EDENSZERO第277話『消えゆくマザー』感想 | ルーメン・イストワール

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シキの選択でマザーが消えゆく。そして宇宙は、早くも変貌を始め…!?


前号までのあらすじ…シキはついに冒険の終着点・マザーの元へ辿り着く。彼女は、シキを待っていたと語り、"二万年前の契約"という二択の選択を提示。困惑するシキだったが、マザーの正体が「地球」であったこと、そして自身がその惑星の唯一の生き残りであったことを知る。ところが、シキの選択は「マザーの消失」。宇宙の変貌を始め、エーテルが急速に減少し、ヴォイドの思惑通りになってしまう。一体なぜ、シキはこの決断を…!?


扉絵

扉絵は、ホムラ

着物の柄が凝っています。今更ながら「初詣」モチーフの絵なんでしょうか。

こちらを凝視するホムラが可愛い


宇宙の変化

本編1ページ目からマザーが消えていく事による宇宙の変化が描かれた今回。

宇宙空間が「ぐにゃああああ」と歪んでいて、やはりマザーが消えるのはこの宇宙にとって特異な現象の様子

これに関しては、前回ラストジギーが「な…なんじゃ 宇宙が…」と反応していた時点で、何となく感じていました。

マザーの存在の有無は宇宙を根本から大きく変える

正体が「地球」と知っても、そこまでの影響を与える理由はよく分かりませんが、二万年後の惑星エデンの機械が言っていた話通りの事が今起きているのでしょう。

「人類の滅亡こそがマザー消失の原因と言われている それにより宇宙のエーテルは減少し今…まさに我々機械も終わりの時が近づいている」とエデンの機械は説明していました(この時の発言だと人類の滅亡とマザー消失の因果が逆になってる理由はよく分かりませんが…)。


「宇宙のエーテル」という凄く大きな範囲を示す存在にまで影響を及ぼすのがマザー。

その前フリ通り、今宇宙は大きく変わろうとしています。

これにはウィッチも「宇宙が歪んでいる!?」とまで表現していて、事の重大さが伝わってきます。

宇宙空間とはそれ単体で不思議な空間だと思いますが、その上で「歪んでいる」と形容できる状態。

なかなか聞いた事ない表現で面白かったです。

あの世界で生きてるウィッチ達からしても、これまでの常識が通じない意味不明な景色が広がっているのだなと伝わってきました。

ハーミットによると「宇宙のエーテルが急速に減少してる」

エーテルが無くなる事は事前に言われてた通りですが「急速に」という言い方に恐怖しました。

「宇宙のエーテル」という言葉の示す範囲が広過ぎるのは前述の通りですし、それが「急速に」という状態。

ある意味世界が滅ぶスイッチをシキは押してしまったのだなと

もちろん仲間を死なせない為の行動ではありますが、物語の主人公自ら世界を破滅へと向かわせるのはなかなかない。

見方によっては、本当に「魔王」という言葉が似合いそうです。

宇宙がどうなるか。シキ達にどうにかできるタイムリミットも迫ってきた気分。


消えゆくマザー

光を放ち、徐々に消えていくマザー

今まさに宇宙のエーテルは枯渇していて、やがて人類は滅びます。

究極の二択はどちらにしてもシキにとってバッドエンドのようなシチュエーションだった。

一つを選び、一つを見捨てた判断。

シキには更なる狙いがありました。

「誰もいなくなってほしくない だからまず今を確定させた」と選んだ理由を言い、その上で「オレはマザーも救うつもりだから」と発言します。

「説明はみんなの前でする」という事で、後述しますが、一先ず「どっちも救うつもりだった」シキが良いですね〜!

これぞ主人公!

まぁあれで終わらないと思ってたし、予想の範囲内の展開ではありましたが、それでもシキの口からこの言葉を聞けて凄く安心しました。

やっぱりどちらも救うつもりだったのですね。

人類が滅ぶなら、仲間の生存を確定させるシキの判断も意味が無くなりますからね。

シキのこういう頭の良さ、柔軟な発想が好きです。

『FAIRYTAIL』のナツにも通ずる部分ですが、無鉄砲だからといってバカじゃない。シキにはシキなりの考えがあります。

アホっぽいのに物事の核心を突けるっていうのは、シキに限らず少年漫画主人公定番のキャラクター性ですが、やはり良い。

特にシキは1話目から物語を追ってる分、思い入れが半端ないので、順当な行動でも、やっぱりそうだよな〜!これを言えるのがシキだよな〜!とはしゃいじゃいました。

彷彿とするのは「この海賊船を略奪する!!!!おまえの船はオレたちがもらう!!!!」だったり「ピーノ…オレこの世界でやるべき事が分かった気がする シュラも…ドラッケンとも友達になるんだ」で、やっぱりこういう周りが意表を突く壮大な目的を掲げるシキ良過ぎますね。

