2016年4月6日、山尾志桜里議員が定例記者会見で自身の政治資金疑惑について釈明しました。
[産経ニュース]
民進党の山尾志桜里政調会長は6日の定例記者会見で、「週刊新潮」が報じた自身の政治資金問題について初めて釈明した。民進党(旧民主党)の政調会見は通常、20分程度で終わることが多いが、この日は約1時間10分という長丁場となり、質問も一連の疑惑に関するものが大半を占めた。
この産経ニュースの記事には、会見の冒頭発言と質疑応答のやり取りが掲載されています。以下にその文章を参照しつつ、この記者会見の内容について検証していきたいと思います。
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冒頭発言
山尾議員
まずは私のことでお騒がせをし、また、お待たせをして本当に申し訳ありませんでした。お待ちいただいた分、しっかり調べてきたので、きょうは、そのご報告もあわせてさせていただきたい。(週刊新潮の発売から)(1)1週間お待たせをした。週刊誌でのご指摘について、これまでしっかりとお調べをしてきたことについて、きょう、この場でご報告を申し上げたい。
まず、ガソリン代について。平成24年分のガソリン代だけが突出しているという指摘を受けて、収支報告書および帳簿にあたって調査をした。(2)現在まで確認したところでは、報道されているように、ガソリンのプリペイドカードを大量に購入したというような事実は存在しないと考えている。したがって、このような大量のプリペイドカードが換金をされたとか、カードが関係者や有権者に配布をされたとか、こういった事実はないものと考えている。
このような考えに至った経緯を説明申し上げる。
まず、事務所のガソリン代だが、平成23年から25年まで調べたところ、次の通りだった。(3)23年が247万2352円、24年が、これが突出していると指摘を受けている年だが429万2818円、25年が141万7443円だった。月別に調べたところ、(4)月に30万円を超えたのは23年8月から24年5月、この期間だけだった。この期間は、私の事務所に在籍していたある秘書の在職期間とほぼ合致していることも分かった。
ガソリン代は、ガソリンのプリペイドカードのレシートと引き換えに事務所が代金を支払っていた。そこで、先に申し上げた、ガソリン代が多額に請求されている月のレシートを調べたところ、(5)きわめて不自然であることも判明した。私の事務所では、普段、事務所のスタッフが、1枚か2枚のプリペイドカードを持って、追加のチャージをしながら繰り返し使用するというのが通常の運用だ。そして、このたび、月30万を超えているガソリン代が請求されている23年8月から24年5月までのレシートを調べた。そして、カードの番号と入金情報を照合した。この結果、同じ日に多数のレシートが提出されていたり、追加のチャージの履歴がないので私のスタッフが保有しているカードと無関係と思われるレシートが多数あったりすることが判明した。
例えば、具体的に申し上げると、突出していると指摘を受けている平成24年でみると、追加チャージの履歴がなく、私のスタッフが保有しているカードと無関係と思われるレシートの枚数は、1月26枚、2月28枚、3月32枚、4月24枚、5月14枚、6月0枚、7月0枚、8月2枚、9月1枚、10月1枚、11月2枚、12月5枚だった。平成24年でみると、こういったレシートは135枚分のレシートとなる。
申し上げた秘書が在籍をしていた1月から4月までで、124枚にのぼっている。92%がこの時期ということになる。それ以降の8月から12月までは11枚、約8%ということになる。(6)多額のガソリン代金の支出にこの秘書が関与している蓋然(がいぜん)性が相当に高いと判断をしている。
そして、さらに調べたところ、(7)セルフスタンドのプリペイドカードの発券機というのがあって、発券機には不要のレシート入れが備え付けられていて、他の人が使用した不要のレシートを自由に持ち帰ることができる状態にあった。また、この秘書が事務所の会計実務を当時、担当していたので、レシートによってガソリン代を請求し、事務所の現金からこれを支出することも可能な状態だった。
