毎晩、ベッドに入る直前から、ベッドが視界に入ると同時に睡魔が襲ってきます。
よっこらしょと横になって、ジュリー様の笑顔の横で目覚ましをかけ終えますと、1分ほど仰向けに寝て目を閉じた後、決まって右に寝返りをうちまして、数秒で爆睡の闇に包まれます。
非常に寝付きが良いです。
ベッドルームにおいでになるジュリー様の数々のお写真に囲まれ、今度はいつ夢でお会いできるのかと毎晩ウェルカム状態なんですけど、最近は夢すらも見ない毎日でつまんないと思っておりました。
そうしましたら、昨晩夢を見ました。
それはジュリー様ではなく、登場人物は私一人と死体ひとつです。
暗闇の中、穴を掘っていて、殺された人間を埋めようとしているところから始まりました。
どうも私が殺したらしく、でも私はいたって落ち着いて穴掘りの作業を黙々と続けています。
穴を掘っている場所は日本国内で、どこにでもある歩道です。
詳しくいえば、車道と歩道の間にある花壇の部分です。
なにもこんな目につく所に遺棄しなくても、他にもいい隠し場所がありそうですが、私はなぜか歩道にこだわっていました。
見事にひと一人入る穴が完成しまして、死体を放り込むと土をかぶせ、遺棄終了。
完全犯罪でございますよ。
私によって殺されたのが誰なのか、どういう殺され方をされたのか、どうして殺す必要があったのか、それはわかりません。
華麗な犯罪を成し遂げた達成感で、その歩道の横の花壇を「ここに埋めたのだ」と不気味に心の中で呟きながら毎日通勤で通ります。
なんら変わったことも起きず1ヶ月ほど経ったある朝、なんとちょうど私が死体を埋めた真上には、木が植えられていました。
一瞬顔色が変わりましたが、特に問題は無かったらしく、捜査された形跡もありません。
そのうちその木に美しい花がついてきました。
毎朝晩、掘り起こされてないないかと少々ビビりながら、その花壇を横目に通勤を続けているのです。
ここで目が覚めまして、こえ~よ~とジュリー様に呟いてしまいました。
これは夢占いで言うと如何な心理状態であるのかちょっと気になります。
昔々、子供心に「この人こそ絶世の美男子」と思った方が一人だけいました。
映画「太陽がいっぱい」の「アラン・ドロン」さんです。
英語版「パープル・ヌーン」、フレンチ版「プレイン・ソレイユ」、邦題「太陽がいっぱい」でございます。
貧しい家庭に生まれ、お金持ちの友達を殺し、IDを偽造し友達に成りすまし、全ての財産を手に入れてしまうというお話です。
殺人、死体遺棄、詐欺、偽造、横領、非常に罪深い完全犯罪を、イタリアのギラギラと輝く太陽のもと、この美男子が完璧に成し遂げます。
アラン・ドロンさんだからこそ犯罪もこんなにも美しく絵になるのか、と思われます。
邦題「太陽がいっぱい」では、最後の結末が重大にまるっきり違いますよね。
現在は、英語版やフレンチ版が日本でも出回っているかもしれませんので、ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんね。
「太陽がいっぱい」の原作は「 The Talented Mr. Ripley 」、アラン・ドロンさんが演じた犯罪者、主人公の「トム・リプリー」はシリーズ化しておりまして、全作で5巻ありますです。
第一巻(一番左)は「リプリー」が犯罪に目覚めたもので、映画「太陽がいっぱい」になりまして、これだけアラン・ドロンさんが演じられました。
そして原作では、完結巻までおぞましく美しい異常な犯罪劇は繰り広げられます。
ちなみに第3巻「 Ripley's Game 」は同題の映画になりまして、「ジョン・マルコビッチ」さんがリプリーを演じられています。
こちらもまた違った異常さで面白かったです。
私はあまり本を読む方ではありませんが、絶世の美男子を生んだ原作だからというだけで飛びついて読みあさりました。
そんな私でも夢中になれたこの著書、日本語版でも英語版でもフレンチ版でも、御興味のある方は是非。
映画では一番美しかった頃のアラン・ドロンさんが、本では映画でカットされている重要なシーンが鮮明に表現された逸品です。
それにしても、昨晩の夢は何だったんでしょうか。