読んでるこちら側の想像を超えてくるし、行動がエネルギッシュ。

そういえば葵大戦最後の"分岐点"ではウィッチを失った経験もしてるので、そういう意味でももう二度と失わないどちらも救う選択の尊さを噛み締めました


あの時は「諦めた」けど、今は違う

この物語のクライマックスに相応しい存在意義のある行動。


地球に戻す

肝心のマザーをどう救うか。

マザーは「地球」に戻る事が「本来の力を取り戻した」状態で、それによって宇宙のエーテルの源になり永遠の平和を約束するみたいな事言っていました。

全て繋げて言っていませんが、部分部分で解釈するとつまりそういう事であるはず。

シキもそう感じ取っていたようで「とにかくマザーを元々の星だった姿に戻す それがマザーを救う事だって本人も言ってたしな」と発言。

必要なのは、マザーを地球に戻す事。その為にどうするか。

星を変える事ができる存在。かつてマザーも地球に戻されたあの存在を使ったアイデア。

「時喰みに喰われれば元々の星の姿に戻せる」

なるほど。意外と盲点だったなぁ

「二万年前の契約」という特殊な状況に縛られ過ぎてて、その契約の裏をかくようなルールを無視した第三の選択肢のようなものが必要かと思ってた。

確かに星を救うなら、時喰みがいるんだ。理屈的に凄く納得。

「でも…シキの話じゃその星は滅んで最後の力でマザーにオーバードライブしたんだろ?星に戻ってもまた同じ事を繰り返すだけだ」と反応するワイズにシキは「実際一度マザーは時喰みに喰われて星に戻ってる もしかしたら一度じゃなくて何回も繰り返してるかもしれない だが今度は星の滅亡を防ぐんだ」と答えます。

これはこれでループモノのような構造になってきましたね

滅びたはずの星を救う。

「地球」という現実の世界にも存在する星というのもあってロマンあるシチュエーションになってきました。

滅びる地球に、異界からの冒険者がやってきたらどういう感覚に陥るのだろう。

何も知らない地球人視点でも面白いですし、滅びる地球を救う為の最後の戦いに臨むシキ達視点の絵面も良いですね〜。

「滅びゆく世界を救う」って状況としては、RAVEやFAIRYTAILと一緒なのに、全然感覚が違う。

よくここまで異例で斬新なクライマックスを作ったなともう既に感動してます。


マザーを救う方法

どうやって救うのかという部分に関しては「オレたちの技術力で救えるかもしれないだろ」と発言。

見た感じ(実際そうですが)地球は桜宇宙にある星より文明の低い星だった、アンドロイドもいなく桜宇宙より科学は劣っているというのを理由に救える可能性を提示。

うーん、ここは深く追求されなかった感じですねー

確かに技術力はシキ達の方が優れているのは間違いないけど、本当にそれで救えるのか…?

火山噴火したり、地盤沈下したり、エーテルの枯渇による終末。

技術力の高さだけでそう簡単に回避できるとは思えない。

まるで「技術力」という中身のない言葉で濁された感覚です。

これに関してはシキに何か考えがあるのか、それとも訪れるべきクライマックスを迎える為の布石として深く考えなかったか。

例えば、シキもしくはレベッカが地球を救う為の代償になるとかその手の結末もある気がします

ちょっと高い技術力だけで滅びゆく星をどうにかできるとは思えないんです。

滅びゆく星を救える技術があったらとっくの昔に四季大宇宙でも運用されているんじゃないだろうか。しかしそんな話は聞いた事ないし、別にエデンズゼロにもないだろう。

何か都合の良い特殊な方法があるか、それとも誰もが思いも寄らぬ結末に至る気がします。

そもそも時喰みをどう呼ぶかというと、それに関しては星咬作戦でやろうとした事。

レベッカが時喰みを呼ぶってやつです


あれはたまたま時喰みが近くにいたからできた事のようですが、ここでハーミットは「待って…!!呼べるかもしれない…あの方法を使えば…時喰みをこの宇宙に呼べるかも…」と言います。

何だろう???

パッと思い浮かんだのは、エーテリオンのエネルギーを発して時喰みを呼び、襲いかかってくるギリギリの瞬間でファストトラベル→この宇宙に呼び込むとか…??

