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ちょんまげインプの部屋

いらっしゃいませ、変態(いろんな意味で)の部屋へ。
これであなたも立派な変態。
今後ともどうぞよろしくっす。

(以前、ちょんまげのついたインプレッサに乗っていたのでこんなタイトルです)

一昨年、社会人になってからの友人が亡くなりました。

ガンでした。

同じ会社で、部署も専門も違ったのですが、たまたま一緒になった研修会で知り合い、同じクルマ趣味、しかも同じインプレッサということで、急に仲良くなった奴でした。

もともとはFRでドリフトをやっていた奴だったのですが、「馬力当たりの値段が最も安い」というめちゃくちゃ合理的な理由でGC8インプを買い、ワシもそいつの指導を受けて自分で車いじりをするようになったのです。

まあソイツも結婚を機に車をファミリーカーに乗り換え、一緒につるんでいたメンバーとも疎遠になっていましたが、たまに連絡は取ったりしていました。



で、そいつは数年前にガンだと分かって治療をし、一度は治って会ったりしたのですが、再発・転移でもうどうしようもなかったそうでした。

でも本人は職場以外にそのことは言わず、ワシが「もう長くないらしい」知ったのは、そいつの職場の人からの連絡。

見舞いにでも行こうかと思っていたら、ソイツの携帯アドレスからメール。

そこには


「主人は〇月〇日に亡くなりました。今までお世話になりました。妻〇〇より」


と書かれていました。




まあびっくりしたのはびっくりしましたが、とにかく社内の昔のソイツの友人関係にも連絡をとりまくり、お通夜のお知らせをしました。

お通夜に行けない人もいるでしょうから、そんな場合は香典だけでも集めて持って行こうと思ったのです。

まだ3歳のお子さんもいらっしゃるので、せめて金銭的な援助だけでもしようと思ってのことでした。



が、電話でのみんなの返答は・・・


「〇〇さん?ああ、そうなんだ、奥さんにお悔やみ申し上げますと言っておいてよ」

「お通夜?俺は遠慮しとくよ。もう10年も会ってないし、なんかちょっともうアレかなって」

「ああそうなんだ、わかった、うん、教えてくれてありがと、んじゃ(ガチャ)」


メールでの返答は皆同じ、【お悔やみ申し上げます】でした。

・・・なんなんだお前らは∑(゚Д゚;)

確かに今は疎遠だけど10年前にさんざんつるんでたろが∑(゚Д゚;)

せめて香典でも出せよ昔の仲間だろ∑(゚Д゚;)

なんなんだうちの会社の連中は∑(゚Д゚;)

※特に↑の「もう10年も会ってないし」の奴は、当時好きだった女子のことでさんざん相談していたほどの仲だったのに…。


しかし、うちの会社の中でも一緒にサーキットに言っていた奴と、あとは会社は別でもやはりクルマつながりの人はお通夜や告別式に行き、またぜんぜんそんな義理はないのに当時通っていた車屋さん(しかも今は車屋さんが潰れて全然別の会社に転職した)や別のレーシングチームの人が「みんなにも連絡するよ」とか言ってくれたりして、涙が出そうになったものです。




そしてお通夜のとき。

そこの斎場のレイアウトが悪いのか、焼香の場所のすぐ隣がお清めの部屋になっていて、奥さんや親族がしくしく泣いている隣から

「ウワハハハハ!」

「アッハハハハ!」

という嬌声が聞こえてきます。

まあ通夜に訪れた人の多くは会社の同僚や上司で、どうしても雑談が盛り上がってしまうのは仕方ないのですが、これはどうにかならなかったのか・・・。

ワシら車つながりのメンバーは、

「あいつは速かったよなあ・・・」

「そうそう、いついつの走行会の時、〇〇を同乗させてるときにコンクリ壁に・・・」

「▽▲で〇秒のタイムを出してたよな・・・」

とか、故人を懐かしむ会話をしていましたが、周りは「おう、久しぶり!」「最近〇〇どうしてる?」とかいう会話で、故人は全く出てきませんでした。


翌日の告別式には行けませんでしたが、参列した車つながりメンバーによると、お子さんが

「お父ちゃんはいつ帰ってくるの?もう帰ってこないの?」

と母親に泣きながら聞いていたそうで、とても胸が痛みました。




・・・親友は、よく選びたいものだとつくづく思いました。