エデンズワンをEZに衝突させる四黒星キラーの策をワイズ&ラグナが封じ、魔王四煌星たちの戦いは全て決着。今残る敵はただ一人……ヴォイドの行方は!?
前号までのあらすじ…マザーを救うため再び始まった"ユニバース0"での冒険。エデンズゼロ一行は、銀河六魔将と魔王四黒星たちの襲撃を受け、ヴォイド一味と交戦する。各地で激戦が繰り広げられる中、シキはついにマザーの御前で宿敵ヴォイドと対峙。圧倒的な力に押されるシキだったが、そこに魔王ジギーが現れ、戦いはジギーVS.ヴォイドの展開に。そしてシキは、ついにマザーの元へ…!!
扉絵
扉絵は、シキ。
最初は今本編で着てる服装かと思ったんですけど違いますね。
個人的にこのコスチュームは、3年後楓宇宙編のイメージがあります。
少年時代はこれまで着てた事あったっけ…?ポージングがクールでかっこいい。
エデンズワンをどうする?
オーバーライドを発動しエデンズゼロの爆破を回避した魔王四煌星。
一同に通信し、戦いの中での束の間の休息という感じで一息つけます。
シキ&レベッカはマザーと対面してるし、ジギーもヴォイドと戦っていますが、それ以外のメンバーは一旦第二陣に向けてのクールタイムといったところでしょうか。
残す敵はヴォイド以外にレディ・フレイヤとキュアーがいます。
こちらが最終決戦を阻む障害になりそう。
話題は、エデンズワンについて。
一人艦内にいるラグナは「…でオレは今ONEの中にいる訳だがどーするよコレ」と判断仰ぎます。
敵の本陣。そもそも最初はヴォイドではなくエデンズワンが真の敵という話でした。
自分の中では未だにその大元にいる存在はヴォイドではなくエデンズワンの方なんじゃないかと思ってる。
こいつの対処も重要なステップです。
「中には誰もいないの?」というクリーネの質問には「ああ」と返答。
てっきり艦内に残るレディ・フレイヤとキュアーが残っていると思っていましたが、そういうわけでもないのか。
「ああ」と言い切るからには一通り見て回ったのでしょうし、もしそれでも艦内にいるなら通常は発見する事ができないエリアに潜んでるか、それともアクネラのように外から突如出てくるか。どちらもアンドロイドなので不可能ではない。
「よし!!オレたちも向かう」とこの場に来る事が分かったジンとクリーネ。「破壊すべきでしょうね」と意見するウィッチ。
ハーミットは「エデンズゼロシステム再起動」し、主砲のスターブリンガーで破壊するのでしょうか。
自分的にエデンズワンこそ1番の本体だと思ってるのもありすし、敵の拠点、そう簡単には破壊させてくれないでしょうね。
エデンズワン自ら動き出す可能性も考えられそうですし、やはり残るレディ・フレイヤとキュアーがそれを邪魔してくるか。
破壊まであと一歩という今この状況が新たな戦いのフラグにしか思えません。
成長した姿
シキと姿が瓜二つだと発覚したヴォイドの容姿。
それは「自分の成長した姿をシミュレートしたモノ」だからでした。
ヴォイドは元々思念で、体はエデンズワンに貰った。
当初は機械の体のみを貰ったと思っていたので、何故人間の顔があるのか不思議でした。
シキとレベッカの子供だとしても、本当に人間の血筋のように容姿を受け継ぐ事はないだろうと。
シキとほとんど同じ顔をしてるのは激アツの展開だけど、その内情にはまだしっくりきていなかった。
「自分の成長した姿をシュミレートしたモノ」というのは、ヴォイドからエデンズワンに依頼したものだったんですかね。
本来機械の体のみだったけど、どうせ形を得るならと、自分の在るべき姿をリクエストした。
それが"人間"として成長したもう一つの姿。
こうやって考えてみると、わざわざこの姿にした事に、ヴォイドの特別なこだわりを感じます。
マザーを破壊し人類を滅ぼす存在として、別に人の姿である必要性はないんです。
破壊できるだけの力があればどんな姿だって良かったはず。
「自分の成長した姿をシミュレートしたモノ」というのは、ヴォイドからしか生まれないものですし、そう考えるとこの姿はヴォイドが欲したものなのではないでしょうか。
姿とは自分がどう見られたいか、どう在りたいかというもの。
それにこだわる時点で、自分はヴォイドから人間らしい心を感じます。
それは、決してプログラムだとか理屈で決められたものではなく、何でも良いけど、何でも良いならこうしたいというような。
ヴォイドにも望む未来があって、それが人の姿に込められているんじゃないでしょうか。
マザーを破壊したい、人類を滅ぼしたいという目的も本当かもしれないけど、同時に人間になりたいという欲求も抱いていたりしない??