自分で言ってて訳分からんな…。

マザーを救う為に時喰みを使うってのが凄く腑に落ちたので、時喰みを呼ぶ方法に関しても納得度の高い答えを期待したいです。


ジギーの役目

エデンズゼロの仲間の次にジギーに連絡するシキ。

前回「マザーが消える 私の勝ちのようだな」とヴォイドが勝利宣言し、自分が信じたシキが失敗したかのように感じているものかと思っていましたが、今回早速「おまえ!!マザーを消したのか!!?」と聞き、シキが「消えかかってるけど助けるつもりだ」と返答し解決。

少しジギーとシキの間に溝が生まれそうな不安もありましたが、杞憂でした

というか、シキがこのへんの面倒臭いパートを一瞬でクリアしてくれた感覚です。伝えるべき事を最適に伝える行動が見ていて気持ち良い

「じいちゃん 頼みがある」と言ってジギーにあるお願いをするシキ。

「そいつを足止めしててくれ こっちの動きに気付かれたらマズイ」と言いました。

時喰みを利用しマザーを救う作戦。

今ヴォイドはマザーが消滅する事で勝利を確信してるので、そう思わせて作戦を進めるつもりなのでしょうか。

まだシキが諦めておらず、マザーを救うつもりだと知ったら当然阻止しにくるでしょうし「足止め」が必要なのも頷ける。

シキ達はマザーを救う為の最後の作戦を開始して、そんな中でジギーの最後の役割は「ヴォイドの足止め」なのかな。

確かに、これはジギーにしか果たす事ができないと思える役目

ヴォイドは、ジギー以上の機械王という話ですし、そんなレベルを相手できるのはエデンズゼロにいない。

ジギーじゃ倒す事はできないかもしれませんが、ジギーじゃないと「足止め」すら不可能かもしれません。

まだまだジギーvs.ヴォイドは続きそうで熱い。

個人的には何ならジギーがヴォイド倒してくれても良いですけどね!?

楓大戦最終決戦、シキはジギーを破壊しましたが、あれは正常な状態だから倒せたと思ってるんです。

純粋に敵意のみを向けたジギーであれば強くなったシキでも敵わなかったと解釈してる。

そういう意味で今でも作中最強キャラ筆頭はジギーだと考えていて、そんなジギーならヴォイドを倒せても文句はないかな。

それどころか結局ジギーこそが最強の機械王だったと証明される展開も見てみたい。

ジギーは大好きなキャラなので、物語の最後に大役を務めてくれると嬉しい。


最後の仕事

楓大戦の時同様、時喰みを呼ぶ役割を担うレベッカ。

あの時は結局レベッカが呼んでいないのに時喰みが誘き寄せられてきて、レベッカの力で時喰みが来る事は無かったんです。

そういう意味で、あの時できなかった事のリベンジかな。

レベッカの力で時喰みを呼ぶというのもそれはそれで見てみたい絵面だったので、再び見れそうな機会に恵まれて嬉しい

この大役を担うのも物語のメインヒロインだからこそです。

ある意味最後の戦いはシキとレベッカで挑むと言えるのかもしれない

「それにオレにも最後の仕事が残ってる」と自分の最後の役割を仄めかすシキ。

「全部上手くいったら…オレが時喰みを倒す!!!!」

まさかの時喰みラスボス!?

えええ〜〜〜〜〜 意外だけど、言われてみれば納得でもある。

時喰みって出てきた当初から「二つの歴史を創り宇宙を混乱させる宇宙の大いなる厄災」扱いで、最終的に解決しなきゃいけない宇宙の問題の一つにも感じていたんですよね〜。


その人が生まれる前まで時間を喰われたら命そのものが消滅するという惑星ギルストのケースもありましたし、無視できない存在。

あの宇宙特有の存在だからこそスルーはできない気もしていました。

時喰み、ちょうど今回のマザーを地球に戻していた件で、EDENSZEROのどの存在よりも不気味さが増し、どの生き物よりも永い時間生きてそうな感じも出てきていて、気になっていました。

かつて二万年後の未来からユニバース0を目指して飛んだエデンズゼロを襲ったり、急に進路を変えて楓大戦の勃発した惑星レンダードを襲ったり、二万年なんて膨大な時間を喰べてマザーを地球に戻しもしましたし、数々のターニングポイントに現れる厄災。

ついにその正体にも迫っていくんでしょうか!?

ふと思い出したのは、楓大戦でジギーを破壊した後の「でも…じいちゃんの力がオレの中に落ちてきた…今なら…」というシキの台詞。

この後に続く言葉がずっと不明でしたが、もしかしたら「今なら時喰みを倒せる」だったんでしょうか(ちょうどその回で進路を変えて時喰みがレンダードに来てるのも意味深)。

正直時喰みラスボスはヴォイドより推せますね〜〜!!


シキの選択は、全員を救う道。次回、時喰みの誘導に協力者が…!?

第278話『B・キューバー』へつづく

協力者、誰だろう

『B・キューバー』というサブタイにラビリアとか連想してしまった。

でもラビリアに何かできると思えないし、ありそうなところだと同じ力を持っていたレイチェルとか…??