を決定づけています。
私達本質力リハビリテーション協会は
「どうすれば超一流の人々と同じ身体アライメントになり、超一流の人々と同じことができるようになるのか」を解剖学・生理学・運動学・物理学・量子力学などの科学的観点から解き明かし、再現することを目的とした団体です。
【本質力リハ セミナー日程】
トランスファー、歩行介助の苦手意識を無くしましょう!
3/10(日)【仙台】リハビリ職の職業病?腰痛を回避するトランスファー、歩行介助上達セミナー