日々爽快でありたい。

季節は移ろい、時が過ぎ去って

同じ花が咲くのをみかける。

 

花もひと同じ命が宿り、同じも

のは無いのが人も花だ。

キョウチクトウ(夾竹桃)の花

が、この梅雨の頃によく咲いて

いる。

 

 

 

カウンセリング専門家として、カウ

ンセラーの多くのひと知り合い、彼

らから人には色々な人がいると教わ

った。

 

竹雄の場合。

彼は、薬使用で幻聴・幻覚をきたし、

精神疾患の病棟がある大学病院に入

院し1年後に退院。

その後通っていた福祉施設の紹介で

産業カウンセラーに相談にゆく

 

露子の場合

彼女は産業カウンセラーで、竹雄の

相談にのる。

相談内容は、出社した竹雄に会社は、

徐々に慣れるようにと言われ、仕事

をもらえず、書庫にいてコーヒを飲

んでいることが多く、会社にゆきづ

らくなったという。

彼女は武雄に「(好きなコーヒを飲

んで)結構なことじゃない、ぼーと

しておったら」という。

竹雄のようなケースは、男性に多くみ

られる。

仕事熱心で真面目で、先が不安になり、

薬や、酒、たばこなどに依存し、その

一方仕事ができ、人情家で面倒見が好

い。

 

 

彼女の場合。

露子は現実的で、とくに女性に多い

ケースだ。

彼が、ぼーと、コーヒを飲んでおれ

ないから相談に来ているのに、彼の

心底が少しもわかっていないと思っ

た。

このとき、ぼくの顔をみて「何か?

」と尋ねられ、咄嗟によく頑張って

いるねと応え、慰労したいと夜の街

に出、バーで酒をくみかわした。

彼女は酒に酔い、腹に思っているこ

とを吐き出し、さきほどの「何か」

について繰り返し訊かれ、ぼくは、

「もうすこし、男の気持ちをわかっ

て欲しい」というと、(勘違い、思

い違いをして)、「いいよ」といい、

初めて彼女とホテルにゆくことにな

った。

 

 

ホテルの彼女。

ホテルの彼女とぼく。

ホテルにはいり、彼女がシャワー室

にゆき、シャワーを浴びる彼女の背

からふっくらした乳を両手で優しく

つつみ、お尻にふれると、彼女は気

を失うようにすわりこんだ。

透き通った白い肌の彼女を抱き、ベ

ッドに仰向けに寝かせる。

眼を閉じた綺麗な顔立ちの唇にキッ

スをし、さらに上半身から下半身へ

ずらしてゆく。薄い茂みの壺の奥か

ら泉が湧き、白から紅く染まってゆ

く肌。

茂みの森の中に優しく押し入っては

曳くと、吸いつくようにゆるめては

閉まり、気が遠くなってゆく。

ふたりは、あの世の心地よい世界で

まどろんでいる浮世絵春画の世界に

したっていた。

 

女と蛸

女性

アレ憎い蛸だのう、フゝゝゝ。

エゝいっそアレ 〱 奥のフゝゝゝ、

小壺の口を吸われるので息がはずん

で、

アア、エゝもうイック いぼでエエウ

ウいぼでそらわれをいろと …

アレアレこりゃどうするのだ。

ヨウ 〱 アレ 〱 いい 〱

今までわたしを人がアアフウ 〱

〱 蛸だ蛸だと言ったがの。

どうしてどうして二本の足のからみぐ

あいはどうだ。

なんと八本の足のからみあんばいは 

どうだ 〱 あれあれ中がふくれあが

って フゝ フゝ

女性

エエモウモウくすぐたくなって、

ぞろぞろと腰におぼえがなくなって、

いきつづけだあな。

アアアレ 〱 ウウ… いいよ 〱

 

 

葛飾北斎『喜能会故真通(きのえのこまつ)』(海女と蛸)

 

 

白衣のかの女と街を散策していると、

日差しの強い光を受けて、元気に咲

いている夾竹桃があった。

夾竹桃は、葉が竹のように細く似て

おり、花が桃のように似ていると中

国人が名付ける。これが名の由来。

日本へは中国から江戸時代に渡来し

たといわれ、暑さや乾燥につよく、

ギリシャではこの木が湿気を好み、

属性(ギリシャ語)のNeniumha

は湿ったを意味するという。

 

彼女は大学院に進み品行方正で、こ

れまで学業も仕事もよくできる人だ

った。

ぼくは彼女とまったく逆で、勉強も

仕事もできず、ふしだらだった。

担当の女医は、闇があれば、照らす

光があるから何事も決して諦めては

いけないといってくれた。

熱心なカウンセラーの彼女は、この

機会を逸してはと思い、酒の勢いを

かりて、28歳のとき初めて性依存症

のぼくと体験する。

今朝方、ぼくは結婚前のぼくと彼女

が婚約し、喜びをかくしきれず、浮

世絵の春画のように夢のような快い

夢の世界にしたっていた

 

結婚前の彼女と彼氏。

葛飾北斎の「喜能会故真通(きの

えのこまつ)」の枕絵

結婚できることになったふたりの

会話が絵に添えられる。

 

 

結婚前の男女(北斎『喜能会故真通』)

 

どうしたえ、片がつきそうかえ。

ムム、どうかこうかかもらいうける

取りになった。

おや、うれしいの。

ムムいいつごうだな。

早くいっしょになりてえのう。

と、口と口、チュウ 〱 〱

ツッパ 〱

だれぞが来やあしめえかの

なあにだれが来るものか。

さっき権七さんのおばさんにフーウ

会ったよ、フーウ 〱

あいつは開閉がひどいからみんなに

話しゃがるだろう。

いいわな、どうでこうなったからに

ゃかまわねえ。口と口、チュウ 〱、

くじる音ニチャ 〱。

さあ、冗談せずと早くどうにかしな、

フウ 〱

やわらけえ細工場だわ。あれあれごう

せいと水だくさんだ。

ああいい。フウフウ。抜き穴がからい

から、ほぞがきしまあ。フウ 〱。

ああいいよいい、こうこう、これさ、

いいよ。

ムウ 〱 〱 いいか。これでどうだ。

どうする 〱

いい 〱 みんないい。フーウ。

エエアアいいっつ。

おお可愛いのう。フーウ。いいか 〱

いっそ息がくるしい。

 

 

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