今晩は
ストレスフリーナビゲーターの瓶子かずみです。
今回はふみサロの課題エッセイです。
課題図書は、新川帆立著「先祖探偵」 。
作品の意図としましては
「先祖」=「墓参り」という事で。
お墓参りにあったちょっとした事件をエッセイにしました。
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【失踪事件】
車で数十分にあるのになかなか行かないお墓参り。
久々におはぎを作り両親を連れてお墓参りをしようと何となく思った時のことである。
父方のお墓と母方のお墓は偶然にも歩いていけるところにあり、とても恵まれているなと思う。
母方のお墓はすぐに見つかり、軽く掃除をし、おはぎをお供えして平穏に暮らしていることの報告とお礼をして、お供えしたおはぎを頂いた。
自分で作ったあんこときなこのおはぎはとてもおいしかったといっておこう。
父方のお墓に向かおうと荷物をまとめ、脳梗塞で右半身動かない父の歩幅に合わせ歩いて行った。
けれども父のお墓がある場所に行けども見つからない。
あれ?
ここら辺のはずなのだけどな?
あれれ?
更地になっている!
キツネにつままれたってこういう事をいうの?
そう、父方のお墓が更地になっていたのだ。
やはりみな高齢になってお墓参りができなくなったから永代供養にしたのだろうと結論し、お供えするはずだったおはぎを食べて家に帰った。
後日父方のお墓が更地になっていることを父が伯父さんに報告し永代供養先を教えてもらおうとしたところ、伯父さんからはこんな回答を頂いた。
「お金をかけて綺麗にしたお墓を更地にするわけがない!」
え~?
うっそぉ~ん?
あれだけ探しても見つからなかったのに?
その連絡を受け改めて夫と二人でお墓参りに行ったら、
あっさり父方のお墓が見つかった。
あの時あんなに探したのに!
どうして今回簡単に見つかった?
今日おはぎ持ってきていないけど怒らない?
そんな思いが体中に巡りながらお墓の掃除と前回お参りできなかったことの謝罪と平穏に暮らしていることを報告し家に帰った。
家に帰っても前回は見つけられず、今回あっさり見つかったことへモヤモヤが消えなかった。
だからこう思うようにした。
前回はご機嫌斜めで私たちに会いたくなかったのだ。
今回は期限が良いので会ってくれたのだろう、と。
誰にだって都合というものがある。
それは鬼籍にはいっても同じことなのだろう。