養護老人ホーム問題の連載からです。入居者との契約になる特養とは違い、措置費(公費負担)による施設です。地方財政が厳しいなかでのある意味「最後の砦」が困難を極めているという。
「最後の寄る辺で 養護老人ホーム 中
定員減進み、細る受け皿
後がない人の受け皿となる 養護老人ホーム。行政の措置控えは財政難だけでなく、「最後の選択肢」との意識が強いことにもある。 九州で1人暮らしをしていた60代男性は糖尿病の影響で 足が動かず、ベッドで排せつするほど状態が悪かった。はうようにタクシーに乗り、店で買う弁当が頼り。月11万円ほどの年金は病院代や食費、 交通費で消える。月3万円台 の家賃も半年以上滞納していた。 ある日、自治体の窓口で生活保護を受給できないか相談した。ここから、複数のセーフティーネットのはざまで苦しむことになる。
関係者によると、男性から話を聞いた生活保護のケースワーカーは、歩行が難しく健康管理や食生活にも難があるため、養護老人ホームへの入所措置が適当と考えて担当部署に連絡。措置担当の職員は「養護老人ホームは最終手段。まずは介護保険サービスを使うべきだ」と回答したという。
ケースワーカーが次に地域包括支援センターに相談したところ、要介護度が低いため 受けられる介護保険サービスが限られるとして、やはり措置が望ましいと一致した。両者で措置担当部署に「介護保険だけでは救えない」と訴え、検討してもらえることに。男性が窓口に来てから約1カ月が過ぎていた。 しかし、自治体が措置するかどうかを判断する入所判定 委員会はさらに1カ月後。男性に年金が入る日も1カ月後 だった。数日は水だけでしのいだが、たまらず119番して救急搬送された。今は措置が決まり、養護老人ホームで暮らす。
ホームの職員は「入所できてよかった。少し遅かったら命の危険があったと思う」と胸をなで下ろす。
生活保護と介護保険サービス、養護老人ホーム。法も役割も異なるセーフティーネットの中から何を選ぶか。公金が絡むだけに、自治体も慎重になっている。
こうした影響で養護老人ホームは入所者が減り、運営の厳しさが増している。(略)
運営の厳しさから、入所者の定員を減らす養護老人ホ一ムも出ている。
福岡県にある別のホームは20人分を減らした。近年は定員割れが続き、今いる入所者 もいずれ高齢化して亡くなっていく。新たな入所措置があるかは分からず、古くなった 建物の修理にも資金が必要と いう。男性施設長は「やむを 得ない決断だった」と明かす。(以下略)」(2019年3月6日西日本新聞)
100兆円を超える予算の中には公共事業投資も多いという。支援できないことはないと思うが。
