「世界対がんデー」の記事について | 【ステージ4:治療6年目突入】腎臓がんと闘うスロッターkazuのブログ

【ステージ4:治療6年目突入】腎臓がんと闘うスロッターkazuのブログ

2017年 50歳で腎臓がん&肺転移を告知されました(追記:51歳で脳転移再発、55歳で骨髄転移・骨転移を再々発)
<「癌になることは不幸ではない!」製薬企業で長年医薬品開発を生業とした経験から、前向きに治療に取り組み、日々を幸せに過ごすことを伝えるブログです>

ちょっと前の話になりますが、2月4日は「世界対がんデー」ということで、各地で様々なセミナーやイベントが開かれました。

 

私の家は朝日新聞をとっているのですが、2月4日の朝刊でがんに関する特集を計9面というかなりの紙面を割いて特集していました。

 

まだまだ世の中のがんに対する理解・認知度が不足している中、この様な日に合わせてマスコミが癌に対する啓蒙活動をする世の中になったということは非常に良いことだと思い、今回ブログにアップしました。

(他社の新聞は見ていませんが、もしかしたら同様の特集を組んでいるかも知れませんね)

 

記事を読んで感心したことは、流石全国版の新聞社、がんに関する様々な側面からアプローチして素人でも分かり易くまとめて書いています。

取りあえず、記事のタイトルと、その中で気になる記事をアップしてみました。

(記事の詳細を見たい方は、朝日新聞のバックナンバーを参照して下さい)

 

2面:がんは縮みつづけた

・治療を止めても、がんは縮み続けた「免疫療法」使用後1年10カ月

 

・新手法 進む開発 安全面など検証これから(記事添付)

→最新の治療法として、実用化に向けて動き出している免疫療法の紹介です。私が注目している「CAR-T細胞療法」は、35面に詳細な説明記事があります。

 

・減る死亡率 残る課題 喫煙・低い受診率・高額な費用

→グラフと図だけ添付します(記事は割愛)

 

8面:声

・がん患者は一緒に働けませんか

・生活費に治療費 厳しい現実

・今度は誰かを支えていきたい

・社会に取り残されないために

・がんとは闘わず陽気に元気に

・がん患者でない人こそ理解して

→これらはがん患者の読者からの投稿です。「がん患者」という理不尽な理由で会社から圧力を受けて退職した人の投稿など、様々な問題について6名の方の投稿がアップされています。

中にはブログを書いていて、同じ病気の人のブログを見ているといった方の投稿もあり、同じがん患者として全て共感できる内容でした。

 

13面:ひもとく「がんとともに」ノンフィクションライター:最相 葉月

→これは、がんに関する本の紹介。紹介された3冊の本のタイトル。

・がん 4000年の歴史(シッダールタ・ムカジー著)ハヤカワ文庫

・がん哲学外来へようこそ(樋野 興夫著)新潮新書

・今日から第二の患者さん(青鹿ユウ著)小学館

「今日から第二の患者さん」は、ブログ仲間のichiさんが(偶然ですが今日)ブログで紹介されていました。(こちら

 

20、21面:支えられ 僕は前を向く

・いまこのとき 喜びと悲しみ(すい臓がんで闘病中の野上祐記者のコラム:記事添付)

朝日新聞ががん患者の声をいろいろと記事にしたのは、自社ですい臓がんと闘病しながらコラムを書き続けている野上さんの存在も大きく影響しているのかな、と思いました。

 

・エッセイ漫画「親のがんに付き添う」漫画:宮川サトシ

 

・国の対策指針「がんとの共生」が柱(記事添付)

記事抜粋:「がん対策は、2006年成立のがん対策基本法や、この法に基づき07年に策定された国の指針「がん対策推進基本計画」などによって推進されてきた。・・・10年の国民生活基礎調査によると、約32万5千人のがん患者が仕事を続ける。一方、13年の厚生労働省の調査では、その3割超が依願退職や解雇のために離職している・・・」

・・・

がん患者の3割が離職しているという悲しい現実・・・。

その昔、中世の時代。人は疫病(ペストなど)を「魔女のせいだ」と言って残酷な魔女狩りを行っていた。

文明の発達した現在では「愚かな思想」と一笑に付す笑い話しとしてしか捉えない。

いや待て、がん患者というだけで会社が社員を首にするなどやっていることは「中世の魔女狩り」と本質は同じ。

500年経って文明が発達しても、人間の愚かな行動自身はそれほど変わっていないという悲しい本質がある。

一方で、後述する伊藤忠商事の様に、その様な世の中を変えていこうという企業もある。

是非、「がんに対する理解ある差別の無い社会」に変えていきたい。

 

