マザーを地球に戻す為、時喰みの体内に侵入したシキだったが…!?
前号までのあらすじ…舞台は冒険の終着点、かつて地球があった宇宙。そして残るは、エデンズゼロVS.エデンズワン、ジギーVS.ヴォイドの戦いのみ。その一方で、シキは「時喰み」を呼ぶことで、マザーを元々の"地球"の姿に戻すために行動する。マザー消滅のタイムリミットが近づく中、シャオメイを頼り、シキは時喰みの下に辿り着き、怪物の体内に侵入。そこには謎の女性(?)の姿が…!?
扉絵
扉絵は、マザーを巡る最終決戦の現状フィールドマップ。
真島作品でたまにある戦況を再確認する為の情報整理です。
EDENSZEROでも少し前、259話の扉絵でありました。
ジギーvs.ヴォイド、エデンズゼロvs.エデンズワン、マザーの前にいるレベッカ、時喰みと対峙するシキというファイナルラウンドに突入しつつある戦場。
戦いがどう収束していくのか、未だに全貌は見えません。
時喰みの見せる世界
シキが「時喰みの本体」と表現した時喰みの中にいた謎の女性。
前回の感想で個人的に使っていたのは「時喰みの核」という表現。
時喰みそのものは大き過ぎて倒し方なんて分からないけど、体内にいるこの女性を倒せば無力化できるんじゃないかと、そんな印象を抱いていました。
シキも「時喰みの本体」と表現したなら、その読み方は間違っていなさそう。
そんな時喰みが見せるのは、ブルーガーデンを思わせる世界。
時喰みの本体(仮称)が片手で衝撃波を放つと時喰み体内の世界が一変します。
シキが急に連れ込まれた滅びたような世界。
そこには、ブルーガーデンにある冒険者ギルド「流星の灯」と思わしき建物があり、大きな柱のようなものが突き刺さっています。
大きな柱のようなものは至るところに突き刺さっていて街を破壊している。
「ハート」模様が描かれた巨大な箱型のものもあらゆるところに浮いている。
それはまるで、ブルーガーデンにノーマの土属性エーテルの柱が落ちてきたような世界。
まず象徴的な大きな建物が「流星の灯」であるのは疑いようがないでしょう。外観が完全に一致してる。
微かに水のエーテルが浮遊してる事からブルーガーデンである事も確定的。
気になるのは、ブルーガーデンを壊した巨大な柱とハート模様の立方体。
やはり柱に関しては自分はノーマの土属性エーテルに見えます。
あれだけじゃ何とも言えないデザインである気もしますが、空から降り注ぐという現象が完全に一致しているんです。
謎の柱が街を崩壊させた不可解な現象はともかく、それが空から降ってくるなんて状況までノーマと偶然一致するなんてあり得るんでしょうか。
この謎の世界、パッといくつか可能性が思い浮かんで。
・時喰みの本体の心象風景
・実際に存在するマルチバース
・時喰みの奪い返した時が保管されてる世界
最初は一つ目二つ目の可能性が思い浮かんだのですが、三つ目も全然あり得るかな。
星の特徴が感じられるノーマって時喰みに時を奪われた星でもあるんです。この共通点に何か意味がある気がする。
時喰みの戦い方
時喰みの本体に関しては「レベッカ」説を考えてるのですが。だからこそシキ相手にまず「アナタは誰?」と聞いたのはビックリしました。
絶対知ってる相手なのに、そんな初対面のリアクションするのかと。
この時は、あー別に正体レベッカではないのかな〜と思いました。
しかし、直後足で蹴る攻撃をした時は、正体レベッカで確定的…!!と手のひら返し。
足にはエーテルラインと思わしき紋章がありますから、どう見ても「エーテルギア」の類ですよね。
手は特別な動きをせずスマートに構えて「足」だけを動かす攻撃方法にもどことなくレベッカらしさを感じます。
例えばシキなんかが足で攻撃するとしたら、もっと大胆に体全体を振り回す勢いで動く気がするんです。
しかし、時喰みの本体がそうしなかったのはこの体の動かし方に何か意味があるんじゃないかと勘繰ってしまいます。
足のエーテルラインに関しても読み返して見比べてみると、似てる!完全一致とは言えないものの、進化したらこうなるんじゃないかと思えるくらい似た構図のデザインになってる。
レベッカのエーテルラインは「時空を翔ける翼」のデザインに見えると感じているのですが、時喰みの本体に関しては「象形文字」とか「ナスカの地上絵」みたいな古代感と言いますか「文字」や「文明」の起源みたいなものを感じさせます。
ナスカの地上絵も宇宙人が描いた説みたいなのあった気がするけど、少しオカルティックなSF感。
この戦い方、どう見ても「レベッカ」にしか思えませんね〜〜〜。
自分自身前回の時点で考えてたのもあって、あまりに濃厚過ぎる可能性なので、もう早くバラしてほしい気分。
今このコイツ何者なんだパート長々やるより、正体分かってからのシキの葛藤であったり真実解明パートに尺を割いて丁寧に描かれてほしいです。
ヒントは十分過ぎるほどある。あとはシキが「気づくだけ」な気がするぞ。
現状は「事情は分からねぇけどおまえのせいでみんなが迷惑してんだ」と解決すべき災害扱いですけど、もしかしたら1番助けるべき存在かもしれないんです。
いつか戦った事を後悔してほしくないので、早く気づいてくれと願うばかり。
時ヲ奪ワレタ巫女
「アナタは誰?」という問いの返答として「シキだ」と答えた時も「シ…キ…シ…キ…シキ…」と頭を抱えてるの微かな記憶が悲鳴をあげてるじゃーん!
