ニューヨーク点描 番外編 ~ワシントンDC・NYCの路線バス・観光バス大バザール!~ | ごんたのつれづれ旅日記

ごんたのつれづれ旅日記

このブログへようこそお出で下さいました。
バスや鉄道を主体にした紀行を『のりもの風土記』として地域別、年代別にまとめ始めています。
話の脱線も多いのですが、乗り物の脱線・脱輪ではないので御容赦いただきまして、御一緒に紙上旅行に出かけませんか。

以前、ポート・オーソリティバスターミナルやペンシルバニア駅を発着する長距離バスの特集をお送りしました(ニューヨーク点描~ペンシルヴァニア駅周辺に集う長距離バス大バザール~)が、今回は、ワシントンD.C.とニューヨークで見かけた路線バスなどを特集させていただきます。

拙い写真ですが、背景の街並みとも併せてお楽しみ下さい。

まずは、最初に訪れたワシントンD.C.で見かけたバスです。

ワシントンD.C.は、国内でも最悪クラスの交通事情と言われているらしいのです。
ワシントンの車は年間60時間も渋滞に巻き込まれ、ロサンゼルスに次いでアメリカで最悪の部類と言われています。

そんな逆境で奮闘するワシントンの路線バスは、地下鉄とともに、ワシントン首都圏交通局 (WMATA) により運営されています。
ちなみにワシントンの地下鉄は、1976年3月27日に開業、駅の数は87、線路の全長は171.1km。平日は平均1日95万人が利用し、ニューヨークに次いで2番目に繁忙な地下鉄なんだそうです。

WMATAのバス部門はメトロバスと呼ばれ、「SmarTrip」という、繰り返しチャージ可能なICカード式乗車券が地下鉄と共通で利用できます。

†ごんたのつれづれ旅日記†
†ごんたのつれづれ旅日記†
$†ごんたのつれづれ旅日記†

なかなか渋いデザインの市内線メトロバスです。
日本にも似たデザインのバス会社があったような気がするくらい。

空港連絡のメトロバスも見かけました。
下の写真はダレス国際空港連絡のメトロバスです。

$†ごんたのつれづれ旅日記†

普通の路線バス、ですよね(笑)。
東京の羽田空港で言えば、大森駅や蒲田駅を発着する京浜急行の路線バス、といった感じでしょうか。

なかなかメトロバスの情報はガイドブックにも載ってないのですが、唯一掲載されていたのは、派手な赤い色彩の「DCサーキュレーター」です。
空港やAmtrakのユニオン駅と、市内の主要地点を結ぶ循環バスで、観光客にも好評のようです。
僕も利用しようかと考えていたくらいです。
結局、地下鉄とタクシーを使ってしまいましたが……。

$†ごんたのつれづれ旅日記†
$†ごんたのつれづれ旅日記†
$†ごんたのつれづれ旅日記†

下の写真は、Acela Expressに乗る前にユニオン駅で撮影したDCサーキュレーターです。
ワシントンのバスの前に付いている金具は、自転車がくくりつけられるらしいです。
実際に自転車を積んでいるバスは見かけませんでしたけど。

$†ごんたのつれづれ旅日記†

$†ごんたのつれづれ旅日記†

市内では、上の写真のような、DCサーキュレーターの連接バスも見かけました。
これは乗ってみたかったですね!
1人旅だったら飛び乗っていたかもしれません。

下の写真は、ニューヨークからの直行便を降り立った時に撮影した、レーガン空港の空港内を結ぶシャトルバスです。
シャトルバスが必要なほど大きな空港には思えなかったのですが……もしかしたら、空港の外にも運行されているのかもしれません。

$†ごんたのつれづれ旅日記†
$†ごんたのつれづれ旅日記†
$†ごんたのつれづれ旅日記†
$†ごんたのつれづれ旅日記†

下の写真は、ワシントン発ニューヨーク行きのGreyhound Linesの長距離バスです。
僕がGreyhoundに憧れていて、ニューヨークでその姿を追い求めた顛末は、以前、書かせていただきましたが、ワシントンでGreyhoundの写真を撮影していたなんて、帰国するまで知りませんでした。

僕が知っていたGreyhound Linesのバスは、シルバーが基本の色でしたから、この時は気づかなかったんでしょうね。
同社がバスのカラーリングを変えたと知ったのは、ニューヨークのポート・オーソリティバスターミナルに行ってからでしたから。
Greyhoundのターミナルはユニオン駅の近くにありますので、駅周辺を歩き回っていたときに撮影したんでしょうね。

$†ごんたのつれづれ旅日記†

バスの背丈が何となく低く見えるのは、手前に立っている兄ちゃんがデカ過ぎるから、でしょうか?
こう見えても、全長十数メートル、3軸の大型バス、のはずなんですが。
しかし、どうして11月にその格好?(笑)