・日本 もっと患者が関われるように(上野直人 米がんセンター教授)

記事抜粋:「日本で足りないのは治験情報のデータベース化、それと「患者力」患者というよりも医療側の問題で、患者がもっと主体的に自身の治療に関われる様に仕向けてほしい」

・・・正にそうなんですよね。以前のブログで書いたとおり、日本は医療に関してはアメリカ・ヨーロッパからすると一歩・二歩遅れている現状があります。

(医療の世界で)世界の最先端のアメリカで働く上野教授からの日本のがん治療の問題点の指摘、ホント納得です。

 

・「また1軍へ」勇気届けたい 胃がんで手術・治療 広島カープ 赤松真人選手

・乳がん経験 入院中もおしゃれ心を(患者向けグッズ開発 塩崎さん)

・亡き夫との食卓 希望のレシピに(介護職アドバイザー 保森さん)

・「心の距離」縮め リハビリ寄り添う(理学療法士 立松さん)

・おやすみの前の子どもたちに笑顔(病院ボランティア 近藤さん)

 

32面:診断 それからのわたし

・ヨガとの出会い 日々の支えに

・治療の合間に被災地訪問

・精いっぱい仕事 でも解雇

・友人たち 退院後も親身に

→これらも、がん患者からの声を紹介したものです。「あなたや家族ががんになったとき」支えになったのは・・、周囲の言動でつらかったのは・・・などの声も載せています。

 

35面:遺伝子操作でがん攻撃(記事添付)

→これは、CART-T細胞療法という新たな免疫療法についての紹介です。

現在、血液のがん(急性リンパ性白血病)に対して米国で承認されている最新の治療法です。

製薬業界に携わるものとして、将来がんを克服する治療法として大きく化ける可能性があると個人的に思っている画期的な免疫療法です。

現在固形がんについてはマーカーとなる抗原が見つかっていないため、この治療法は適用出来ていません。

しかし、記事に書かれている通り世界中の研究機関が標的となる抗原を見つけ出すためしのぎを削っており、将来的に全てのがんを完治出来る可能性を秘めた治療法だと個人的には期待しています。

 

38面:母さんのこと 恥ずかしくないよ

→これは、乳がん手術を受けた母と、子供が学校に入り、子どもの前で学友に「お前の母さん、おっぱいがニセモノって本当?」と聞かれたこと、それに対して明るく答えるお母さんのエピソードなどが書かれています。

 

39面:不安にそっと 今度は私も

→これは、自ら小児がんと闘ってきた土井さんが、患者さんの不安にそっと寄り添い続けるそんな看護師を目指し、実際に自分が闘病した病院に看護師として戻ってきて活躍している姿を記事としたものです。

 

それと、前日(2月3日)の土曜版に伊藤忠商事専務の小林さんの記事が掲載されていました。

以前、伊藤忠商事が社員のがん治療の支援で国立がんセンターと協力する事がトップニュースで扱われた事が有るのでご存じの方も多いと思いますが、恐らく日本の企業で最先端の社員のがん治療と仕事の両立支援を行っている素晴しい会社です。

具体的な支援内容は、

「毎年の人間ドックに加えて40歳以上の社員には定期的に国立がん研究センターの専門医による特別検診を行い、検診代は会社が持つ」

「会社が保険会社に保険料を払い、社員の負担無しで先進医療を受けられるようにする」

「残された子どもへの育英資金を拡充し、希望すれば妻への就労も後押しする」

などです。

記事の中では「いまや、どんな人でも必ず家族や知人にがんの人がいる。がんにさせない、がんになっても絶望させない」と書かれています。

本当に、未だにがんを理由に社員を解雇したり、会社をやめる様に圧力をかけたりするクソ会社には、爪の垢を煎じて飲ませてやりたい!というか、そんな会社は潰れて結構!と個人的には思っています。

 

また、新聞の広告欄に書いてあった「AERA」(2月12日号)の記事も参考に添付します。

「がん克服 あと10年 完治できるようになる日が見えてきた」というタイトルで、遺伝子治療とゲノム編集や、手術支援ロボ「ダビンチ」、オプジーボなどの新しい抗がん剤や、近赤外線光免疫療法など、いろいろなことが書かれています。

と偉そうに書いていますが、私は雑誌を買っていないので実は中身を見ていませんが(笑)、朝日新聞系列の雑誌なので、上記の新聞記事から類推すると、がんについて素人でも分かり易く、様々な正しい情報が記事として書かれているのでは?と思います。

(私は朝日新聞の回し者では決してありませんが(笑))興味が有る方は雑誌を購入されては如何でしょうか?