この容姿を見るとどうしてもヴォイドを滅ぼすべき巨悪と思えなくなってきました。
本質はもっとシンプルなんじゃないかと思えてきます。
マザー到達
第1話ではアクアウイング視点で見た巨大なドラゴン。それが第2話ではドラゴンか霞む程大きな存在として出てきたのが宇宙の女神・マザーでした。
271話かけてシキ達はようやく対面。
やっぱりマザーはとてつもなく大きくて、アクアウイング視点で見ると顔の一部分しか見えないようなスケールの描写に1話・2話の既視感を感じます。
偶然か意図的か分からないですが、あの日あの瞬間シキ達と共に大宇宙に旅立った自分としては特別な感慨深さがありました。
ああ、ついに辿り着いたのだなと。
265話でマザーを視界に入れる事はできましたが、あの時はまだまだ距離があったので「辿り着いた」と言えるのは今回。
本当に何の文句もなく、マザーと対面し、会う事ができました。
いや〜〜〜〜〜。今回で271話、連載期間で4年半経ってますからね。
FTで完結したの今でも昨日のように思い出せるのにEZも連載始まってこれだけ経つのか…。何ならおそらく今年完結。
これまの旅路、マザーもこう言ってくれました。
「長い長い冒険の末 ようやくここまで辿り着いてくれましたね」。
長いというよりは、もうそんなに旅してたんだ…って感覚の方が近いかな。
FTの時は全63巻、何の躊躇いもなくマジで長いと思っていましたが、EZは自分も大人になって学生の頃と比べて変化も少なくなっていたからか、そこまで濃度の濃い時間を過ごせていません(学生時代と比べたら…ですが)。
なので、長いというか、もうそんなに経ったんだと過ぎゆく時間に寂しさを感じます。もっとシキ達と冒険していたいよ〜〜〜〜!!
しかし、目指していたゴールに「長い長い冒険の末ようやくここまで辿り着いてくれましたね」と認めてもらえるのは、嬉しいものです。
シキ達と自分が冒険してきた日々に意味があったと言ってもらえたような気分。
これまでの旅路、一朝一夕じゃなかったと、読者とシキ達は知っていますが、宇宙の女神・マザーというスケールの大きな視点で見るとどうなのかは分からなかった。
大宇宙は本当に広大で、この物語を読んだだけじゃまだ知らない部分がたくさんあるので、それを全て知っていそうなマザーからするとシキ達の旅路はどういう価値があるのか疑問だった。
マザーからしても「長い長い冒険」だったのですね。嬉しいです。物語の真のクライマックスはここからですが、自分も一先ずマザーに会う事ができた達成感に浸る。
二つの選択肢
アクアウイングが飛んできて、ゆっくり瞼を開くマザー。
マザーは静かにシキ達の方を見て「待っていましたよ シキ…」と一言。
あのマザーがシキを認識しているのはシキ達からすると衝撃的でしょうけど、読者からするとそうでもないですね。
何ならマザーが初登場した第2話からシキの名は出さないも「少年」として暗に存在が示されていましたし、その後シキがマザーに既視感を感じていたり、マザーエーテルに懐かしさを感じたり、シキはマザーにとって特別な存在なのではないかと思っていました。
その為「待っていましたよ シキ…」というのも、ある意味予想通りの一言。
この「待っていましたよ」は、自分達がシキとマザーの全貌を知るまでの時間とも言い換えられます。
何かある事は分かっていたけど、それが分かるのは物語の最終局面だと察していた。
ずっとその何かを熱望していたので、まだ対面した時点ではそこまで気持ちに大きな変化はなく、それでも確かにここから何かが分かるという喜びがマザーの「待っていましたよ シキ…」とシンクロしました。
何でもないシーンだけど、どことなく感じた魅力はそういうものだと思う。
「何でシキを知ってるの…?」というレベッカの感じた疑問は一先ず置いておいて、マザーが言ったのは「これからあなたに二つの選択肢を与えます」。
もうその時点でゾクっとしました。
それ絶対宇宙の存亡を揺るがすやつじゃん。一度選んだら後戻りできないやつじゃん。
ゲームだったら、この先に進むとセーブ地点に戻れなくなるやつですね。何にしても何らかのENDに辿り着く。
「その二つの選択肢は選んだ方は必ず実現しますが選ばれなかったもう一つの方は必ず実現しません」というのも怖すぎる。
なんでそういう事言うの!?