繰り返しとなるが、このような不自然な状態は、この秘書が在籍していた期間に限られている。私としては、この秘書が本当にプリペイドカードを購入したかどうかについて、現時点で疑問を持っている。以上の通り、このガソリン代のことについては、支出に関して強い疑問を持っており、今後、弁護士などを通じて事実確認を進めて、必要な法的措置をとるつもりだ。
なお、(愛知県)7区総支部では街宣車として、(8)私の所有するダイハツのアトレのほか、私本人や秘書、事務員が使用していた自動車8台を7区総支部の政治活動に使用した際、あるいはボランティアが各自所有の車を支部の政治活動に使用した際にガソリンの給油をプリペイドカードなどを用いて行っていた。改めて申し上げるが、(9)ガソリン用のプリペイドカードについて、私はもちろん、ほかの秘書が不正な使い方をしていないということは、はっきりと申し上げたい。なお、平成23年から25年分のガソリン代について政党交付金は使用していない。以上がガソリン代についての説明となる。
(1) 山尾議員は、甘利大臣の辞意表明会見のときに「1週間もたってから認めた」と批判していましたが、自らのの事案については「1週間お待たせしました」と発言しています。
(2) 山尾議員は「報道されているように、ガソリンのプリペイドカードを大量に購入したというような事実は存在しない」と発言しています。この発言だけ聞くと、まるで報道に問題があり、山尾議員は報道の被害者であるかのような印象を受けます。ところが、実際には、「ガソリンのプリペイドカードを大量に購入したと政治資金の報告をしたにもかかわらず、ガソリンのプリペイドカードを大量に購入したというような事実は存在しない」というのがファクトであり、山尾議員は明らかに論点をすり替えています。衆議院予算委員会では、安倍首相が「女性の就業者が91万人以上増加したことは、ある意味では嬉しい悲鳴である」と述べたことを、安倍首相は「待機児童が増えたことを嬉しい」と考えていると曲解しましたが、この発言はそのヴァリエイションであると言えます(笑)。さらに「したがって、このような大量のプリペイドカードが換金をされたとか、カードが関係者や有権者に配布をされたとか、こういった事実はない」と続け、すり換えた論点において自らの潔癖を訴えています。この問題のすり替えは、山尾議員が国民に対する謝罪よりも自らの保身を優先している証左であると考えられます。
(3) 429万2818円というのは政治資金報告書の230万円よりも200万円も多い数字です。ちなみにこの金額は、山尾氏の事務所で使用しているとされる8台の車が、選挙区(愛知第七区)の端から端まで365日往復運転する金額にあたります。
(4) 議員を落選中で固定収入がなかった山尾議員が、月30万円を超えるガソリン費に疑問を持たないのは極めて不思議な現象です。安倍首相に対して「月25万円稼ぐ女性がどれだけいるのか」とブチ切れした山尾議員でしたが、月30万円を超えるガソリン費に対して疑問を持たずに容認していたことは、質疑内容と極めて大きく矛盾する金銭感覚であると言えます。少なくとも、山尾議員が持ちあわせていると主張する「国民の金銭感覚」とは大きく乖離するものです。
(5) 国民と共通の金銭感覚を持ち合わせている山尾議員が、なぜ今までこのような多額にわたる矛盾を解明できなかったのか極めて不自然です。
(6) 国会で蓋然性が低い帰納的推論(揚げ足取り)ばかりしている山尾議員が、蓋然性を根拠にすることは蓋然性が低いと言えます(笑)。何の先入観も持たずに結果だけを見れば、「政治資金の問題を秘書のせいにする」という典型的な構図になっています。
(7) 今度はガソリンスタンドのせいですか(笑)。
(8) 前日まで6台と言っていたのが8台に変わりました。走行距離などの稼働実績を報告していただきたいところです。台数だけ報告しても何の証左にもなりません。
(9) 国会質疑で一切論敵の反論を認めなかった山尾議員が、自分の主張については信じるよう促しているのは、はっきり言って虫が良すぎると言えます(笑)。ちなみに、結局最後まで、自らの責任についての謝罪が一切なかったことは驚きです。
山尾議員