では、僕らもワシントンD.C.に別れを告げて、ニューヨークへ参りましょう。

まず御紹介するのは、ニューヨーク市内をきめ細やかにネットするMTAの路線バスです。

MTAとはMetropolitan Transportation Authorityの略で、ニューヨーク市を中心にニューヨーク・メトロポリタン都市圏における鉄道やバスなどの公共輸送を運営している独立公益公社です。
MTAバス会社は、 ニューヨークにあった7つの路線バス会社を統合して2004年に設立されました。
マンハッタン、ブロンクス、ブルックリン、クィーンズ地区内を網羅する46のローカル路線と、相互を結ぶ35の急行路線を統合、1228台のバスを引き継ぎ、アメリカとカナダで11番目に多くのバスを保有する会社となったそうです。

まず御紹介するMTA路線は、栄えあるM1系統───マンハッタン島の北端、ハーレムの147th St.からイースト・ビレッジの8th St.までを、南方向(South Bound)は目抜き通りの五番街5th Ave.を、北方向(North Bound)はMadison Ave.を通って結びます。

ちなみに、マンハッタン島を東西に横切るStreetは南から番号が振られて、北端は215th St.だそうです。
南北を結ぶAvenueは東から番号が始まり、1番西は11th Ave.まであります。
しかし、間にPark Ave.とかMadison Ave.とか固有名詞のAvenueが挟まりますので、14本のAvenueがあると言います。
ちなみに4th Ave.は欠番です───何故でしょうか?「4」は「死」につながるから?
って、日本語じゃないんですから……。

$†ごんたのつれづれ旅日記†

上の写真は五番街で撮影したM1系統です。

$†ごんたのつれづれ旅日記†

上の写真は、M3系統で同じく五番街で撮影しました。
この系統は、M1系統の起点より更に北方のフォート・ジョージの193rd St.から、イーストビレッジ8th St.までをほぼ1系統と同じ経路を通って結んでいます。

下の写真は五番街で撮影したM4系統。
M○○系統と言っても、A○○系統から順に始まるわけではありません。
M系統はマンハッタン、B系統はブルックリン、Bx系統はブロンクス、Q系統はクイーンズ、S系統はスタテンアイランド、と路線バスが走る地区をアルファベットで表しています。
急行バスはアルファベットXを用いるそうですが、区をまたぐ急行バスの場合、起終点のアルファベットをつけて、例えば、ブロンクス-マンハッタンの急行バスはBxM系統となるそうです。
M4系統は、190th St.にあるクロイスターズ美術館からペンシルバニア駅までを、主として5th Ave.とMadison Ave.を経由して結んでいます。

$†ごんたのつれづれ旅日記†

下の写真のように、ペンシルバニア駅、つまりは僕らが宿泊したホテル・ペンシルバニア付近の7th Ave.でも見かけました。

$†ごんたのつれづれ旅日記†

下の写真は、五番街からエンパイア・ステートビルまで僕らが利用したQ32系統です。
マンハッタン島の東にあるクィーンズタウンからクィーンズボロ・ブリッジでイースト川を渡り、59th St.に入ってから5th Ave.に左折、ペンシルバニア駅に達する路線です。

$†ごんたのつれづれ旅日記†


5th Ave.からペンシルバニア駅のある7th Ave.まではMarcy'sデパートのある34th St.を横断しますから、下の写真のように、34th St.から7th Ave.へ左折する迫力あるカッコイイ写真が撮れました(←たまには自画自賛……でも、いい写真でしょ?)。

$†ごんたのつれづれ旅日記†

下の写真はペンシルバニア駅前で撮影したM7系統です。
屋根に大きな突起があるのは、日本でも見かけるCNGバス、つまりは圧縮された天然ガスを燃料とするエコバスのようです。

$†ごんたのつれづれ旅日記†

M7系統は、ハーレムの147th St.からチェルシーの14th St.までを南方向は7th Ave.北方向は6th Ave.を主に経由して結んでいます。
チェルシーは、多くの芸術家が住んだことで有名な歴史地区だそうです。

え?

