今宵、詩人の歌を聴いてみませんか? | 宇宙の森探索

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風ノ意匠サスケの変態ブログ



遠くからでも見える人

って

いったい
誰なんですかね?

僕には
今もそれが分からないんですよ

今宵
みなさんも

僕と一緒に
考えてもらえませんか?






こわれてしまった一日


作詞・曲 ・歌    友部正人


あなたの事をこう呼びましょう

遠くからでも見える人

夜の夜中にやってきて

そうして笑って僕を見ている


僕は夜明けを待つ患者です

胸には名札をつけています

ここは窓の無い部屋なのに

あなたはどこからやって来たの


ひっそりとした夜の町は

エンジンを切ったオートバイ

それとも誰かがふたを開けて

弾くのを待っているピアノ


御徒町のプラットホームに

一番列車が来る前に

水飲み場という月夜のピアノで

ハラハラ夜明けを奏でてよ


どこかの国が打ち上げた

グランドピアノの人工衛星

地球の裏側のジャングルで

ふたを開けて笑うオルガン

馬小屋でキリストが生まれた夜に

三人の男がやって来た

馬小屋にあったというピアノで

新しい夜明けを奏でるために


時間の止まった世界の中を

あなたはカラコロ歩きまわる

夜明けを一時間だけ行き過ぎて

夜のままで止まった世界を

世界中の時計を一時間戻し

あなたはベッドにもぐりこむ

おやすみ

こわれてしまった一日と

遠くからでも見える人











しかし

森山直太朗くん

ホントに歌うまいねえ(笑)





永瀬清子

あけがたにくる人よ


あけがたにくる人よ
ててっぽっぽうの声のする方から
私の所へしずかにしずかにくる人よ
一生の山坂は蒼くたとえようもなくきびしく
私はいま老いてしまって
ほかの年よりと同じに
若かった日のことを千万遍恋うている

その時私は家出しようとして
小さなバスケット一つをさげて
足は宙にふるえていた
どこへいくとも自分でわからず
恋している自分の心だけがたよりで
若さ、それは苦しさだった

その時あなたが来てくれればよかったのに
その時あなたは来てくれなかった
どんなに待っているか
道べりの柳の木に云えばよかったのか
吹く風の小さな渦に頼めばよかったのか

あなたの耳はあまりに遠く
茜色の向こうで汽車が汽笛をあげるように
通りすぎていってしまった

もう過ぎてしまった
いま来てもつぐなえぬ
一生は過ぎてしまったのに
あけがたにくる人よ
ててっぽっぽうの声のする方から
私の方へしずかにしずかにくる人よ
足音もなく何しにくる人よ
涙流させにだけくる人よ





これ
永瀬清子さん83歳の詩なんですよ

驚きませんか?
なんという瑞々しさ‼️

胸の高まりと
痛さと
あきらめと
そして
ずっとずっと
抱きしめてきた思い


友部正人の
「こわれてしまった一日」を聴くと
僕は永瀬さんのこの詩を思い出すんです
友部正人の曲より2、3年前に発表された
詩集なんですが
詩人でもある友部は
もしかしたら
この作品に感応したんじゃないのかな?

これは
僕の勝手な思い込みなんだけど

僕は若い頃
幸運にも
永瀬清子さんと
友部正人さんにお会いしたことがあって
それはちょうど
永瀬さんの詩集が出版された年で
「こわれてしまった一日」は
まだ世に出てなかったんです





そんな話はいいか(笑)



それでは
明日からまた一週間の始まりですね

みなさま

おやすみなさいませ

サスケでした
٩( ᐛ )و




キラキラ



真夜中にゴソゴソ来る人よ