次に、ご指摘をいただいているその他、いち、にぃ、さん…、4点について続けてご説明申し上げる。まず選挙運動用のメールについてご指摘があった。調べたところ、後援会の方々に対して、26年11月29日から、携帯電話宛てのショートメールを送付していた。ただし、(1)送信の際に使用した後援会名簿に手違いがあり、同意を得ていない方が混ざっていたことが判明した。ご迷惑をおかけした方には大変申し訳なく思っている。ご連絡をいただいた際、あるいは事務所のチェックで判明したときには、適宜、確認をし、削除しているし、これからもそうする」
なお、私どもが使用させていただいたのは、インターネット経由で一括してショートメールを送信できるサービスになる。このサービスでは、いわゆる国際ショートメールという国際電話のサービスを利用しているため、アメリカの電話番号から国内に向けて送信する形になるが、この手段そのものについては、特に問題がないと考えている。そして、受信拒否をされる場合に備えて、ショートメールには、連絡先として事務所を表示していた。
次に(2)『さくら塾』の活動ということで、ご指摘を受けたが、さくら塾について、週刊誌報道では、私が運営している団体であるというようなご指摘があったが、そのようなことはない。さくら塾は私を支持してくださる方が自主的に組織している団体で、運営は独自の運営委員会が行い、会計はすべて会員からの会費でまかなっていると承知している。帳簿や通帳も独自に管理されていると承知している。
ご指摘のあったバス旅行も、さくら塾が独自に企画、運営されたものと承知している。私自身も旅行代金5000円を払って参加をしている。総支部や(山尾氏の資金管理団体の)桜友会が政治団体の活動として行ったものではないので、政治団体の収支に記載すべきものとは考えていない。
なお、このさくら塾において行われている懇親会も、その運営や会計、全て、さくら塾が行っていると承知している。私も参加をするときは参加費を払って参加している。民主党愛知県第7区総支部や、桜友会の活動として収支を報告すべきものとは考えていない。電話番号を連絡用に提供したり、ブログで紹介するなどの形で支援をしていて、その点がご指摘を招いたことを反省をし、今後は連絡のための電話番号の利用についても塾独自で行っていただくようにする。
そして、さくら館(愛知県瀬戸市)についてのご指摘もあった。さくら館は、家主の方が、落選中から私のために好意で開放してくださっている建物のことだ。私が常時使用している場所ではないために、ご指摘を受けるまでは、さくら館が総支部、後援会の事務所であるという認識に欠けていた。
ご指摘を受けて、さくら館をめぐる収支を点検をしたところ、次の3点の事実、(1)平成25年から電気代、水道代、ガス代を総支部が支払っていること(2)灯油代金および町内会費を25年から(山尾氏の資金管理団体の)桜友会が支払っていること(3)さくら館の修理代を25年に総支部が負担をしていること-から見て、総支部および桜友会がそれぞれ家主から無償供与を受けているという判断に至った。
従って、早急に総支部および桜友会が無償供与を受けていることを示す収支報告書の訂正を行う予定だ。また、さくら館は、さくら塾も利用していることから、総支部からさくら塾に対して無償供与していることを示す収支報告書の訂正も行う予定だ。
そして最後に、(3)訂正済みの政治資金収支報告書の2点について触れさせていただく。(山尾氏から総支部への寄付だったと収支報告書が訂正された)476万円の件については、私個人から総支部に対して寄付を行ったものだが、この寄付が桜友会から総支部に対する寄付を行ったというふうに誤って記載があったので、これは訂正をした。
そして、24年に桜友会に1000万円の限度額を超える寄付をしたとのご指摘について、本来は1000万円を超える224万円を『貸し付け』として処理すべきところ、手違いで『寄付』と記載していたので、224万については私からの貸し付けとして訂正した。今後このような手違いを起こさないように、事務態勢をしっかりと整えてまいりたい。