報酬に対して代償が重すぎる…。1ミリぐらい希望あったって良いじゃん。
なんか、すぐにその選択肢の内容を言うんじゃなく、それによって起こる影響から説明するあたり、事の重大さをひしひしと感じました。
まるでとんでもない契約書にサインさせられるかのような。じわじわ恐怖を植え付けるのやめてくれませんか。
二万年前の契約
まぁまず気になるのは、シキも言った「ちょ…ちょっと待ってくれ…何の話だよ 何でオレがそんなの選ばなきゃいけねーんだよ」という疑問。
そうですよね。出会って早々する話じゃない。まずはシキとマザーの関係性について教えてくれ。その全貌によってどちらの選択肢を選ぶかも変わってきそうなもの。
しかし、マザーはまず二つの選択肢から伝え、シキとの関係性については「それが二万年前の約束だからです」と言っただけでした。
シキ自身マザーの真実を知らないとこの物語を終えられないと思うけど、そのタイミングは次に持ち越しか。
やはりこの真実が選択肢に影響しそうですし、シキも問い詰めそうですけどね。
まだ想像する事しかできませんが「二万年前の契約」という言葉にはワクワクします。
シキは二万年前何らかの契約によって二つの重要な選択肢を選ぶ存在となった。
その契約者は必ずしもシキである必要性はないのかもしれない。
マザーは「それが二万年前の契約」と言って、あくまで目の前にいるシキを第三者扱いして表現しました。
例えば「それがあなたがした二万年前の契約です」と言う事もできたと思うけど、しなかったから。
これには色んな解釈ができます。
契約したのはシキではない人物(ジギー?)、記憶を失う前のシキ。
契約者が必ずしもシキである必要性はない。しかしシキじゃないとも言い切れないのが絶妙な塩梅。
どちらもありそうっちゃありそうです。
しかし順当に考えるとしたら、妥当なのはジギーの方でしょうか。
今のところ、二万年前にシキがいた描写はない(リグレットのお腹から産まれてきそうだったが)。
ジギーは何故か二万年前に存在しており、おそらくそれは機械の寿命を超えた芸当(現在判明してる機械で最長は千年生きてるゼノリス)。
おそらくジギーは特殊な方法で二万年前の時代に存在していて、それには何か秘密がある。
二万年前に存在していた滅びゆく星。
その秘密を知っているのは確かだと思うので、やはりそこに「二万年前の契約」が秘められているんじゃないでしょうか。
命か未来か
マザーはシキに問いかけます。
「さぁ…私を救うか 失われた命を取り戻すか 私を救ってくださるのなら私は本来の力を取り戻しこの先永遠の平和を約束します 失われた命を救うのなら私は消滅し未来は約束できませんがあなたにとって大切な人は全て蘇ります」。
見開き2ページ、一つのコマで言うにしては長い台詞…!
いやもちろんこう言うからこその特別感があり、漫画的に意味があるのですが、初見時意味を理解するのに少し時間がかかりました。
- マザーを救い、宇宙の永遠の平和が約束される
- マザーが消滅し、未来は約束できないけど、大切な人が全て蘇る
「は?そんなの迷うまでもねーだろ マザーを…あんたを救うよ」とシキは即答。
それもそのはず。後者の「あなたにとって大切な人は全て蘇ります」の意味が分かりません。
シキ本人も言っていた通り、この世界では誰も死んでいない。
前までの世界ならともかく、この世界じゃ別に価値を感じない選択肢。
当然シキからしたらマザーを救う一択でしょう。
そこでマザーが言ったのが「どうやら勘違いをしているようですね」と指摘。
「ユニバース0は不確定な世界 人々の生死はまだ決まっていません 私を救った場合…次の事が確定します ヴァルキリーの死 ウィッチの死」。
その後続けて言ったジギー、エルシー、ワイズの母も悲しいは悲しいですが、まだ割り切れる範囲内だと感じます。その中で一際ウィッチとヴァルキリーだけが重い。
かつての世界で失い、どれだけかけがえのない存在だったか思い知らされました。
ヴァルキリーを失いその場で立てなくなったホムラ、ウィッチを失いずっと引きずっていたシキ。
どれだけ暗い影を落としたか、自分達は知っています。もう失いたくない。シキと読者の総意。
「人々の生死はまだ決まっていません」と言うわりに「ウィッチとヴァルキリーの死が確定する」んだから、ズルいですね。悪徳業者みたいな手口…。
それならマザーがいようがいまいが一緒だろという視点を妨害してきます。
マザーと未来の平和を選べば、仲間の死が決定する。こんなに究極の二択ありますかね…。
突如迫られる究極の二択──。"二万年前の契約"とは一体…!?
第272話『母なる…』へつづく
今度こそ本当にマザー=地球説判明回ですか!?
ずっと「母なる地球」というフレーズでくると思ってたので、完全一致。
マザー真相編、ワクワクが止まりません。