「光と闇が交わる時」 | 神即〈いのち〉、〈いのち〉即感謝 

神即〈いのち〉、〈いのち〉即感謝 

神とは〈いのち〉であり、それへの感謝が信仰だ。あらゆる違いがあっても、それは闘争の理由とはならない。我々は等しく〈いのち〉を生きているからだ。その理解こそが、新しい文明の思想軸となる。

 高齢の中国人女性が弘法護摩を受けられた。すると、ご両親の悲しみが鮮烈に浮かび上がってきた。かつて大学教授でもあり、国民党の有力者でもあった父親が、共産党の策謀のために失脚されたという。母親も文化大革命以降、行方不明のままらしいが、不遇の死を迎えられたようだ。当時、エリートほど悲惨な人生を送ったと聞いているが、その当事者が「ありがとう寺」にたどり着かれたのは不思議な運びだ。黄金時代と暗黒時代の双方を体験された両親の無念さが現れたのか、護摩の炎が途中で完全に消えてしまった。その後、炎は復活し、大きく立ち上がったが、そういう両親をもつ彼女の生きざまを弘法大師は「一直線に生きてきた」と讃えられた。ふつうの人間では体験しないような光と闇が護摩の炎の中で交叉したようだが、護摩終了後も彼女の涙は暫く止まらなかった。護摩913回 直近の予定はHPのイベント欄を御覧ください。「弘法護摩&オンライン」は随時受付中。町田宗鳳 | ありがとう禅 (arigatozen.com)