もう忘れたはずなのに心が覚えてるじゃん!
どれだけ時が経ったって忘れられないものってあると思うのよ。
時喰みにとってはそれが「シキ」なのでは…?
時喰みの正体がレベッカだとしたら改めてヤベェな…。
時喰みなんて単行本2巻の最初期から出てきていて、何ならシキ達がエデンズゼロより出会うより先に作中に出てきた存在、最近だとマザーとジギーの出会い、シキの誕生という最重要な真相にも関わっていたと分かって、ずーっと特別な存在。
それがずっと側にいたレベッカだったってヤバくない…??
その手の読み味、マザーが地球だった時にも味わったけど、あれはある種メタ的な構造を利用した伏線回収に対して、こちらは物語的な面白さを強く感じる。
もし、時喰みがレベッカだとしたらこれまで起こした時喰みの星喰いはどんな背景のある行動だったのだろう、シキと一緒に冒険してきたこの女の子はやがて時喰みになるのだな…と切なさを感じる。
早く真相を知りてぇーー!!
シキの方も「おまえは誰だ」と聞き返して、答えたのは「アタシは…時ヲ奪ワレタ巫女」。
「アタシ」という一人称がもうレベッカですし「時ヲ奪ワレタ巫女」ってキャットリーパーCO過ぎますよ。
というのも、キャットリーパーの力を受け継ぐセントファイア・ノックスの家系は「時の巫女」という表現がされているんです。
ジョーカー・ヘリックスの時を止める影響をレベッカだけが受けなかった不可解を指摘された時。
レイチェルはレベッカを「時の巫女…だからじゃないかしら」と語っていました。
レイチェルは時の力を失っているので該当せず、現在進行形で力を使えるレベッカのみが「時の巫女」。
作中でここの1回だけかな?キャットリーパー使いを「時の巫女」と表現されています。
少しニュアンスが違うとはいえ「時ヲ奪ワレタ巫女」なんて言い方するのレベッカ確定じゃない…??
何故そうなったのか分からないけど、どんどんレベッカ要素を強めていく。
シキvs.時喰み戦闘開始
気になるのは前回も言っていた「返シテ アタシノ時ヲ」という発現です。
おそらく時喰みの星の時を喰うという行為は時喰みにとって「奪われた自分の時を取り戻す」行動なのではないかと思います。
では、時喰みにとって「時」とは何で、何故それを奪われたのか。
個人的には、時喰みはユニバース0における未来のレベッカなのではないかと考えています。
全てが幸せな世界であるユニバース0。
その帳尻を合わせるように"時"が牙を向くんじゃないかって。
当初はこの「幸せ」にバランスを取るような意味を求めない派だったのですけど、マザーの与えた二択でそういうものではないと知り、であるならこのご都合主義の世界の負の側面を誰かが背負わなければいけないのかなと思いました。
それが、レベッカなのではないかと。
奪われたレベッカの時とは、ユニバース0以外の世界を指しているのかな。
いくつもの不幸に苛まれた世界。
ユニバース0が幸せであればある程、他の世界は不幸になっていくんじゃないかなんて考えています。
それならこのユニバース0で怒りにくるのも理解できる動機。
「時」ってのはあまりに概念的過ぎて、色んな想像ができますが、自分は「ユニバース」という解釈をしてみました。
「事情は分からねぇけどおまえのせいでみんなが迷惑してんだ おとなしくしてもらうぞ」と依然臨戦態勢のシキ。
「だけどその前に一つだけおまえの力を借りたい マザーを喰うんだ!!!そして地球だった頃に戻してくれ」と助けを求めます。
さて、この戦いどうなってしまうんでしょうか。
ここにきて時喰み(レベッカ)ラスボス説が浮上してきましたけど、何してもまずはマザーを救わねばなりません。その為に力を借りねばなりません。
そう簡単に力を貸すはずないし、マザーを救うのが先にくるとなると時喰みがラスボスというわけではないのか…?
そもそもジギーvs.ヴォイドが結構長くなってきてるので、あちらと同じぐらい重要と考えるとシキvs.時喰みもそうすぐに解決すると思えないし、最近のEDENSZEROは展開が読めません。
何だかんだ最終話も近いと思うけど、話上手くまとまるのか…?
