【追悼】中村哲さん、アフガンに逝く | 宇宙の森探索

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本当に言葉がありません

中村哲さん

どうか
安らかにお眠り下さい



キラキラ



中村哲さんの人生と
この度の突然の死を思うとき
なんとも言いようのない虚しさを
覚えてしまうのは
おそらく
僕だけではないはずです

人はいつか必ず死ぬのに
なぜ
生きなければならないのか?

この根源的な問いに用意された
山ほどの模範解答など
僕には興味がないのです

人はなぜ生きるのか?

いつの日か必ず訪れる死を知りながら
私たちは今日を生き
明日を迎える為に
疑うことなくまた眠りに落ちる

人はなぜ生きるのか?

10年ほど前
『バベル』という映画を観た

ある映画レビューサイトにおいて
レビューリクエストを頂いた為なのだが
明らかに自分好みの作品ではないと
分かっていながら
3時間を超える大作を観るのは
正直苦痛であった
しかし
見終わったとき
僕はある種の気づきに打ちのめされている
自分を発見することになる

そこに描き出された人々の
それぞれの人生
オムニバス形式で紹介された3つの物語に
関連は全くない
そして
その一つ一つの物語から
深い意味を受け取ることも
相当に難しいと僕には思えた

そうであるにも関わらず
僕はある感慨に打たれ
喉の渇きを抑えられなかったのだ

僕の感じた思いは単純である

人間とは

人間とは

なんて孤独な生き物なんだ‼️


人はなぜ生きるのか?

この作品で
ろうあ者の女子高生を演じ
新人女優賞を獲得した菊池凛子の演技は
たしかに
見事なものだった

けれど
そういったことより
登場人物たちすべてが
それぞれの人生を必死に誠実に死に物狂いで
生きていること
それ自体が
まるで恐ろしく精密なカラクリに操られる
哀れな人形に見えてきて
つらいのだ

それは
何者かの底意地の悪い計略のように
人々の人生を弄んで飽きない

人間とは
どれほどの成功をおさめ
夢を叶え
愛を得ても孤独である
人間とは
孤独ゆえに
人間であり続けるのではないのか?


人はなぜ生きるのか?

遠藤周作の小説『深い河』の
主要登場人物の一人に
冴えない神父がいる
容姿も頭脳も生き方も
何もかもパッとしない彼は
青春期の
たった一度だけの性愛体験を
生涯において胸深くいだきながら生き
そして死んでいく

ガンジス川の腐臭ただよう泥水につかり
彼はガンジスを目指して集まった
夥しい巡礼者の群れに押しつぶされて
息を引き取る

これでいい
僕の人生はこれでいい

彼は
誰に伝えるともなく
そう言って死んでいった

人はなぜ生きるのか?

中村哲さんの人生は
中村さんだけの人生だ

アフガンに対する彼の貢献は
この先ますます評価され
その事業は継続されていくだろう
だとしても
中村さんの人生は
彼だけの人生である

アフガンに生き
アフガンに散った中村哲さんは
どこに生きて
どこで死んでも孤独である

私たちは絶対的に孤独である

神が在っても無くても
死後の世界や前世や生まれ変わりが
有っても無くても
そんなことはどうでもいい

この世界に同時期に生きていながら
私たちはほとんどの他者と
知り合うことは出来ない
絶望的に
私たちは知り合えないまま死んでいく

一つだけ
それでも希望があるとすれば
それは
知り合うことのなかった他者の生涯に
僕たちは
感動することが出来ること

震えること

共鳴すること

誰か知らない人のために
祈ること

神など必要なく

僕たちは
孤独に生きて
孤独に幸せである





中村哲さん
ありがとうございました

さようなら




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月光