魔王四煌星のルーツはジギーのルーツとリンクしている?二万年前の世界を二万年後の世界と対比解釈 | ルーメン・イストワール

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EDENS ZERO/Mashima HERO'S/FAIRY TAIL/RAVE

概要


冒険も最終局面に突入したEDENSZERO。

ついにシキ達はマザーのいる宇宙に突入。

そこは「未開の宇宙」で、桜が舞っていたり海があるわけではない普通の宇宙なのに、どこか神秘的に感じさせる魅力があった。

ちょうどその時、ピーノが突然気絶。

意識を失ったピーノはシスターの医務室に運び込まれ、夢を見るように突然「二万年前の世界」が描かれた。

「二万年」という数字は「未来」としてシキがジギーになった世界線の始まりとしても描かれている。

間違いなく意図して数字を一致させているだろう。

個人的に「二万年前」という数字を見た時点でやりたいと思ってた「二万年前の世界」を「二万年後の世界」の対比で解釈して考えてみる


二万年前の世界


最新256話で描かれた二万年前の世界

それは前述の通り、気を失ったピーノの脳裏に浮かぶように突如描かれた時代。

そこは高層ビル群が立ち並び、車、道路、信号、看板といったものが存在している現代的な都市。

他にもいくつかの要素から「この世界は地球なんじゃないか?」という案を自分は有力視している。

看板に書かれている「Broadway」という地名は実際に存在し、シキ達が最初に見つけた星も海王星じゃないかと推測している。

最新話では出てきただけでその詳細は不明。

しかし「二万年」というシキ達の生きてる時代から同じだけの時間が開いているのは何か繋がりを感じてしまう。

少なくとも作者の真島先生が意図してない一致ではないと思う。


二万年後の世界


1番初めに描かれたのは単行本1巻のラストである第4話。

シキ達が宇宙船を手に入れる為、ワイズに接触したタイミングで突如「過去」へと時間が遡った。

「2万年後」という説明が差し込まれ、どこかの星で宇宙服を着た二人組が男女の遺体を見つける。

その近くにはレベッカのB・キューブが落ちていて、裏面に「エデンズゼロ」と記されていて、この時はまだその意味を知らなかった『EDENSZERO』の壮大な物語が幕を開けた

1巻のラストを飾るこのタイミング。

真島先生としても大いなる物語の開幕の意味で描いた伏線だと思う。

その意味は長い時間かけて楓宇宙編でジギーの口から語られ判明。

  • 葵大戦の最後、シキとレベッカが二万年後の世界に飛ばされた
  • レベッカは死に、シキは機械の体で生き繋ぐ
  • 人類を救う為の船「エデンズゼロ」が作られる
  • 惑星エデンからユニバース0を目指してジギー(シキ)が二万年前に飛ぶ
大まかにまとめるとこんな感じかな。

次に二万年後の世界を起点に対比して二万年前の世界を考えてみた。
そうするといくつかの要素から、魔王四煌星がアンドロイドになった経緯とジギーが機械になった経緯は似ている、部分的にリンクしているんじゃないかという発想に辿り着いた。
要素がいくつかあるので順を追って説明する。

滅ぶ星を止めようとした

まずジギーの原点にあるのは「滅ぶ星を止めようとした」事。
葵大戦の最後、帝国式反物質爆弾によって惑星ネロ66が間もなく爆破する危機に直面した。
「3年前の惑星ネロ66の爆発 全てはそこから始まった」とジギーは語る。
ジギーを倒したシキはあの時「逃げる」を選択したが、ジギーになったシキは「止める」事を選択した。

重力の力を使って2万発全ての爆弾を圧縮し消滅させようとしたが、その時予期せぬ事が起こる。
極限まで圧縮した重力とレベッカの時を超える力が共鳴し時空が歪んだ。
反物質爆弾1発につき1年を超えるエネルギーとなり、シキとレベッカは二万年後の世界に飛ばされた。
これと同じような経緯が魔王四煌星にもあったんじゃないか。
ちょうど魔王四煌星がかつて生きていたと思われる二万年前の星でも滅びる前兆のようなものが描かれている。
至って平和で平穏な世界に見えたが、ハーミット似の女性は「星が悲鳴を上げてる 残された時間は少ない…」とどこかに走って向かっていた。

「星が悲鳴を上げてる」と表現する程の危機、近い未来この星は滅ぶ危機にあるんじゃないかと考えている。
とするなら「残された時間は少ない」というのも、あの時のシキの状況と一致する。
残された少ない時間で選べる選択肢なんて限られていて、何とか自分達の力で星の危機を解決しようとしたんじゃないだろうか。

