2月初旬のある日、小倉のゴルフ場に

ゆく。山の峠の隧道を越えると辺りが

開け平野を見おろせる。

 

峠から下り、広い川に架かる橋を渡り、

右岸沿いにゆく。このゴルフ場はアップ

ダウンの多い、いわゆる山岳コースだ。

 

 

 

久しぶりに3人が揃って、ゴルフをする

ことになった。人は、男や女は、また男

と女の関係も、ゴルフとよく似ているよ

うにも思えた。

 

彼女たち2人は異母姉妹。

姉はぼくの担当医で独り身、妹は姉の病

院に勤務し、どちらも女医である。

 

ちなみにぼくの病名は、発達機能障害

で、性依存症。姉は負けず嫌いで完璧

主義者。

妹は、脳医学・人工知能を研究し、何

事もあらかじめ実験しないと気が済ま

ないそうだ。

 


 

父親によく似たふたりは、容姿が端麗

で、性格も似たところがあるが、ヨー

ロッパで育った妹のかの女は、姉とは

随分違っており、ゴルフをしていると、

なるほどと思うことがよくあった。

 

姉はゴルフ教室に通い、練習場で納得

するまでボールを打ってくるが、妹は、

ことゴルフにかぎっては、執着心が無

く、ラウンドそのものをエンジョイし

ている。

 

今日はIN(10番ホール)からOUT(

1番)コースをラウンドした。なんだか、

いつものとは違う感じがした。

 

グリーン上でもそうで、同じようなとこ

ろから打つのに、彼女はフックしてゆき、

かの女はスライスしている。

 

18番ホールを終え、3人で妹を送り届け

姉のマンションにゆく。これがいつもの

パターンだが、この日は違った。

 

 

 

姉の彼女に急用ができ、順序がいれかわ

った。

この日、妹のかの女の夫は海外赴任中で、

かの女の家で泊ることになった。

夜が更け、シャワーを浴び、ベッドで横

になっているかの女のバスタオルをはず

す。ふたりは夢の中、浮世の得もしれな

い快い世界にしたり、愛の契りを結ぶ。

真夜中だった。うとうとするなか、はっ

と目を覚ますと、枕元に女人が立ち、「

こんな女として」とかの女の首元を締め

付けている女人がいる。

ぼくは、恐ろしくなり、むさぼるように

かの女の真っ白い肌を繰りかえし求めて

いた。

翌日彼女のマンションにゆく。

彼女は、ぼくに「恐れずに、ときをゆっ

くり過ごすように」と、ぼくに言う。

 

 

小倉のゴルフ場付近には、「源氏物語」

に憑りつかれたせいか、京都と似た地名

を幾つか見かけた。

先日が雪が降ったとき、和泉山脈の麓で

は、二日ほど雪が残っていたそうだ。

季節は寒さを伴い、徐々に春に向かっている。

 

 

小倉カントリー倶楽部(和歌山市下三毛勝宝山879)

 

 

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