ヴォイドの思想
今回、ヴォイドの思想が一つ見えました。
いわゆる「人類は悪だから滅ぶべき」的なラスボス思想かと思うのですが、その根底には「憎しみ」の類があるわけではないのか。
ジギーは「なぜそこまで人間を憎む」と聞き、ヴォイドは「憎い訳ではない 私の計算した未来に人間は不要と判断された」と答えました。
憎いとか感情抜きにして高度なAIが導き出した結論というのがこの手のアンドロイドモノとして王道な展開です。
そのバックボーンには、これまで人に虐げられてきた機械の数々があったりするんだろうか。
ノーマでシビルに壊れたジョニー、サン・ジュエルで紅婦人に利用され殺されたヴァルキリー、ネロ66でシュラの命令で自爆特攻させられた機械たち。
これまでそういったEDENSZERO世界の闇の側面は何度も描かれてきてるので、それが根拠にあるなら強く反論できません。
ここで改めてそういった共存問題に直面するなら、やはり人類は機械との在り方に明確な答えを出すべきだと思う。
そういう意味ではヴォイドを倒すのはジギーじゃいけない気もしちゃうな。
人間であるシキか、もしくは人の光の側面を強く知って憧れているピーノか。
ヴォイドのした「計算」というのがどういうものなのか気になります。
否定してはならない未来
「おまえの計算した未来だけが未来ではない!!!!」というジギーの反論も凄く気持ち良いですし、真島作品らしい感情論を想起させるなと感じました。
ちょっと違うかもしれないけど、真島先生の前作『FAIRYTAIL』におけるナツの「明日なんてわからなくていい 今日を全力で生きる為に!!!!!!」を彷彿としました。
この言葉で問題の全てが解決するわけではないですが、この言葉を信じてみたいと思える希望がある。
ジギーの言葉も何かを解決したわけではないですが、その通りだと思いました。
ヴォイドがどれだけ高性能なAIを持っていようが、衰退的な判断を支持するわけにはいきません。
「人間も機械も誰しもに自分の思い描いた未来がある それは誰であろうと否定してはならぬのだ」という言葉が凄く好き。
人間だけじゃなく機械の可能性も挙げていて、こういう多様性ってEDENSZEROのテーマの全部を表している気がする。
これまで出てきたどの人間にもどの機械にもこの言葉を贈りたいと思いました。
これまで紡いできた旅路が何よりこの言葉の尊さを確かなものとしている。
ゼノフレア
よく見ると、これはジギーの翼から分離したものだったのか。
オーバードライブ状態から出現した黒い翼。
これが「ゼノフレア」として分解された時、ジギーの本体はただ黒いだけのピッチピチのスーツ着てるみたいになってます。
ガンダムの周りを浮遊してる武器感。
ジギーにおいてはあれは翼から攻撃形態に変わるものだったのね。
ちょうど最近のレディ・フレイヤの百武芸を彷彿とする。
重力で操作し「舞え!!!ゼノフレア!!!」なんて厨二っぽい事を言って攻撃(ジギーは「魔王」として厨二ですが、機械生命体なのでそんな超能力的な言い回しをするイメージがなかった)。
わざわざ「舞え!!!」なんて言うところにこれが特別な攻撃であると実感しますし「ゼノフレア」というネーミングもかっこいい。
事前予想だと時喰み関連かなーと思っていたのですが、答えはジギーの攻撃でした。
何気にジギーvs.ヴォイド、結構長く丁寧に描いてくれてますね…??
そろそろ決着ついてもおかしくないけど、ずっと戦ってる。
体感まだジギーに見せ場があると思わなくて嬉しい気持ちになりました。
再三言ってるけど、ジギーの優遇に関しては大賛成〜〜〜!
「こんな小道具で…」と軽やかに避けるヴォイドですが、その内の一つは超高速で襲い掛かり、ヴォイドの足を切る!
ジギーも「時の力はその足に宿っている」と言っていた通り、力の核となってる部位。
その証拠に149話で不意に跳躍した未来では、レベッカは足を失うと同時にキャットリーパーの力を失っていました。
キャットリーパー使いにとって「足」がどれだけ重要かはこの時の描写を見たらよく分かる。
ちょうどさっきまで「まだ分からぬのか!!?時の力がある限り貴様は私には勝てん!!!」と言っていたので、高速フラグ回収。
これはちょっとダサいよw
では、何故もっと早く倒さなかったのかとツッコミたくなる。
とはいっても、あれで倒せるかといったらイメージできないので、何らかの力で足復活したりするんでしょうか。
そろそろ次回ぐらいには戦闘決着か…?
"時の力"を封じられたヴォイド。宇宙をかけた親子対決の行方は…!?
第285話『0対1』へつづく
エデンズゼロvs.エデンズワン。
そろそろ戦場も最高潮(クライマックス)。
どこでどう決着ついてもおかしくないです。
次回エデンズワン戦ひと段落ついて、話は時喰みに移行していくか…?