二万年後の世界に飛ぶ

前述の通り、惑星ネロ66の爆発を止めようとしたシキとレベッカは二万年後の世界に飛ばされてしまう

その時代の機械生命体に発見され、シキは瀕死の重傷を負いながら生還、レベッカの方は死んでしまった。

二万年前の世界で出てきた魔王四煌星似の女性4人が本当に魔王四煌星本人なら、魔王四煌星も二万年の時間を飛んでいると思う。
アンドロイドの寿命(活動限界)は定かじゃない。
今のところ判明してる最長で生きてる年数はゼノリスの「1000年以上」でその桁をさらに超えた「二万年前」。
流石にアンドロイドと言えどそこまでは生きられない設定になっているんじゃないかなと感じた。
二万年前の世界の詳細はまだ分からない。
しかし、機械生命体の類が見受けられないあたり、そこまで大きく文明や技術が変化している証拠でもあり、とすると二万年前を生きてた機械生命体の類がいても流石にもう動けない歳月の変化になっているんじゃないかな
ジギーは帝国式反物質爆弾と自分の重力とレベッカの力の共鳴で二万年後に飛んだ。
これは相当稀有な状況で本来揃わない。
だから、魔王四煌星が二万年を飛んだなら、全く同じ方法だとは思えない。
エデンズゼロには二万年もの時間を飛ぶ力があるので、魔王四煌星はエデンズゼロに乗り二万年後の世界(現代)に来たんじゃないだろうか

瀕死の体が機械生命体になる事で生き繋ぐ

ジギーの場合、隣にいたレベッカは死んでしまい、自分だけが生き繋いだ。
偶然調査していた機械生命体に見つかり、惑星エデンに連れて来られる。
損傷の激しい人間の体から機械になる事で蘇生に成功。

本来あそこで死んでいたジギーは生きる道を辿った。
魔王四煌星にも似たような経緯があるんじゃないだろうか。
魔王四煌星がかつていた星も滅んだとするなら、その事故で瀕死になっていてもおかしくない。
魔王四煌星だけ生きたならその星の人間は全員死んでしまった、魔王四煌星だって死んでもおかしくなかった危機だと思える。
ジギーと同じように自分だけ生き残ってしまったのは不本意だったかもしれないけど、ほんの些細な偶然で運命に選ばれてしまったのかもしれないこの先の人生を機械生命体として生きる道を

記憶を失う

その後、ジギーは人間だった頃の記憶を失う。
機械になってから座り込み「何も…思い出せない…人間だったのか?」と言い記憶を失い、当初はレベッカの事だけは覚えていたが数十年も過ぎると「ワシは自我をほとんど失い周りの機械と同じように暮らしていた」と話している。

これに関しては、実際に魔王四煌星にも失われた記憶がある事が明らかになっている。
シキが魔王四黒星の記憶から見たかつての魔王四煌星、外宇宙の記憶が消されている事、その事は「四煌星の秘密」「ピーノの記憶」に関係すると最近明らかになった。

本人達の見立てでは魔王四煌星の記憶はジギーが消したんじゃないかと考えている。
自分もそれをずっと信じてきたのだけど、引っかかるのはそうした理由。
もし魔王四煌星に人間時代があり、今とは違った人生があったのなら、そこでも大切な人がいて大切な思い出があったはず。
そういったものを消したとなると、どうしてもジギーに悪い印象を抱いてしまう部分があった。
「心」を大切にしているジギーの行動として引っかかった。
しかしこれもジギーが記憶を失った経緯と重ねて考えると、誰かに意図して消されたというより自然に消えてしまったのかもしれない。
それが人間が機械生命体になるという事なのか、二万年もの時間跳躍の影響かジギーは「シキ」だった頃の記憶を失ってしまった。
ああいったように魔王四煌星も記憶を失ってしまったのかもしれない。
とは言っても自分達の事を「ジギーと共にマザーを目指した」と認識している一方でその痕跡は残っていないあたり、失った記憶に後から情報を付け加えたようなカバーはしていたのかもしれない
「ジギーが記憶を消した」というより「ジギーが部分的に偽の記憶を与えた」というのが真相。

というような流れで考えてみました。
こう考えると解消できる部分もあり、十分考える事ができる解釈かなと思います。
ずっと謎だった四煌星の出自がジギーのルーツと似たものとして既にヒントが描かれていたら面白い。