これまでに7つの街で暮らした
それそれの街には
独自の色や音や匂いがある
長かった街
短かった街
それぞれの街は
いい思い出だけではないけれど
まぎれもなく
今の自分を形作る要素である
- 渋谷に里帰り (新潮文庫)/山本 幸久
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これまでに7つの街で暮らした
それそれの街には
独自の色や音や匂いがある
長かった街
短かった街
それぞれの街は
いい思い出だけではないけれど
まぎれもなく
今の自分を形作る要素である
小さいころの写真では
必ず仮面ライダーのポーズをしていた
小学校の作文では
宇宙を旅した
中学生では
洋楽ばかり聴いていた
高校のころは
POPEYEとHOT DOG PRESSが愛読書だった
大学では
夜の街が居場所だった
働くようになってからは
車や海外旅行のカタログを集め
今は
南の島で悠々自適に暮らしたい
憧れは
夢であり、目標であり、動機であり
時とともに
形や意味が変わり
現実となり
現実にはほど遠く
でも、いつまでも憧れを持ち続ける
謙虚な人でありたい
カーブが好き
はじめての道で
その先に
予期せぬ風景が広がったとき
つづら折りの道で
フロントガラスの外を
めぐる景色
ハンドルを1ミリも
修正することなく通過する
絶妙な曲がり具合
地平線のその先まで伸びる
まっすぐな道にも
魅力はあるが
カーブすることで
次を感じることができる