アルトサックス、バスクラリネット、そしてフルートの奏者であるエリック・ドルフィーは、ジャズ・ミュージックを深く理解した理論家であり、圧倒的な唯一無二のフレーズを創出し続けた天才です。
演奏の基本フォーマットはハードバップですが、あまりにもソロのアドリブが突出して前衛的であるために、しばしばフリー・ジャズであるかのような錯覚に陥ります。
この偉大なライヴ・レコーディング・アルバムの聴きどころもソロの奇抜さにあり、ひたすらそこに全神経を集中するのが至福への道であると考えます。
さらに特筆すべきは、共演のブッカー・リトルとマル・ウォルドロンのソロも俊逸であるということです。
Alto Saxophone, Bass Clarinet & Flute – Eric Dolphy
Trumpet – Booker Little
Piano – Mal Waldron
Bass – Richard Davis
Drums – Ed Blackwell
エリック・ドルフィーは若くしてこの世を去りましたが、もしも長生きしていたら、チャーリー・パーカーやマイルス・デイヴィスに匹敵する偉大なジャズ・ミュージシャンとして認識されていたかもしれません。それくらい新しいジャンルを創出する可能性があったと思います。