むすびに今回、私の事務所運営について、各種のご指摘を受けた。私も本当に真摯に受け止めている。事務所のスタッフに調査を指示し、外部の専門家の助力も仰いだ。その結果、いまご報告をしたとおり、収支報告書の事務処理の誤りや友好団体との関係で誤解を招くような記載が存在することが明らかになった。(4)これらの点について私の監督がいたらないところであり、申し訳なく思っている。今後は私の監督を徹底し、事務所態勢をしっかりと整えるとともに、外部の専門家の指導も受けながら、国民の皆さんの期待に応えられるように、精いっぱい努力をしていきたいと思っているので、どうぞ今後ともよろしくお願いを申し上げる。私からの報告は以上です。
(1) 理由は「手違いがあったため」です。ヒューマンエラーは概してよくあることであり、それが単なる手違いであるのであれば仕方がないことと言えます。論敵の無意識な言葉に対して異常な揚げ足取りを行う山尾議員は、このことを深く認識すべきであると言えます。なお、もちろん、山尾議員はこの事象が単なる手違いであったという合理的証拠を示す必要があります。「手違い」は都合の良い言い逃れの言葉でもあります。
(2) 山尾氏の[ブログ]を見ればわかりますが、山尾氏が「さくら塾」の運営に強くかかわっていることの蓋然性は高いと思われます。もちろん、論敵の倫理的な揚げ足取りをしてきた山尾氏は、倫理の前提となる論理に基づく指摘に対して確実に対応すべきであると考えます。なお、さくら塾の皆さんはにおかれましては、善意で支援していた山尾議員に都合よく切り捨てられてしまいましたことを心より同情いたします(笑)。
(3) これも理由は「手違いがあったため」です。この記載は明確に矛盾するものであり、明らかに単なる手違いであると考えられます。ただし、法的な知識を持つ山尾議員がこのことを事前に検出できなかったということは、山尾議員が政治資金報告書を人任せにしていることの証左であると言えます。国民に寄り添っているはずの山尾議員が、国民からもらった善意の資金の使い道をチェックしていないというのは驚きです(笑)。
(4) 誰に対してなぜ申し訳なく思っているのかよくわかりません。
質疑応答
質問
検事出身だが、検事の目で見て自身は「クロ」か、「シロ」か
山尾議員
クロ、シロと軽々に言うような話ではないと思うが、しっかりと弁護士と相談もしながら必要な法的措置があれば、それをとるつもりだ。
山尾議員が法的措置を取らない場合、山尾議員自身が使途を明確に説明する責任が生じます。法的措置を取らないでこの事案を幕引きさせとしたら、問題を解決したことにはなりません。
質問
進退について考えは。
山尾議員
しっかりと事務所の態勢を整えて、専門家の助力も仰ぎながら、私としてはこれからも精いっぱい国民の皆さんの期待に応えるように頑張っていきたい。
まだ問題が解決したわけではないので責任を確定するべきでないことは自明です。甘利大臣に対して、外部調査にあたる弁護士の名前を明かすことを要求した山尾議員は、自らも弁護士の名前を明かして、徹底的な外部調査を受ける必要があります。
質問
突出してレシートが多いということだが、当時は気づかなかったのか。監督責任について、どう思うか。政調会長の任は続けるのか。
山尾議員
監督が不十分だったことを反省をし、事務所の態勢を整えて専門家の助力もあおぎながら、こういったことがないようにやっていきたい。2点目のご質問だが、国会議員として政調会長として国民の期待に応えられるように精いっぱい頑張りたいと思っている。
先述したように、浪人中の身でありながら、極めて異常な金銭の流れをチェックできなかったことは、山尾議員が最も問題視する「国民とは異なる金銭感覚」によるものであると考えられます。山尾氏が安倍首相に対して投げかけた「この感覚のずれを率直に受け止めて修正をしていただかないと、女性活躍や希望出生率1.8実現なんてことは私はできないと思います」という言説が正しい命題であるのであれば、自分が国民とは異なる金銭感覚の持ち主であることを認めるか、民進党の政調会長を辞任するかの、いずれか一方を選択するのが論理的です(笑)。なお、政調会長の辞任を問われた場合に「国民の期待に応えられるように精いっぱい頑張りたい」と言うのは、想定問答集にリスティングされているものと考えられます。
質問
秘書本人からなぜ事情を聴かなかったのか。今後、本人から事情を聴く機会は。
