ダルクローズのリトミック | 風の子ぷてぃぱ ~風の子ジャックリトミック教室 講師の日記~

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何をもって「リトミック」と呼ぶかを考えた時、私は指導案の内容に「DaicrozeSubjects(ダルクローズサブジェクト)」が組み込まれているかで判断します。ダルクローズは音楽のメカニズムを分析し、これらの課題を学ぶことによって、音楽の構成や仕組みが明確になると考えました。
私のようなひよっこリトミック講師でも、インチキは指導したくないと常に思っています。

巷には「リトミック」という言葉が溢れていますが、その中で「ダルクローズサブジェクト」を考えたプログラムを行っているところが、どれだけあるのかと疑問に思います。
幼児が行える課題は限られているのですが、何も知らない方が「リトミック」と称する「音楽あそび」に参加し、ただ音楽がかかり、踊っているのが「リトミック」だと勘違いされてしまうのは、大変残念なことです。
「音楽あそび」が悪いと言っているのではありません。特に幼児にこなせる「ダルクローズサブジェクト」は限られていますから、音楽あそびも取り入れ、いろいろな音楽に触れ、親しんでいくことも大切なことだと考えています。

ですが、リトミックを行っていくうえで重要な「即時反応」を無視し、出来合いのCDや柔軟に対応出来ない音楽で動き、「リトミック」と称するのも、ダルクローズの考えた「リトミック」とは異なるように思えます。

「ダルクローズサブジェクト」は、①Follow(音楽に従って動く)②QuickRespons(即時反応)③Canon(カノン)④PlastiqueAnime(プラスティックアニメ)の4つのプロセスを経て学んでいきます。
「即興演奏」は「即時反応」を行うためにも必要で、リトミックの3本柱(①リズム運動②ソルフェージュ③即興演奏)の1つになっています。
そのためリトミック指導者を志す場合、必ず「即興」を学びます。1つのモチーフを、課題や生徒の反応に合わせて、その場で自由にアレンジ出来なければ、本当のリトミックレッスンを行うことは出来ません。
リトミック講師は、ダルローズサブジェクトの1つ1つを身体を動かしながら学び、同時にそれらを学ぶための即興力もつけていかねばなりません。
「1日でリトミック指導が出来るように講習して下さい」という依頼を受けることがありますが、「リトミックを体験することは出来ても、残念ながら1日で指導出来るようになるのは難しいです」とお答えしています。

生徒さんは、遊んでいる感覚で良いのですが、指導者側はしっかりと音楽の諸要素と結びつくレッスンを行っていく必要があります。楽しさは必要ですが、本当に良いレッスンは、音楽の基礎能力をしっかり培いつつ、楽しいと感じさせるものであって欲しいと思います。

それから、もう1つ。ダルクローズは音楽のスキルで最も重要なものは「聴く力」だと考えていました。
私は、相手が幼児であろうと大人であろうと、リトミックのレッスン中は「聴くこと」にしっかりと意識を持っていただきたいと考えています。ですので、レッスン中、聴かなければならないシチュエーションでのおしゃべりは「聴いていなければ失敗するよ」と、声がけしています。お母様は聴くことの大切さを、お子様に身をもって示して差し上げてくださいね{%クローバーwebry%}

学ぶことも大きい分、簡単ではありません。

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