僕が地下鉄の急行に乗っちゃって降りた14th St.駅付近の情緒ある街並み、あれがチェルシー地区?
知らなかった───道理で、街並みに惹かれたわけですね。

あなたにも、チェルシー、あげた~い♪……ううう、我慢できなかった……

$†ごんたのつれづれ旅日記†

上の写真は、ホテル・ペンシルバニアの近く(6th Ave.だったでしょうか)で撮影したX27系統。
乗降口が前方だけの1扉大型バスです。
まるで長距離大陸横断バスを彷彿とさせる、いかにもアメリカのバスといった感じの後輪2軸のごっついフォルム。
好きでしたねえ。
できれば乗ってみたかったのですが、やっぱりこのタイプの車両は急行バスに使われているようで、X系統ばかりだったので、どこに連れて行かれるものかわかったもんじゃなくて怖くて乗れませんでした。
X27系統はマンハッタンの五番街の近くの57th St.から5th Ave.とBroadwayを南下してイーストリバーを渡り、ブルックリンへ向かいます。
帰りは6th Ave.とMadison Ave.を北上。

$†ごんたのつれづれ旅日記†

上の写真は、Marcyデパートの前で撮影したM34A系統です。
M34A系統は、ポート・オーソリティバスターミナルから9th Ave.を南下して34th St.を東へ走り、イースト・リバーへ突き当たったら23rd St.まで南下して、Waterside Plazaが終点です。
いわゆる、路線バスが便利と言われる、マンハッタン島を東西に横切る路線の1つなのです。
そう言えば、ニューヨーク滞在中には渋滞しやすいと言われる南北路線ばかりに乗っていて、使えるはずの東西を走るバスには乗らなかったなあ───。

$†ごんたのつれづれ旅日記†
$†ごんたのつれづれ旅日記†

僕のニューヨーク路線バス初体験のM20系統です。
上の写真は、夜のペン駅前を発車するところですね。
M20系統は、Broadwayと63rd St.が交差するリンカーン・センターを発ち、7th Ave.を南下してマンハッタンの最南端South Ferry駅まで走ります。
北行きは西側の8th Ave.を北上。
下の写真は、South Ferry駅付近で撮影したM20系統です。

$†ごんたのつれづれ旅日記†

次に御紹介する、South Ferry駅で出会ったM15系統は、少しばかり特殊な路線です。
まず、Select Bus Serviceの導入路線ということ。
MTAの運行するバス・ラピッド・トランジットの名称で、バス専用レーンを走行し、事前にバス停に設けられた券売機で乗車券を購入して乗り込む信用乗車方式となっているそうです。
日本でもありますよね、渋滞を横目に専用レーンを走る路線バスって。
レーンへの一般車進入禁止や、きちんとお金を払って乗ることが守られているのか、興味深いところです。
現在、4路線が運行され、M15系統はその1つなのです。

更には、連接バスによる運行と言うことです。
日本でも、昔はつくば博、首都圏では千葉県の幕張などで見かけます。
僕は、乗ったことなかったような気がするのですが。

この連接バス、なかなかスマートな車体ですよね。
なんか欧風な雰囲気を漂わせている気がします。

$†ごんたのつれづれ旅日記†
$†ごんたのつれづれ旅日記†
$†ごんたのつれづれ旅日記†
$†ごんたのつれづれ旅日記†

North Boundの連接バスのSouth Ferry駅からの発車シーンと、やってきたSouth Boundの連接バスのすれ違いシーンです。
連接バスが交差点を曲がる時って、どこか絵になるような気がします。
運転手さんは感覚をつかむのが大変だろうなあ。

下の写真は、同じM15系統でも、いかにもアメリカ風の無骨でちょっぴり旧型の連接バスです。

$†ごんたのつれづれ旅日記†
$†ごんたのつれづれ旅日記†
$†ごんたのつれづれ旅日記†

連接バスが長い横っ腹を見せて角を曲がっていく姿は、なかなか迫力がありますよね。
M15系統は、北行が1st Ave.をたどり、国連本部前を通ってハーレム・リバーに突き当たる125th St.まで行きます。
南行は2nd Ave.を南下します。

国連本部近くを通る路線はもう1本あり、ハドソン川に面した港の観光船サークルライン乗り場を出て、42nd St.をひたすらたどってマンハッタン島を横断し、国連本部前に達するM42系統です。
下の写真は、ポート・オーソリティバスターミナルの近くで撮影した、芋虫のようなM42系統です。

$†ごんたのつれづれ旅日記†

下の写真は、South Ferry駅で撮影したM5系統です。

$†ごんたのつれづれ旅日記†

この路線は、なかなか大した路線で、マンハッタンの北端に近い178th St.とBroadwayの交差点にあるワシントン・ハイツから、はるばる南の端のSouth Ferry駅まで、5th Ave.とBroadwayを主体に南下、北行きは6th Ave.を経由します。
ほぼマンハッタン全島を縦断する長い長い系統なんです。
この路線でニューヨーク見物、というのも洒落ていたかもしれませんね。

$†ごんたのつれづれ旅日記†

上の写真は、夜のMarcyデパートの前、34th St.で撮影した正体不明の1扉大型バスです。
MTAではないようですが、写真がボケてしまい車体の文字が読めません。
MTAの急行バスに似た車両を使っていましたけれど、貸切バスでしょうか?
それとも、MTAと提携した事業者の、他地区から来た急行バスでしょうか?

