ガンダム基礎知識①なぜジオンは独立戦争を始めたのか | サイド3 ~charからのメッセージ~

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こんにちはcharです。

 

ガンダム初心者の方に基礎知識を教えてほしいとの依頼を受けました。過去記事を若干変えて再投稿します。

 

 

 

 

今回はガンダムネタです。

記念すべきガンダムシリーズ第1作目「機動戦士ガンダム」は地球連邦軍とジオン公国軍の戦い、「一年戦争」が舞台となっています。

これはジオン公国軍が地球連邦軍に対し宣戦布告した「独立戦争」であり、宇宙世紀0079.1月3日開戦、翌0080.1月1日に終結した、約1年間に渡って行われた戦争です。

 

 

 

では、なぜジオンは独立戦争を始めたのか?

 

 

 

地球は総人口が90億人を突破し環境破壊は深刻なものとなっていました。この時の地球は国連の承認によって 統一国家「地球連邦」となっていました。地球連邦とは、全世界が統一された統合国家の形であり、その政治中枢を司るものとして地球連邦政府は存在しています。90億を超えた人口問題や環境問題を解決すべく、地球連邦政府はある解決策を打ち出します。

 

 

 

「宇宙移民計画」

 

 

 

人口増加による環境破壊を阻止し、地球の環境を回復させる為に人類を宇宙に作った人口の大地「スペースコロニー」に移住させ、地球の人口を減らすという強引な計画です。

 

 

しかし、地球の環境悪化は深刻で、このまま住み続けることは無理に近いという共通認識があったので、人々は従いました。

人類がコロニーへ移民を始めた年を宇宙世紀元年として、地球に土地を持たない貧困層や低階級の人々から強制的に移民が開始されました。宇宙移民者達は、多大なストレスを抱えながらも時代の流れや地球環境の現実には逆らう事は出来ず、少しずつではありますが宇宙移民計画は順調に進んでいきました。

 

 

宇宙移民が始まってから50年後、人類の総人口は110億を突破、そのうち90億人がコロニーの住民となっていた時、地球連邦政府は宇宙移民計画を中止してしまいます。その理由とは・・・

『宇宙に人を移住させるには莫大な費用も掛かり、地球連邦政府の都合上、政府の運営と地球の環境管理をするに当たり20億人の残留は妥当である。』 という事らしい。

 

 

しかし、この時地球に残っていた人は金持ちなどの富裕層、連邦政府高官、特権階級の人たち、そして不法滞在者。

当然、先に移民を余儀なくされた人々は、理由と状況に違和感を覚えます。「なんだか、おかしくね?」

 

 

《地球連邦政府は、50年もの歳月に渡り宇宙移民計画を進めてきましたが、この計画中止の真意は、その長い歳月により宇宙移民計画の目的が薄れ、移民者の今後の取り扱いとビジョンを見失い、事実上 宇宙移民計画を放棄してしまったのです。》

 

 

 

これが本当の理由。

 

 

 

しかもスペースコロニーには自治権がありません。地球連邦政府が行政を握っており、産業政策、貿易条件などは地球側に有利になるように定められました。宇宙移民者たちは、地球連邦政府から上から目線で管理されていくのです。

地球連邦政府は宇宙移民計画開始から50年の間に真の目的を見失い、宇宙移民者の自由を制限し、私欲に走ながら立場と権力で物を言う腐敗した組織へと変貌してしまいました。

 

 

宇宙移民者は、多大なストレスを抱えながらも移住した上、スペースコロニーを建設し水や空気、食料まで作り出さなくてはならない(地球から多少の援助はあったが)環境におかれているにもかかわらず、地球を独占し やりたいようにやっている地球連邦政府から管理されるとは 一体何で?

宇宙移民者は宇宙移民計画という名の下に、ただ単に地球から追い出されたんじゃね?

地球連邦政府に対しこの様な不満や疑念が日々蓄積していきます。 コロニーを植民地と見なす地球の強権的な支配を拒絶し、自治権を求める運動が沸き起こってきます。

 

 

中でも一番激しく自治権請求運動が展開されたのは、月の裏側に浮かんでいるサイド3。サイド3は地球から最も遠い場所に位置していることもあり、地球の物資は高騰し、連邦政府の重税が住民を苦しめていました。

 

 

宇宙世紀0058、この運動の指導者ジオン・ズム・ダイクン(シャアの父)
は、地球と対等な関係を築くには国家として独立するしかないと考え、サイド3の民衆から圧倒的な支持を受け、武力闘争ではなく、あくまでも外交によって連邦政府に和国を承認させ、最終的にはサイド3のみならず、宇宙移民者全体の自治権を確立しようと外交活動に尽力しました。