山尾議員
その点については弁護士に相談もして、やはり法的問題が生じる可能性があるので、直接、私やスタッフが当該の方と接触するのは好ましくないと弁護士から助言も受けた。これから事実の解明については、いずれにしてもこういう問題なので、弁護士を通じてしかるべくということだと思う。
甘利議員に対して調査について情報開示を求める山尾議員は、自らの調査についても情報開示を行うべきであると考えます。
質問
甘利明前経済再生担当相は「監督責任」を認めて閣僚を辞めた。今後、与党の不祥事などを追及する資格はあるか。
山尾議員
まずは今申しあげた通り、自分の管理の不十分や、事務所の態勢をしっかり立て直さないといけないという、私自身としてやるべきことをしっかりやることは大変大事なことだと思う。ただ、私も野党の国会議員であるし、政調会長として、その任をしっかりと果たしていきたい。
たとえ山尾志桜里議員が倫理的に追及されるべき人物であっても、他人を論理的に追及することは論理的であり、どんどん追及すべきです。ただし、「25万円」だとか「嬉しい悲鳴」だとか、他人を倫理的に追及することは論理的ではありません(笑)。
質問
秘書を雇った経緯と辞めた経緯は。
山尾議員
当時、先輩議員の紹介で秘書となった。本人からの辞表願が出て辞めている。
任命責任というものですね。
質問
辞めた理由は。
山尾議員
本人から辞表届がでているので、本人の意思であろうと思う。
山尾議員は論点をすり替えています。質問は辞めた理由であって、本人の意思か他人の意思かではありません。辞めた理由が不明なのであれば、不明であると言えばよいだけです。疑惑を解明するにあたって、この秘書が辞任した理由は極めて重要な論点であると言えます。
質問
甘利氏の追及をしていたが、今回の件とは違うと考えるか。
山尾議員
違うとしか言いようがないのだが…。それぞれ事案は全部違う。この場で『私のは軽いんだ』とか、そういうことを言うような場でもないと思う。軽い重いとかそういうことではなく、それぞれの事案にのっとって、議員本人がしっかり調べて説明をするということだと思う。
山尾議員の言うとおりだと思います。質問の意味がわかりません(笑)
質問
新築祝いとして選挙区内のどなたかに現金を渡したということはないか。
山尾議員
私の知っている限りそういうことではないと思う。
山尾議員の政治団体「桜友会」のH26政治資金収支報告書において、「新築祝い」として21000円の計上(支出先はFLORIST MIKIという花屋さん)があります。私でも調べて知っていることをなぜ当事者であり資金の代表者である本人が知らないのかめちゃくちゃ不思議です(笑)。
質問
弁護士は秘書に会ったのか。
山尾議員
今の段階で秘書と接触したということは聞いていない。ただ今後必要があれば、それは適切にやって頂けるのであろうと思う。
これだけ疑義を公表しておいて「やらない」という選択肢はないと思います。山尾氏の言う「国民」が許さないと思いますよ(笑)。
質問
今回の件を払拭するには膨大なエネルギーが必要になると思う。夏の参院選に向けて有権者にどう発信していくのか。
山尾議員
この1週間、かなり集中して弁護士さんの力も相当借りながら調べてきて、そして、今日こうやって率直にご報告申し上げている。これはやはりメディアの皆さんを通じて、国民の皆さんに私なりに説明をしている場面だと思っている。自分の地元だけでなく、出会っていくであろうさまざまな立場の方から問われれば、同様の説明で正直にご理解いただく。一方で当然、政調会長として民進党の政策、頑張って政策を前に進めていきたいという思いは全く変わりはない。
あの~匿名のブログですが、私に説明していただけませんでしょうか(笑)。
質問
全体として「申し訳ない」「反省している」という言葉は聞けていない。「被害者」という気持ちかなのか。ここまでの説明で有権者が納得すると思うか。
山尾議員
大切なご質問ありがとうございます。ガソリン代の件も含めて、これは私自身の監督の至らなさがあるのは事実なので、その点は大変申し訳なく思っている。それが私の大きな気持ちだ。それが前提にあって、今後どうするのかという質問に答える形で、その点についてはやはり期待に応えていけるように頑張りたいという順番だ。改めて説明申しあげたいし、ご理解いただければと思う。この説明の受け止めだが、やはり調べた結果、ある程度判明した事実に基づく以外に説明の方法がないので、今、この1週間でしっかりと調べた事実を今この場で申しあげている。
