またまた、暫く間が空いてしまった。
申しわけない。
* * *
少し古い話ではあるが
ある探索について記すとしよう。
10月某日。
ある異様な風体の集団が
朝霧立ち込める新潟県のとある山間にあった。
挨拶もそこそこに男たちは歩き出す。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20221010/15/kazu1018yuki/91/fd/j/o0692051915186453549.jpg?caw=800)
頭にはライトが装備されたヘルメットを被り
上下とも合羽を着こんで
足は長靴に包まれ、
手に長尺バールを持った集団が動き出す。
空は曇天曇りの今にも降り出さんとする中、
山間の小さな小路を辿る。
ここしばらくは誰も歩いていないだろう道だ。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20221010/15/kazu1018yuki/2b/13/j/o0692051915186454889.jpg?caw=800)
草木が生い茂りちょっとした段差に足を採られる。
足を滑らせれば
それこそ谷底に真っ逆さま
そんな道を進んでいく。
男たちはあるお宝を求めて集ったのだ。
目指すは巨大な黄鉄鉱だ。
一辺が5cmにもなろうかという
超巨大結晶を求めてのことだ。
ことの発端は何だったのか、
私のあの鉱山のお宝が欲しい発言だったか?
錚々たるメンバーが集まってくれた。
メンバーはシークレット。
私なんかと一緒に行ったなんて
みんなの名誉のために秘密だ。
色物担当は私が務めるとして
高名なる先生の案内で鉱山を目指す。
ルート1
少々生い茂る植物達に閉口しながらも
和気藹々な雰囲気で山道を辿る。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20221010/16/kazu1018yuki/5f/14/j/o0692051915186456324.jpg?caw=800)
所々太い枝を伐採したあとが見える為、
過去に行った方が刈った跡が残るため、
道は間違っていないようだ。
それにしても歩き辛い。
折しも雨が降り始める。
少しの雨など全く気にせず一行は進む。
少し開けた場所に出た。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20221010/16/kazu1018yuki/88/90/j/o0692051915186456769.jpg?caw=800)
相変わらず道はあるような無いような・・・。
藪を掻き分け進む。
藪の高さが背丈の2倍を遥かに超えるころ
ど~もおかしいと先生が言う。
先生の記憶によると少し高度が足りない。
対岸の山が近かすぎる。
20~30メートル上の凹んだ部分が道でそれが正解ではないか?
起動修正することになった。
ルート2
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20221010/16/kazu1018yuki/19/69/j/o0692051915186457362.jpg?caw=800)
上に行ける道が無いかと試行錯誤。
少し戻って岩肌が見えている部分に取り付き上を目指して登り始める。
略崖だが幸いなことに少しの足掛かりの岩、
木々が細々と生えている。
足元の岩を落とさないように慎重に登っていく一行。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20221010/16/kazu1018yuki/52/ff/j/o0692051915186458019.jpg?caw=800)
なんとか上の道らしき処にのぼることができた。
たしかに道だ。
足元にはズリ石なのか黒い石の表面にギラギラと光るものが落ちていた。
目指すお宝とは違うが期待は高まる。
更に進んで、
道を辿って尾根を巻こうとしたのだが崖に阻まれる。
残念だがこの道は進めない。
涙を呑んで元の開けた場所に戻る。
ルート3
数百メートル戻って谷らしき処を登ってみる。
少し登ったところで一行は待機。
若手2名が先行探索にでる。
若手と言っても40は超えているのだが・・・。
待つこと暫し、
どうもダメらしい。
このルートも途中から谷が急になり進めない。
先導する先生によると間違えやすい分かれ道があった筈だと言う。
もう過ぎてしまった道のどこかに枝道があるはず。
またもや若手二人が来た道を戻りつつ先行探索。
ありがたい事である。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20221010/16/kazu1018yuki/b1/88/j/o0692051915186459084.jpg?caw=800)
数十分後、枝道発見の朗報。
ルート4
枝道を辿る。
先ほどまでの藪に更に輪を掛けた藪が一行の前に立ちふさがる。
バールを叩き付け草木を押しのけ進む。
若手二人が頑張ってくれたのだが残念ながら・・・。
* * *
作戦会議。
協議の結果今日は断念。
雨も酷い状態だし
鎌などの藪対策がないのは厳しい。
成果がないので疲労も大きい。
明日、再アタックすることとなった。
宿に行く途中、
装備を整えるためホームセンターに寄る。
鎌や鉈を購入。
ますます異様な集団となる。
途中、別の鉱山に寄ってみた。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20221010/16/kazu1018yuki/22/08/j/o0692051915186459953.jpg?caw=800)
少しの水晶採集を愉しんだあとホテルに到着。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20221010/16/kazu1018yuki/be/cf/j/o0692046115186460550.jpg?caw=800)
先生と二人しこたま酒を飲んだ。
美味かった~。
みんななんで飲まんのやろ。
麒麟山旨いで。
余談ながら帰りに一升瓶買ってしまった。
ある探索行② に続く。