 

※ジオン・ズム・ダイクン

シャア・アズナブル(キャスバル・レム・ダイクン)と

セイラ・マス(アルテイシア・ソム・ダイクン)の父である。

 

 

ジオン・ズム・ダイクンの意見に共感する人は多く、その結果サイド3に引っ越してくる人が増え、共感する同士を集めて地球連邦からの独立に向けて活動を組織的に行い、ついにサイド3の独立を宣言し、

ジオン共和国としました。首都は「ズムシティ」といいます。ダイクンのミドルネームが首都名となっています。

 

 

しかーし、地球連邦政府がそんなこと許すわけがありません。

地球に残った 地球連邦政府高官、金持ち、特権階級の人たちは宇宙移民計画を放棄。その上、自分達が人類の中でも選ばれた人種と思い込みながら地球に住む事が当然の権利の様に振る舞い、宇宙移民者たちを見下して生活していました。

地球を私物化している状況を知りながら、宇宙での生活を強いられた宇宙移民者たちにとっては屈辱としか言いようがありません。

しかも宇宙移民者が住むスペースコロニーに対し経済制裁と、軍事圧力まで掛ける始末!まったく、クズだな・・・連邦め!

 

 

何とか穏便に解決・和解しようとしたジオン・ズム・ダイクンでしたが平和的解決に向かう訳もなく、議会の檀上にて突然倒れ、そのまま死亡してしまいます。

宇宙移民者独立の象徴 ジオン・ズム・ダイクンの死亡・・・

宇宙移民者が落胆の一途をたどる中、ある一人の人物が台頭します。

彼の名はデギン・ソド・ザビ。

彼はジオン・ズム・ダイクン亡き後、共和国制を辞め、ジオン公国とし、公王に即位します。

 

※デギン・ソド・ザビ

 

 

デギンは、軍備拡大こそが地球連邦政府への最大の抑止になると考えていました。その考えに賛成する者も多く、ジオン・ズム・ダイクンのような平和的解決を求める温厚派閥と別れ、それらと対立する様な立場にいました。

ダイクンとデギン、ジオン共和国はこの2大派閥に分かれていました。

 

 

ある日、議会の檀上で突然倒れ、そのまま死亡したダイクン。

宇宙移民者が落胆と失望の一途をたどる中、デギンは このような発表をします。

 

 

「ジオン・ダイクンは、宇宙移民者の独立を嫌う地球連邦政府によって暗殺された!」

 

 

強制的に宇宙移民させられ、上から目線で地球連邦政府に管理され、ただでさえ我慢の限界に来ていた宇宙移民者たちは一気に怒りを爆発させます。このエネルギーは、ダイクンから後任として指名されたデギンへの支持に変わり、思惑であった軍備拡大はダイクンが暗殺された事による宇宙移民者の怒りのエネルギーが後押しする形ですんなりと実行に移されました。

こうして、ジオン共和国はジオン公国となり、軍備拡大路線へ、戦争へと突っ走る事になるのです。

 

 

しかし、ジオン・ズム・ダイクンの暗殺を企てだのは、デギンたちザビ家であると言われています。デギンは、このダイクンの暗殺を、地球連邦政府が仕向けた宇宙移民者独立の妨害目的の暗殺というストーリーを作り上げ、主権独立のシンボルを失った宇宙移民者の怒りをデギンに対する支持に塗り替え、一気にジオン公国を乗っ取ったのです。

 

 

そして宇宙世紀0079、ジオン公国は地球連邦政府に宣戦布告し独立戦争に突入しました。人類が宇宙に移住を始めて79年目、そしてジオン建国から21年目にして、ついに自治権を求める宇宙移民者と、それを弾圧する地球連邦政府との間に人類史上最悪の戦いの火蓋が切って落とされたのです。

 

 

一般的に地球連邦政府【善】 ジオン公国【悪】

と認識している方が大半だと思いますが、善と思われていた地球連邦政府が実は腐敗しきった組織であること、悪と思われていたジオン公国(スペースノイド)は長年にわたり地球連邦政府の圧政に苦しみ独立を唱えていたこと。

今回の記事で見方が変わるのではないでしょうか?

 

 

これがガンダムにおける基礎中の基礎知識です。

この戦争終結後も、地球連邦政府と宇宙移民者(スペースノイド)の争いは永遠に続いていくことになるのです。

 

 

今回紹介した記事内容は作品の中で語られることはありませんでしたので、なぜこのような戦争が起きているのか、戦争の原因は何か、ハッキリとしない方が多いでしょう。次回もガンダム基礎知識を書きたいと思います。