水曜日の休日 | カズモのロックなブルックリン▪︎ライフ!

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ブルックリン在住のシンガーソングライター、わたくしkazmo grooveが日々の暮らしや感じた事を綴っていきたいと思います。

このかた、ずっとバイト生活。

 

一度、旅行会社で働いた事があって、その時は社員だったのかもしれない。

 

その会社は創業したばかりで、オフィスの壁のペンキ塗りから、電話をひく作業までさせられた。

 

でもNYで会社を立ち上げるという作業を経験出来たので、面白かった。

 

2001年の911の事件で旅行業界は崩壊。

 

レストラン等、10か所ぐらい面接を受けるが、どこにも受からない。

 

結局、古巣の日本のスーパーに戻るが、人が足りているので、土日だけの出勤。

 

チャイナタウンで安い米や卵、野菜などを買ってきて、なんとか暮らしていた。

 

あの時は人生で一番の貧困を味わった時ではないか。

 

道で寝る事は無かったけどね。

 

やがてスーパーで働いている人が辞め、週5日出れるようになった。

 

ありがたい事だ。

 

土日は誰も働きたくない。家族や恋人がいればなおさらだ。

 

そんなものがないオレは土日を守るウォリアーだ。

 

だから、オレの休みは平日の水曜日と木曜日。

 

昨日は水曜日で何をしようかな?という感じ。

 

ブルックリンのジャパン・ヴィレッジに行ってみよう、と思った。

 

ダイソーで売っているらしい、ブン・ブン・チョッパーが欲しくてね。

 

でも結局売ってなかった。

 

スリッパと料理用タイマーと、そんな物を買った。

 

ここで熱燗と寿司でも食べようと思ったが、あまりにも高い。

 

冗談じゃねえよ、と思い、電車に乗ってアトランティック・アヴェニューの駅に降り立つ。

 

腹が減った。

 

近所にトルコのレストランがある。

 

どうせ金を払うなら、エキゾチックな経験をしたい。

 

それがオレだ。

 

トルコのレストランに入る。

 

バーカウンターに座る。

 

トルコの赤ワインを頼む。

 

レンティル・スープとアダナ・ケバーブをオーダー。

 

どちらもまあまあのお味。

 

「もう一杯ワインを飲みますか?」

 

ウエイトレスが訊いてくる。

 

「いや、トルコのラキをもらおう。」

 

彼女はラキのサーブの仕方を知らない。

 

トルコ人のマネージャーとウエイターが

 

助言をしている。

 

Yeni Raki Anise 90 Proof Liqueur Bottle (750 ml)

 

「氷は入れますか?水は?」

 

「ああ、少しの氷と水は一杯に。」

 

まあ、なんとか形になったラキが出てきた。

 

「あんた、どこから来たんだい?」

 

「ウクライナよ。」

 

「ああ、どおりでラキのサーブの仕方を知らなかったんだな。」

 

彼女の名前はイヴァーナ、4か月前にウクライナからやって来たらしい。

 

その店を出て、次はアイルランドのパブに行った。

 

そこではスコットランドから出てきたイケメンで長髪のミュージシャン、ジョッシュが働いている。

 

「Hey, Josh. What's going on, brother?」

 

声をかける。

 

ヘイ、カズ。今日は何を飲むんだい?

 

ぺルノをくれよ。

 

Pernod Absinthe Liqueur Pastis Anise (750 ml)

 

でかい氷でいいかい?

 

おお、是非でかい氷をくれよ。

 

ジョッシュのバンドはこの日曜日に新しいシングルを発表するらしい。

 

若いウエイトレスの女の子達が歩きまわってる。

 

そしてオレはここを後にする。

 

「Hey Josh, be good!」

 

そして、いつも演奏しているポーランドのバーへ。

 

オーナーが昼飯を食べている。

 

ボブディランのKnocking On Heaven's Doorがかかっている。

 

オレはバーカウンターに座った。

 

水曜日の昼下がり、ほぼ誰もいない。

 

可愛いヤゴダがいる。

 

「赤ワインをくれよ。」

 

そこにアンドリューが現れる。

 

ポーランド人のおっさん。

 

もう長い付き合いだ。

 

「何飲んでるんだ?よしそのワインのボトルを頼もう。一緒に飲むだろ?」

 

彼は釣りが好きで、この週末にはフロリダ、来月はアラスカに行くらしい。

 

趣味があることはいい事だ。

 

「ヤゴダ。」

 

「何?」

 

「オレは君が好きだよ。」