紙の匂い -4ページ目
息で声帯をふるわせて発する音
筋肉で口腔の形を変えると
音の高さも変わる
その音が連続すると何かが生まれる
人間は他人に何かを伝えたい生き物である
特定の音のつながりは
長い時間をかけて言葉となり
目に見えるものから見えないものまで
手に触れるものから触れないものまで
伝えたいという情熱が
すべてを言葉に置き換えていく
この先も何度でも
バベルの塔を建てて神の怒りに触れようとも
言葉という道具を
手放すことはないだろう
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今週末は市内の三社による
四年に一度の例大祭だった
法被を着た男衆と女衆
刺青を背負った世話役たち
初詣くらいでしか行かない
神社の境内で奉納される神楽
道々にぶら下がる御祭禮の提灯
祭りのために臨時休業する店々
露店から漂うジャンクな匂い
縁起物という理由で昼間から飲むお酒
「マエダ!マエダ!」の掛け声とともに
練り歩く20基近くのお神輿たち
少なくとも県内の神様たちは
今週末はみんなこの街に出張だっただろう
街とは建物や道路や鉄道が作るものではなく
人間が作っているものだということが実感できた
祭りがある町に住んでいて幸せだ
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動物園が好きだ
万物の霊長たる人間の
エゴと残酷さを
最も具現化した場所ではあるが
彼らの眼差しは悲しげではあるが
しかし
彼らを間近に見て
彼らの息遣いを感じ
彼らの臭いを嗅ぐことで
本来の暮らしや
その姿かたちの意味を想像し
時に圧倒的な畏怖の念を抱き
時に否応なき和みを感じる
そんな動物園が好きだ
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