2月も半ばを過ぎて、気がつけば来週末に迫ったWSBK開幕戦。
改めてここで自分の参戦するWSS(World Super Sports) というレースについて書いてみようと思います。
まず話をポーンと振り出しに戻してしまいますが。
数ある世界選手権の中で、
舗装されたクローズドサーキットで行われる、いわゆる「ロードレース」と呼ばれる2輪レース。
その中には大きく分けて3つの世界選手権があります。
まず一つ目はみなさんご存知「MotoGP」
レース専用にただ速く走る事だけを目的に作られた世界中に数台しか存在しないプロトタイプマシンで争われる、
文字どおり世界最速を争うレースです。
「MotoGP」の選手権の中でも3つのクラスに分かれており
その中には最高峰の4ストローク1000ccエンジンを載せ、350km/hを超えるトップスピードを記録する「MotoGP」クラス。
そして3クラスの中で唯一ワンメイクエンジンで接戦の繰り広げられる中排気量600ccの「Moto2」クラス。
さらに小排気量250ccの単気筒エンジンで多くの若手ライダー達の登竜門として激しいレースになることの多い「Moto3」クラスが存在します。
そして自分が今年参戦するWSSがクラスの一つにあるSBK(World Super Bike)世界選手権。
SBKではMotoGPとは異なり、あくまで一般に販売され公道を普通に走るバイクをベースにして争われるレースです。
誰にでもお金を払えば手に入るバイクで争うレースという意味では、より皆さんに身近なレースと言えると思います。
このSBKでもいくつかのクラスに分かれており、
まず市販車最高峰レースとなる4ストロークの4気筒は1000cc、2気筒は1200ccのバイクで争われるSBKクラス。
そしてスタンダードのスイングアームだったりブレーキキャリパーだったりとSBKと比べてもより厳しいルールの中で、4気筒600cc、3気筒675ccのマシンで争われ、タイヤも一般市販しているピレリの溝付きタイヤでのワンメイクという中排気量クラスWorld Super Sports 。

そして今シーズンから新たに始まるのがWSS300というクラス。

名前の通り主に300ccまでのマシンが参戦しているクラス。
正直自分も新しいこのクラスのことを詳しく知らないのですが、カワサキで言えばNinja300(日本でいうNinja250)、ヤマハで言えばR3(R25)、KTMのRC390などが参戦するクラスとなるようです。
またヨーロッパでのWSBKシリーズでのみ行われている、STK1000はベースとするマシンは同じく市販車とする中で、SBKに比べてよりスタンダードに近いマシンで行われるクラスもあります。
このふたつの世界選手権はレースを知らない人がパッと見て違いを見分けることが難しいかもしれませんが、
純粋なレーシングマシンでライダーに合わせて車体のバランスを大きく変える事のできるキャスター角やらピポッドやらリンクやら何やら…、場合によっては一人のライダーに合わせてフレームごと作り変えてしまえるのがMotoGP。(もちろん細かく決められたルールの中でですが)
それに対して、あくまで市販車をベースとして厳しく制限されたルールの中でベースマシンの性能を引き出して、どちらかというとライダーがマシンに歩み寄ることが必要なのがSBKと言えると思います。
それに加えてあと1つの世界選手権といえば。
今年第40回目を数え、鈴鹿8時間耐久ロードレースが最終戦としてフィナーレを飾る予定の、「EWC」世界耐久選手権。
ルマン24時間などもその1つで、「鈴鹿8耐」のブランドが強すぎて失念しがちですが、これも世界選手権なのです。
ベースマシンはSBKなどにも出ているお馴染みのマシンで、トップ争いをするのは各メーカーのワークスマシンたちですが、EWC全戦をまわるチームのマシンはルマン24時間に代表して長い時間を戦うレースということもあり、1周のスピードを求めるというよりも転倒修復の時間短縮のためのマシン作りのノウハウがあったり、タイヤ交換も数秒で終えてしまうような構造を持っていたり、個人的にはマシンを見ていても面白いレースです。
っとまあかなーりざっくりとした書き方ですが、十分に長ったらしいですね笑
自分のロードレースキャリアはGP250という、今でいうMoto2の前身のクラスがスタートでした。
2006年にGP250で走り始め、2009年まで同クラスに。
2010年のMoto2スポット参戦に、2012年のJ-GP2(全日本版Moto2)と、基本的に純粋なレーシングマシンでの活動がベース。
そういう意味で、スタンダードに近いマシンでの経験が少ない自分にとって今年のWSS参戦は、ライダーとしての順応力が試されるシーズンとも思っています。
それはマシンだけの事ではなく、初めてのコースがほとんどでもあるし、サスペンションも初めて使うメーカー、タイヤも初めて、チームも英語もしくはイタリア語でのコミュニケーション能力が試される部分もあります。
っとまあ。
何をどう試されると言ったところで、
結局のところサーキットについてバイクに乗って、マシンをセットアップして速く走るってところで、世界中どこに行ってもライダーの仕事は同じなので。
自分のやれることをやってくるしかないのです。笑
で。話は変わって。
最近よく「テレビで放送するの??」
なんて聞かれることも多いので、ここで情報を載せておきますが。
WSBKはスカパー・ケーブルテレビ・CS放送のJ-Sportsチャンネルでご覧頂けます。
2/20にはシーズンプレビュー。
2/26午後6時から開幕戦オーストラリアの様子も放送予定です。
詳しくはコチラ。
またJスポーツ契約してもSBKしか見ねーよ!
とかやっぱり見るならLIVE !!
という熱い方がいれば。どこにいても過去のレースからライブ放送も見れるSBK公式サイトでのビデオパスもアリかと思います^^
話はいつもどおりそれているわけですが。
地厚はこれを書いている今現在すでにオーストラリアへ向かっている最中。
2/20-2/21はシーズン開幕直前最後の公式テストを走り、2/24-2/26がいよいよ開幕戦です!
本当にあっとうまのオフシーズンでしたが、今改めて世界選手権にチャレンジできるとワクワクしています。
速く、強いライダーが世界中から集まる場所で自分がどの位置にいるのか。
まずは公式テストから。
まずは自分の力を出し切れる環境を作るところからですね!
頑張ります^^