「びおら」

「華春福」×「安平」×「福之国」×「糸秀」

2015.12.30生まれ(もうすぐ8歳)

82.4点

という牛です。

この牛は、2016年10月の競りで、購入しました。

とても、大人しく、大きな牛でした。

 

20230613

「耕富士」をAI(Artificial Insemination、人工授精)。

20230910

妊娠鑑定+を確認。この時までは、何も問題は無し。

20230912

フリーストール牛舎にて、1頭だけ寝てばかりの「びおら」を見るようになる。それでも、呼べば、餌を食べに来るし、水も自力で飲んでいた。

20230913

更に長い時間、寝てばかりの「びおら」を見るようになる。

20230916

とうとう起き上がれなくなった。共済当番獣医「カルシウムとビタミンの点滴をします。あとで、ビタミン剤の注射をお願いします。改善しないときは、廃用も視野に入れて下さい。」この時、直検、採血も実施。
20230918

その後、別の共済獣医に連絡すると「血検の結果、白血球の数は正常です。BLの発症はないです。低マグネシウムなので、16:00頃、注射を打ちに来ます。」その夜、カウハンガーを借りに診療所へ。
20230919

堆肥舎の前だとカラスの襲われるので、カウハンガーで、昔「なつみ」が療養した場所まで、歩かせた。その際、後脚は、全く動かず。しかし、食欲は、旺盛。

20230920~20231004

毎日のように、カウハンガーで吊り、立ち上がることを諦めないようにした。
20231005

カウハンガーで吊ると、後脚が少し、動いているよう。左後脚のダメージが、若干強いかも。
20231007

以前からお世話になっている開業獣医師にアドバイスをもらう。「せいぜい1週間が限界だと思います。筋肉が落ちて来て、その後、繁殖としては使い物になりません。共済廃用を視野に、共済獣医師に相談してみてください。」この言葉で、10日に電話しようと決断。明日が雨予報でしたので、普段ローダーを置いてある屋根のある場所へ、カウハンガーで吊って、移動させる。餌をあまり食べなくなり、水も少ししか飲まなくなる。

20231008

朝から、餌も水も殆ど摂取しなくなる。夕方、一旦、家に帰って、また、牛舎のあるところへ上がって、真っ先に、「びおら」の様子を見に行くも、変な格好で寝ており、既に、こと切れておりました。10日まで、持ちませんでした。

 

先月16日から、家には、夕食と風呂に帰り、その後、牛舎のある場所(相方の実家)に、泊まり込みでした。

当初は、セミが鳴いたり、エアコンを付けたりと残暑が厳しかったぁ。

しかし、最近では、朝晩は、すっかりひんやりとした空気。

季節が変わったと実感します。

その間、競市や牧草収穫などをこなし、精神的にも肉体的にも、すっかり疲弊しておりました。

 

まぁ、何故このようなことになったのかは、判然としませんが、恐らく、フリーストール牛舎で乗駕してバランスを崩して、後脚を痛めたものと思われます。

防げたかと言われれば、難しいとしか言いようがありません。

このようなことは、過去に、1頭だけおりました。

15年前、2008年10月25日に、「たかな」号という牛が、同様に起立不能となり、29日に最終的に廃用したことがありました。

この牛は、分娩を10月27日に控えており、獣医師2名と小生とで話し合い、かなり苦渋の決断(緊急屠畜)だったことを記憶しております。

屠場へ向かうトラックに乗せられる(正確には、ワイヤーで引きずられる)ときの、何とも言えない「たかな」号の目が、フラッシュバックし、あの決断が本当に正しかったのか、自問自答を繰り返したことを鮮明に記憶しています。

 

牛飼いをやっていると、必ず生と死に直面する出来事が起きます。

そのことが、ある意味、何らかの決断を促すことがあるかも知れません。

「生」は、規模拡大しようか、増頭しようか、頑張って育てようかなど、「死」は、牛舎に行くのが嫌だなぁ、牛飼い辞めようか、などです。

でも、まだ、小生たちは、辞めませんよ、牛飼い。

少しずつ減頭したり、形態を変えることを視野に入れてはいますが、まだまだ、やります。

こんな安値の子牛相場のときに、辞めて堪るもんですか。

 

最後に、「びおら」号の成績を掲載します。