めでたくもありめでたくもなし | Kazmarのブログ

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「門松は冥途の旅の一里塚めでたくもありめでたくもなし」は一休禅師の句だ。江戸時代までは正月に皆が一つ歳をとったのでおめでたい日であったのだが、それはとりもなおさず死へも一歩近づいたことになるということをうたったものだ。

 

今年は正月そうそう大変な日から始まった。

まずは一日の能登半島地震。被災者の方々を思うと胸が痛む。自然災害が多い地域に私たち日本人は住んでいるので明日は我が身という気持ちを持ち続けなければならないだろう。

 

岸田内閣の初回対応は過去の震災と比較しても大変的確だったのではないだろうか。左や右にかかわらず一部の人たちが現在政権批判をしているが、現時点で一番情報をつかんでいるのは内閣だ。責任も権限もない人が岸田内閣の対応を批判する時ではないと思う。そのような振り返りは3か月後でも遅くはない。そしてそのような振り返りを将来確実に来ると予想されている首都直下型地震や南海トラフ地震への準備に役立てるべきだ。南海トラフ地震では太平洋側の被害は甚大であると予想される。いかに被害を最小限に食い止めるかが政治家の重大な課題だ。

 

2日は日航機と海保の輸送機の衝突事故だ。事故原因解明には時間がかかるだろうが、報告書が出た時点でメディアには徹底的な追及を行ってほしい。海保の機長の人的ミスというシナリオがつぶやかれている。そうかもしれないが、現時点では判断できない。

 

この件で私は大きな疑問が一つある。海保は能登半島地震への対応のために被災者への救援物資を搬送することになっていた。震災は有事ではないかもしれないが緊急事態への対応であったことは間違いない。一般道の場合は救急車、消防車、パトカーなどの緊急車両の通行のために歩行者や一般車両は待機しなければならない。今回の場合JAL機を羽田上空で待機させるべきではなかったのだろうか?

 

さらに追い打ちをかけたのが松本人志のスキャンダルである。年末の文春記事の際は私は全く関心がなかった。年明けて文春第二弾が出て大騒ぎになっているので私も読んだ。正直言って真相がどこにあるのかよくわからない。

 

文春の記事が真実を語っていると仮定すると、松本人志は数人の女性をだまして携帯も取り上げホテルの密室に監禁し性的搾取を行った、極悪非道の犯罪者だ。少なくとも何らかの刑事告発ができる案件ではなかったのだろうか?そういった犯罪者をなぜ8年も野放しにしておいたのか?私には全く理解できない。

 

真実がどこにあるのか見極めないと何も判断できないというのが率直な感想だ。大騒ぎすべき問題かもしれないし、そうでないのかもしれない。

 

この件でABEMAの特集を視聴した。各ゲストの発言はおおむね理解できるものだったが、一人女性のライターの発言が気になった。彼女によると芸能界でのそのような悪い噂は以前からあり、彼女も認識していたということだ。そのうえで今やっと松本を訴える環境が整ったという旨の発言をしていた。

 

例えば8年前といえば2015~2016年である。この時期にTBS 社員が女性ジャーナリストをホテルの部屋にて不同意の性行為を行ったとして刑事告発されるという事件があった。この件は警察・検察とも嫌疑不十分で不起訴処分となった。しかしTBS社員が安倍総理(当時)と近かったため、アベガーの方々が被害を訴えた女性を支援し、民事において勝訴したのは2019年のことである。そして2022年には女性の勝訴で結審した。事件自体はどちらの言い分にも疑問点が多く、それゆえに刑事告訴に至らなかったのだが、メディアを通じて被告は社会的に抹殺された(現在はYOUTUBEにて復活)。

 

今回の松本のケースも密室での出来事で立証が難しい点では女性ジャーナリストの件と同じだ。少なくとも女性ジャーナリストの件が騒がれていた2017年時点では十分に世間に訴える環境が整っていたと考えられる。

 

昨年はジャニー喜多川の未成年者への性的虐待が追及されて日本中をどんよりとした気分にさせた。事の発端はBBCによる報道といわれている。それは間違いではない。しかしより的確で納得がいく理由は女帝メリー喜多川の死去による。なぜならBBCはそれ以前にも毎年のようにジャニーズ問題は提起していたからだ。

 

ジュリー喜多川であればくみしやすしと考えた良心的人権派弁護士の先生たちがBBCの報道を以て今が商機、おっと間違えた勝機ととらえ立ち上がったのではないか。

 

ジャニーズ問題を時系列で俯瞰して眺めるとこのような結論に至らざるを得ない。

 

 

日本社会が性的搾取に対して過敏になっている今、8年前といえど松本に勝てるのは今しかないと、どこかの頭のいい先生が考えたのかもしれない。

 

これは時系列的に問題を俯瞰して得られた私の推測だ。

 

しかしジャニーズ問題といい、今回の松本人志の件といい、正義を強く訴えている人たちになぜか欺瞞の影が垣間見られる。

 

奇麗は汚い、汚いは奇麗

最後に中村メイコ、篠山紀信、八代亜紀が年末年始に旅立たれた。

 

篠山紀信は言わずと知れた女性写真の第一人者。彼の作品は芸術写真といえないのだろうが、アナログ写真の柔らかい描写で格調高い作品だった。特に好きだったのはカルメン・マキのモノクロ写真、雑誌写楽に掲載された森下愛子と樋口可南子のヌード写真は淑やかな雌のにおいが漂ってくるような作品だった。平成に入っても幼い満島ひかりの圧倒される目力や栗山千明のミステリアスな切れ長の目の写真は特に印象的だった。個人的にはこのころの栗山千明の瞳の方がよかったと思う。彼が撮影したような和の感性を表現したヌード写真が社会から消えていったのは非常に残念だ。

 

 

八代亜紀が昨年末に亡くなったこともショッキングなニュースだった。仕方がないこととはいえ、また一人演歌の巨匠がいなくなったのは残念で仕方がない。近年彼女はマーティー・フリードマンと組んで舟唄を歌ったり、JAZZのアルバムを出していた。また女優業でも蜷川実花が監督したFollowersに出演していた。作品自体は蜷川followersだけを満足させる内容だったが...

 

彼女の代表曲は舟唄だろうが、私は雨の慕情が大好きだ。滴る雨音の様なアコースティックギターの爪弾きから始まり、阿久悠の詩の世界をささやくように歌い始める彼女のハスキーなアルトは聞くたびに胸が熱くなる。

 

 

心が忘れたあの人を

膝の重さが覚えてる

長い月日の膝枕

煙草プカリとふかしてた

 

旅立たれた皆様のご冥福をお祈りいたします。