高齢で亡くなられた男性の三周忌護摩を焚かせてもらった。お孫さんの一人は、ベルリンからズームで参加された。妻・娘・孫に囲まれた幸せな供養だったが、なんと弘法大師までが「ワシも太鼓を打って、祝いたいぐらいだ」と登場してきたのには驚いた。ご本人は「すでに奥殿にいるが、仏道修行に終わりはないので、これからも精進するよ」と家族に伝えられた。生前の正直な生き方が、そういう結果を招いたのだろうが、やはり拙著『死者は生きている』(筑摩書房)に書いたとおり、亡者はあの世でも進化し続けるのだ。そのためにも、残された家族の追善供養は欠かせない。睦まじかったのは、少女時代の孫たちが何かの稽古に励む光景を懐かしんでおられたことだ。こちらは何のことか分からないかったが、後で聞けば、彼女たちは空手をやっていたそうだ。護摩の炎の中では、時間も距離もまったく意味をなさないことを改めて思い知らされた。【護摩909回】 直近の予定はHPのイベント欄を御覧ください。「弘法護摩&オンライン」は随時受付中。町田宗鳳 | ありがとう禅 (arigatozen.com)