久しぶりに3人が一緒にラウンドした。

あれから1年だった。10番ホールには

モチノキ、18番ホールにはサザンカの

花が咲いていた。

 

<姉妹>

(姉)

姉は花にたとえるとモチノキだ。

 

 

ぼくが通っていた病院の担当医が姉で

、彼女はその病院の院長でもあった。

ぼくの病名は発達機能障害で、人との

コミュニケーションがとれず、そのう

え性依存症だった。

ぼくは、小・中・高校と不登校で、病

院が幾つもかわり、病名も通った病院

の数以上の名をつけられていた。

 

3年前コロナ禍が起こる以前だった。

そのときの院長の彼女はちがっていた。

あなたのは「病気でない」と断言し、直

接ぼくの治療にあたってくれた。

熟したモチノキの実はすでに赤くなり、

樹の肌はつるるしていた。

 

 

(妹)

姉とは妹は違う。

妹はまるでサザンカのようだった。

 

 

担当医の姉の妹のかの女は、父がフラ

ンス人で姉とは異父姉妹になる。かの

女は、大学病院に通い、医療研究にあ

たっていた。

たしかロシアのウクライナ侵攻の1ヵ

月前だった。

その日、彼女に急用がはいり、妹とと

の2人だけのラウンドとなった。お互

いに意気投合し、帰途、モーテルに寄

った。これがかの女の初体験となった。

池越えホール18番辺りはサザンカの

で真っ赤に染まっていた。

 

 

艶女医姉妹)

診察日、ぼくの診察はいつも最後だった。

ベッドのぼくの耳のそばで「あせらないで

、ゆっくり」と上から下へと撫でててゆく。

緊張はときほぐれ彼女の肌の快さが伝わり、

やがて茂みの濡れた奥のころにはいってゆ

く。

 

妹のかの女には婚約者がおり、近く結婚す

るという。姉は笑って「かの女は研究一途

で、結婚初夜でつまずかないように、あな

たを推挙したのよ」と言う。

ぼくは恐ろしくなった。情けなく思うかと

思えば、嬉しくもあり、自分で自分のこと

ががわからなく、夢の中で夢をみているよ

うだった。

19番ホールに続く艶女医ゴルフ。

 

 

2022.12.22

艶女艶ゴルフ「Foreeber Love」ー男と女の物語(294)

2023.1.18

源氏物語(明石「みおつくし」6)ー男と女の物語(323)