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有料老人ホームの運営「訪問診療医との連携が重要」
医療法人財団コンフォートの西郊学理事長は6月3日、東京都内で開催された高齢者住宅フェア(主催=高齢者住宅新聞社)のセミナーで講演し、有料老人ホームの安定的な運営には「訪問診療医との密接な連携が重要」と強調。「医療」を営業戦略ととらえれ ば、新規入居者獲得競争で他との差別化になると述べた。西郊理事長は、長期入居者の高齢化や新たな疾患の発生などにより、「有料老人ホームでの医療行為は不可欠になる」との見通しを示す一方、「訪問診療をしている医療機関に任せきりにすれば、入居者への責任の所在が分散する」と指摘。あくまで「入居
者中心」「ホーム中心」の視点を持った「独自ノウハウの確立が必要だ」と説明した。
独自ノウハウを確立するための具体策については、
▽施設看護師の役割拡大と24時間体制の確立、看護師の増員▽近隣病院との連携見直し▽訪問診療医のシステム構築への参画―などを挙げた。
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医療的ケアは「緊急処置扱いで実施」―NPO法人あい
セミナーでは続いて、NPO法人あいの福田美恵理事長が「有料老人ホーム
における医療的ケア」と題し講演。看護師が指導しながら、痰の吸引の研修を定期的に実施するなど、同法人での取り組みについて紹介した。有料老人ホームで
医療的ケアが必要な理由については、「途中から身体機能が衰えた入所者に対応するため。最初から医療が必要な人を受け入れているわけではない」と説明し
た。
また福田理事長は、当初、東京都が有料老人ホームの介護職員が医療的ケアを手掛けることを問題視していたというエピソードを
紹介。その上で、「都に対しては『(痰の吸引などの)医療ケアは、AEDと同じで、緊急処置として実施するもの』と説明し、黙認してもらっている状態」
と、苦しい実情について語った。
介護職員の医療的ケアについて厚生労働省は2003年、在宅療養のALS(筋萎縮性側索硬化症)
患者に限り、家族以外による痰吸引を認める通知を発出。10年には、一定の研修を受けた特別養護老人ホームの介護職員が、胃ろうによる経管栄養や口腔内の
吸引を実施することを「許容」する通知を各都道府県知事にあてて出している。
病院とは、治療の場
有料老人ホームとは、生活の場
である。
ならば、「生活の場」 である有料老人ホームにて必要な医療行為とは
それは、改善的な治療を終えた入居者に対する
存命の為の手段である。
その、「医療行為」 に該当する存命の為の手段は
基本的に医療・救急従事者と家族にのみ行うことが認められているが
有料老人ホームでの介護従事者には認められていない。
しかし現実として
家族は、入居者の存命を施設=介護従事者に託しているのである。
様々な事情により、入居対象者と居を共にすることが困難である家族は施設に対し
日々、家族に代わる関わりを求めているのである。
一定の研修を受けた介護従事者が
有料老人ホームに於いても医療ケアの実施が許容されるのは
いつの日か・・・