$†ごんたのつれづれ旅日記†
$†ごんたのつれづれ旅日記†

ホテルペンシルバニアの北側の33rd St.には格安長距離バスの停留所があると、先日御紹介しましたが、南に面した32nd St.は、なぜか、系統番号や行き先表示を消した非営業の路線バスが待機する通りになっていました。
僕にとっては、絶好の撮影場所だったのです。
ここでも、一般の路線バスだけでなく、急行系統に使われる大柄な1扉3軸のバスを見かけました。
僕らが乗った路線バスは、固いプラスチック製の座席で、横向きのシートなどもありましたが、急行に使われるバスは座席も観光バスと同じように見え、座り心地が良さそうでしたね。

$†ごんたのつれづれ旅日記†
$†ごんたのつれづれ旅日記†
$†ごんたのつれづれ旅日記†
$†ごんたのつれづれ旅日記†

さて、ここからMTAの路線バスとは違うバスの御紹介です。

下の写真は、New York Airport Serviceの空港リムジンバスです。

$†ごんたのつれづれ旅日記†
$†ごんたのつれづれ旅日記†

大柄で1扉の車体は、長距離バスやMTAの急行バスと似通っていますが、アメリカの大型バスにしては珍しく後輪が1軸なので、なんとなくのっぺりした外観です。
この2さ軸の大型車両が、ニューヨークのリムジンバスの特徴のようです。
ポート・オーソリティバスターミナルや、ホテル・ペンシルバニアの近くの34th St.で見かけました。

下の写真のバスは、ホテルの南側の32nd St.に停車していた、何となく怪しげな雰囲気の真っ黒な小型バスです。
「GOLDEN TOUCH」と書かれたロゴは、どこか中華風?
この会社は、ニューヨークからニュージャージー州にかけて、バス、ワゴン、リムジン、セダン車などによる貸切輸送と、空港の送迎を行っているようです。

$†ごんたのつれづれ旅日記†

下の写真は、ホテル・ペンシルバニアの真ん前で団体客を降ろしている「TRIUS」の貸切バス。
カナダの、合衆国との国境にあるNew Brunswickに本社を置き、元タクシー会社が発展して貸切バスやトラック運送業などを行っているようです。

ということは、このバスはカナダから遙々やってきたんですねえ!──お疲れ様です!

国際都市、ニューヨークならではの光景でしょうか。

$†ごんたのつれづれ旅日記†
$†ごんたのつれづれ旅日記†

下の2枚の写真は、ポート・オーソリティバスターミナル近くの路上で見かけた「SPHINX」の貸切バスです。
ニュージャージー州Ridgefieldに本社を置くバス会社で、ニュージャージー州とニューヨークを結ぶシャトルバスを運行している、とネットに書かれていますが、HPはヒットしません。
ただ、上の写真のこぢんまりとした真っ四角な小型バスと、アメリカのスクールバスと似たボンネットバスの2種類の対比が面白く感じました。
どちらも、70年代の映画に出てきそうな、レトロな車両です。
それにしても、同じバス会社が、こんなに違うバスを用意するなんて。

$†ごんたのつれづれ旅日記†
$†ごんたのつれづれ旅日記†

最後に、ニューヨーク市内観光のバスを御紹介します。
ニューヨークのはとバスですね。
赤と青の2種類のバスを見かけましたが、違う会社なのかどうか判然としません。
どちらも、屋根のない2階建てバスを運行していましたが、11月末のニューヨーク観光は、あの車両ではちょっとばかり寒くないんですかねえ?

$†ごんたのつれづれ旅日記†
$†ごんたのつれづれ旅日記†
$†ごんたのつれづれ旅日記†

上の写真は赤色の2階建てバスで、「SightSeeing NY」と大書してあります。
下の写真は青色の観光バスで、「CitySight NY」と書かれてありました。
ニューヨークの見所をループし、チケットを買えば乗り降り自由、といった運行のようです。
ホテルの前の路上でも、係員さんが客寄せをしながら乗車券を販売していました。

$†ごんたのつれづれ旅日記†
$†ごんたのつれづれ旅日記†

さて、いかがでしたか、皆さん。

前回は長距離バスを中心に御紹介させていただきましたが、今回は地道に、都市交通を担う路線バスを中心に取り上げてみました。

それでも、なんと個性的なバスたちなんでしょうか!

眺めているだけで、充分にアメリカに来た実感が湧いたバスの数々……ホント、写真を撮っているときは幸せな気分でした。


↑よろしければclickをお願いします m(__)m