![イメージ 1](https://stat.ameba.jp/user_images/20190604/21/kazcut/85/ad/j/o0478064014427689261.jpg?caw=800)
門倉 訣 詩
鈴木たくま 画
2001
日本図書センター
こんな絵本があること、まったく知りませんでした。
しかもこれが実話だとは・・・・・。
1977年の米軍機墜落事故での悲劇を、絵本にしたもの。
沖縄の米軍基地をめぐって、いろんな議論がある最中で、もちろん大問題なんでしょうが、
不勉強なのでここでそのことについて意見するつもりはありません。
ただ、この絵本を読んでみたら、心を揺さぶられずにはいられない。
![イメージ 2](https://stat.ameba.jp/user_images/20190604/21/kazcut/ee/d1/j/o0640047814427689292.jpg?caw=800)
その民家にいた母子が重傷を負います。
そこだけでも問題なのに、その後、
救助にきたヘリは、こともあろうにパラシュートで無事に
落下した米軍兵を救助。
その後も事件の証拠隠しとも思えるような事故調査。
母子の救助が後回しになったというのです。
病院で息をひきとった幼い二人の兄弟が最後に口にした言葉が
「パパ、ママ、バイバイ」
大やけどを負ったお母さんも、何度もの皮膚移植をされ、一時外泊もできるほど
回復されますが、事故から4年4カ月でお亡くなりになりました。
この事件を知った作者が、事件のあらましと、子どもたちの最後の様子、
大やけどを負ったお母さんのこと、自分自身の動揺や怒りを描き、
そこに、子どもたちの死に思いをはせた門倉さんの詩が入っています。
絵本としては相当長いのですが、私は読むのをやめられなかった。
あまりに不幸で悲しい事件。
1977年は、私がまだ2歳ですから、事件について覚えているはずはありません。
でも、これだけの事件を知らないまま、それこそ沖縄の基地問題について
ニュースを聞きかじっただけでどうこう思っていたなんて。
長男も話の概要を聞いてショックを受けていました。
未読の方、是非読まれたらいいと思います。