最近タブレットを購入した。
200ドルぐらいのやつだ。
この2年ぐらい毎週レストランで演奏する仕事を得た。
毎回、2,3時間演奏する。
毎回、同じ曲目という訳にはいかない。
オレが気にするのは客ではない。
そこで働くスタッフだ。
客は毎週違う顔ぶれだ。
しかし、スタッフはだいたい同じ連中が働いている。
毎回、同じ曲目でも構わない。
違う客なのだから。
でもスタッフに、「ああ、またこの曲か!」という顔をされたくない。
「お、この曲聴いたことない。新曲か?」と思わせたい。
そうすると毎週2,3曲新しい曲をセットリストに加える必要がある。
オレは古い時代の人間だから、歌詞カードを印刷してファイルに入れて演奏にのぞむ。
そのファイルが膨大なものになってきた。
バブル時代の東京を知ってるかい?
仕事が溢れていて、仕事募集の情報誌フロムエーなんか、10センチから15センチの厚みがあった。
オレが上京してからの最初のバイト、原宿の女性服工場の仕事だったが、電話で「履歴書なんて後でいいから、明日から働いてくれる?」というノリだった。
オレの歌詞カードのファイルがまさにフロムエー、あるいは電話帳のイエローページに近いものになってきた。
オレはコンピューターを見ながら歌う事に抵抗があった。
ナッシュビルを旅した時も、そこでコンピューターで歌詞を見ながら歌うシンガー達に、「なんか違うなー」という違和感を覚えた。
でももうそんな事言ってられない、という状況に自分が追い込まれた。
今、膨大な数の曲をタブレットに入れる作業をしている。
そういうアプリがいくつかあるんだよね。今は。
オレはMobilesheetsというのを選んだけど。
オレはギターとウクレレを弾いて歌うんだけど、
全部の曲を完璧に覚えている訳ではない。
あれ、この曲どんなんだったっけ?という時も多い。
だから、今の作業で古い曲なんかをおさらいしている。
ある意味いい作業だと思う。
ウクレレでビーチボーイズやプリテンダーズ、スライ&ファミリーストーンの曲を演るのも気持ちのいいものだ。