町の樹々は紅く色付いてきた。
なかには葉やドングリの実が落ち
ているものもあり、ときが移り変
ってゆく。
ー町のメタセコイアの樹ー
三方(北摂山地。金剛・生駒山地、和泉山脈)
が山に囲まれた大阪平野の南部。
山裾の町の丘陵地にメタセコイアの樹が十数
本並んであり、町役場前にも1本立っている。
メタセコイアの樹の熊取町民グランド(大阪府泉南郡熊取町久保5丁目5-3-1)
ーメタセコイア「生きた化石」ー
メタセコイアは外国産の樹で、一度
地球の気候変動で絶滅した木である。
ところが、中国の奥地に、中国・ア
メリカの調査隊がはいり、メタセコ
イアと命名されていた化石の樹が現
地にあった。
そして、この種の内100個が日本に
送られ、メタセコイアが全国に育成
され、広がってゆくことになる。
メタセコイアという名に三木茂博士
に命名されて今年は80年になり、生
きた化石と称されている。
(メタセコイアの樹と八ツ地蔵)
話はもどる。町にはもう1本メタセコ
イアの樹があった。
町役場の前の小学校の裏門に沿った小路
にある。八ツ地蔵尊の傍に数本の大木が、
あり、紅葉した桜の木の横、一番端に立
っている。
大阪府泉南郡熊取町立中央小学校の傍に立つメタセコイア
<八ツ地蔵>
メタセコイアの樹の下にある八ツ地蔵尊。
この町役場前の周辺は江戸時代に東円寺
と呼ばれる広い寺院があって、明治の廃
仏毀釈で廃絶されている。
最近まで、田畑であったが、今は新しく
建てられた家が並んでいる。八ツ地蔵の
地蔵さんを数えると、とどうしてか、
七ツしかなかった地蔵さん。
学校の傍の八ツ地蔵
ーメタセコイアと人の暮らしー
恐竜にかわり、メタセコイアが誕生・
生存し、絶滅する頃約100万年前に人
類の祖先の原人があらわれ、その後ひ
とは自然とともに地球上に生きている。
100万年前というと…?、
仮に長さに換えてみると、机の上に1
円硬貨を置き、これを1年に1cmご
とずらしてゆくと1円硬貨が遠く10k
mさきになる。
その10kmさきから1年ごとに1cmず
らしてくると、現在いる机の前の位置に
くることになる。
(100万年は100万cm⇒1万m=10km)
氷河期の頃にメタセコイアにかわり出現誕生した原人
<地球温暖化とインド(国情)>
英グラスゴーで開催中の国連気候変
動枠組条約第26回(COP26)。
世界の温暖化対策は国情により違う。
例えばインド。インドは、今回はじ
めて、この会議で温室効果ガスの排
出ゼロにする目標時期を、中国やロ
シア、サウジアラビアの60年より遅
い70年を声明する。
これまでインドのナレンドラ・モディ
首相は、気候変動対策によって、経済
成長が鈍化し、貧困解消が遠のくのを
受け入れがたかったが、その替わりに
と言えばいいのか、モディ首相は演説
で先進国に対し途上国へ1兆ドル(約
110兆円)の金融支援を要求している。
<インド洋のモルディブ>
インド洋に島国のモルディブという国。
この国はインドの南に位置し、1200
の島からなり、いま海面上昇により、
島の沈没が進んでいる。
モルディブ政府によると、島の8割が海
抜1m以下で、島の97%では、温暖化
により海岸が浸食され、ヤシの樹など
が倒れ、根がむきだしになっているそ
うだ。
そこでモルディブ政府は、世界初の海
抜2mの海上に浮かぶ大規模の都市を
建設中で、人口50万人の内20万人が
住めるという。
シャウナ環境・気候変動相は、気候
変動対策が進まないと、ひとが暮ら
すことできなくなりモルディブは滅
びるといい、「COP26で世界の平均
1.5度に抑えることで合意できれば、
モルディブを救うことが出来る。政治
指導者の意思が必要だが、それは可能
だ」と、国際社会の一致した対策を講
じる重要性を訴える。
ー町ある樹と地球温暖化「国情」ー
この町も田畑や山が宅地開発され、交
通渋滞などがおこっており、メタセコ
イアの下の八地蔵の前で、季節と同じ
く、時代は地球規模で温暖化の問題を
かかえていることを思う。
<自然と人(暮らし)>
2021.11.10