音楽を専門的に学ばせたいと考えた場合、何をどのように勉強させるのがよいかと悩みますよね。私は、テクニックの習得以前から、音楽的感覚や音を捉える鋭い耳、繊細で豊かな感性を育む経験や、感じ取ったこと考えたことを自由に表現出来る身体のコントロールを学び、知的に理解出来るようになる年齢なってからは、音楽を理解するためのアナリーゼや、楽典、和声学と結びついたソルフェージュをしっかりと学んで、それらと一致させる必要があると思っています。
特に「一人オーケストラ」と呼ばれるピアノの場合、楽譜から読み解いて、作曲家の意図を汲み、構成が出来るようになり、解釈が加えられるようになって、それを自分の持っている耳とテクニックで表すことで、初めて演奏者のカラー(個性)が出せるのではないかと思うのです。
テクニックなしに表現することは出来ないのですが、優れたテクニックがあったとしても、楽譜を読み解くことをせずにただ感覚や感性だけで弾くのでは、聴衆の共感を得られない支離滅裂な演奏になるし、あるいは、ただの人マネの演奏では、説得力に欠ける不自然な演奏になってしまうように思えます。
私はホルン専攻でしたが、リトミックの先生から「本当の音楽家なら、音楽全体の中で自分が今何を担っているか(和声も)把握しているはずだ」と言われました。単音楽器であっても、自分の音ばかり聴いているわけにはいかず、全体に耳が届き、自分の音が担っている役割を認識しながら、耳を使い、瞬時に、最適なバランス、求められる音色やニュアンスで、最も美しく相応しい響きのするところを探り当てていく必要があります。
「その目覚まし時計{%目覚まし時計webry%}をきちんと鳴らしたいのなら、ただ電池を入れたり、針を揃えたりするだけではダメそうよ。全部分解して、仕組みを見ながら組み立て直してごらんなさい」
私は、リトミックや即興、ダルクローズソルフェージュを学びながら、そんなこと(音楽の仕組みを理解するすることの大切さ)を教えられているような気がするのです。
指導案作りもまた然りで、音楽の仕組みを理解し、それを子供のために噛み砕いて、自分で考えて組み立ててこそ、指導のポイントやプログラムの面白さを子供たちに伝えることが出来るのだと思っています。
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