記者から強く追及されたときの想定問答集にあるバレバレの切り返しのワーディングだと思います(笑)
質問
納得してもらえるか。
山尾議員
ご質問や疑問の点があれば、今もそうだが、引き続き聞いていただければと思うが、今お伝えした通りだ。
首相に対して匿名ブログへの真摯な個別対応を迫ってしまった山尾氏は、自分の論理矛盾にまだ気が付いていないようです。対応できるわけがないのは自明です。
質問
当時、「大量だ」という疑問は。
山尾議員
繰り返しになるが、当時の自分の監督の至らなさ、これは猛省しています。
会見を通しての、謝罪の言葉のプライオリティの低さから推察すれば、「猛省」しているようにはけっして見えません(笑)。
質問
使い込みにあった、ということか。
山尾議員
私も、もともとああいう職業をやっていたので、こういったことを断定するのはすごく重たいことと承知している。今申しあげた通りの説明になるが、すごく強い疑問を持っているということだ。
奥歯にものが挟まったような曖昧な表現ですが、自分は一義的には可哀想な被害者であるという主張です。
質問
税金が無駄に使われたのは事実だ。
山尾議員
大切なご指摘ありがとうございます。本当に、改めて、さっきも申しあげたが、ガソリン代の件も含めて、私自身の監督の至らなさを猛省している。そういった意味で、この政治に対するお金の使い方、一番国民が信頼の論拠としているところ、不信の礎となっている部分で、こういった報告していること自体に、本当に申し訳なく思っている。国民の皆さんに申し訳なく思っている。ここから先できることは、もう二度とこういうことが起きないような事務所の態勢をしっかり整えて、当然、外部のご助言も頂きながら、もう一度、自分が先頭に立って監督体制をつくっていくことだと思う。大変申し訳なく思う。ありがとうございます。
またしても、想定問答集にあると思われる切り返しですね。このバレバレのワーディングは、かえって山尾議員の誠実さに疑義を持たせてくれます。これから賢明な議員や行政の皆さんは、山尾議員から強く追及されたときには「大切なご指摘ありがとうございます」と前置きしましょうね(笑)。
質問
政調会長就任にあたって、党幹部から「資金面、大丈夫か」と確認はあったのか。
山尾議員
具体的にそういった点をクローズアップして『注意をしなさい』ということではなかったかと思う。
いつも首相の任命責任を追及している側がそんなにいい加減な調査でよいのでしょうか(笑)。
質問
結果的にウソをついたことになる。責任の取り方は。
山尾議員
何がウソかというのはそれぞれのいろんなお考えがあると思う。私がこの場で言えるのは、私自身がなにか事実を知りながらそれを隠してウソをついたということはないということは、私なりに申し上げることはできるが、一方で、記載と事実が違うということが複数あるのは確かなので、その点は自分の監督体制の至らなさを大変反省している。大変恥じている。ただ、責任という質問だが、やはりこういった今回の指摘がきっかけとなって、さまざまな不備も判明した。それを私なりに事務所のみんなとともにしっかりと補って、やはりこういうことが起きないように監督体制を整えるということはしっかりとやっていきたいし、それプラス、やはり国会議員として、大事な時期の民進党の政調会長としてやるべきことはやった上で、やはり今担わせていただいている役割を全うしていきたい。
ちゃんちゃん(笑)
・・・というわけで、山尾議員がダメージを最小化して責任逃れを画策しているのはバレバレです。ただし、この件はこれで幕引きではないということは自明です。論敵の言葉尻を捉えて【感情に訴える論証 appeal to emotion】により倫理的批判を行うことで自分を売るという旧民主党のステレオタイプをしっかりと継承している山尾議員について、今後の当該問題に対する取り組みと他問題に対するスタンスをしっかりとウォッチングしていきたいと思います(笑)。