ドラマは凄い。
これまでこの人の名を知る由もない。
NHK連続テレビ小説の田邊教授のモデル
となった矢田部良吉を。
また牧野富太郎の大学の出入りを認めた矢
田部良吉を通して、当時の植物学会の黎明
期を知ることになった。
矢田部良吉と江戸（英語）
矢田部良吉（1851-1899）は、伊豆国田方郡
韮山町（現静岡県伊豆の国市）に生まれ、父・
卿雲が没し、母の沼津の実家（原川家）に身を
寄せる。
元治元（1864）年江戸へ出て、中浜万次郎・
三宅秀・大鳥圭介らに英語と数学を学び、更に
横浜語学所で引き続き学ぶ。
矢田部良吉とコネール大学（植物学）
明治2（1869）年開成学校教官、大学校助教
となり明治4年森有礼に随行してアメリカ合
衆国に渡り、翌年よりコネール大学で植物学
を学ぶ。
矢田部良吉と東京博物館（館長）
明治9（1876）年8月コネール大学卒業し、帰
国。翌年東京大学理学部教授となる。明治12
年博物館長を解任され、後任に箕作秋坪がなる。
詩集「新体詩抄」
明治15（1882）年東京植物学会を設立し、会
長に就任する。
同年8月矢田部良吉（今尚居士）ら3人（他外山
正一、井上哲次郎）が「新体詩抄」を出版し、
漢詩でなく西洋の詩表現を目指した詩集をつくる。
矢田部良吉と羅馬字会
明治18（1885）年1月羅馬字会（ローマ字会）
を設立し神田乃竹とともに幹事に選出される。
矢田部良吉と牧野富太郎
明治19（1886）年12月より訓盲唖院校長、
明治21年東京高等女学校を兼任、明治23年
6月東京訓盲唖学校長を辞任。
同年明治23年11月東京大学に出入りして研
究していた牧野富太郎に対し、大学の書籍・
標本を使って自著を編纂することを止めさせ
る。
矢田部良吉と東京大学
明治10年以後東京大学理学部教授だった矢
田部良吉。明治24（1891）年3月教授職を
非職となり、明治27（1894）年3月非職満
期により免官。
矢田部良吉と師範学校
明治28年東京高等師範学校教授となり、明
治31（1898）年6月同校校長となる。
矢田部良吉は、支援してくれた文部大臣森
有礼の暗殺以降、学内での力を失い、本来
の植物学に専念していたとき、教授の職も
とかれてしまう。
らんまん第20週「キレンゲショウマ」
ある日、公報を見た教授は高等女学校が廃
止されるのを知り、憤慨する。
このとき妻の聡子は「あなたは日本最初の
植物学者となり、政府の鹿鳴館や学校の仕
事をしてこられた。今あとにつづく方たち
がいます」と励ます。
田邊教授（要 潤） 妻・田辺聡子（中田青渚）
教授は理科大学学長の座を追われることに
なるが、夏に愛媛の石鎚山の採集に出かけ、
その草花の標本をみて、「世界に見られな
い特異な植物で、これはひとつの属を構成
する、新種である」と、植物学者として「
キレンゲショウマ」の新種を発見し、命名
をおこない「キレンゲショウマ」の学名に
palmata Yatabeの名がはいる。
また「日本植物学雑誌」の最新号に今後、
日本の植物については欧米の学者に頼らず、
日本人自らが自分で学名を与えて発表する
と宣言文を書く。
波多野泰久（前原滉） 野宮（亀田佳明） 田邊教授（要 潤） 大窪（今野浩喜）
らんまん第21週「ノジギク」植物学
藤丸がいう。植物学の教授がかわると、前任
者の業績をつぶし、あらたに自分のいろにか
え、政治と人間がからむ。また、植物学はや
めたあと、英語の教師になるとかで、仕事が
無いうえに植物学では生計がたたないという。
矢田部良吉「悲報」
大学を離れ２年の月日を経過。
明治32（1899）年８月
夏、ふたりの子どものために鎌倉にゆく。
妻・田辺聡子（中田青渚）
らんまんの須江と子どもは質屋で怖い話を
聴くなか寿恵はふと新聞に目がいく。
中尾質店店主（小倉久寛） 寿恵子（浜辺美波）
鎌倉沖で遊泳中に溺死の悲報。
須恵、万太郎に悲報を知らせる。
矢田部良吉、享年47歳
槙野寿恵子（浜辺美波） 藤丸次郎（前原瑞樹） 槙野万太郎（神木隆之介）
らんまん
作：長田育恵
主題歌：あいみょん「愛の花」
槙野万太郎 ：神木隆之介
槙野寿恵子 ：浜辺美波
（東京大学植物学教室）
田辺教授 ：要 潤
妻・田辺聡子 ：中田青渚
徳永教授 ：田中哲司
大窪昭三郎 ：今野浩喜
波多野泰久（眼鏡）：前原滉
藤丸次郎 ：前原瑞樹
野宮 ：亀田佳明
中尾質店店主 ：小倉久寛
2023.8.19
2023.8.20
2023.8.20