切ないアコギと、民族音楽テイストが混在した名レコード。
thomas diethelm " shaved "
僕が中学生の時、スーパーのブルーチップを集めて交換した、玩具みたいなラジオから流れてきた一曲。
" ディナーとバイオリン "
アーティスト名を、トーマスディーゼルム、曲名をギターとバイオリン…と思い込んでたから、ネット検索しても、機関車トーマスのディーゼルエンジンしかヒットしなくて途方にくれてました。
ラジオ音源を無理やりカセットテープ
⇨MDミニディスクに変換したものを大切に聴き続けてきたが、今やmp3が当たり前。ハード機器の故障と同時に聴けなくなっちゃった。
その後…ネットの中古LPレコード販売業者さんを渡り歩き ''トーマス"検索しまくってやっとの思いで見つけ、
購入できた~o(`ω´ )o
side A
1.DINNER WITH A VIOLIN 5.05
ディナーとバイオリン
2.THREE ACHES 7.25
三つの痛み
3.GRATEFUL 4.09
グレイトフル
4.CATCH YOUR BODY 3.05
キャッチ・ユアー・ボディー
side B
1.THERESA 2.20
テレサ
2.PLANST IN MY HEAD 3.45
プランズ・イン・マイ・ヘッド
3.MUSETTE 3.00
ミュゼット
4.HOPE 3.30
ホープ
5.MELOQUART 3.30
メロクォート
6.CIAO CIAO 5.05
チャオ・チャオ
背表紙と曲目紹介の画像はこちら。
中古品なので擦り傷あり。
以下は、紹介文をiPhoneのsiriで
データ化したよ。
長いけど…読む?
スイス人であるというトーマスディーセルムがなぜカンのメンバーであるイルミン・シュミットと出会いドイツでレコーディングしたのか詳しい事は分からない。
しかしこのレコードを聴いてみていただければわかるように、このレコードには、カンの持っていた様々な要素とレコーディング・テクニックがつめこまれている。
環境音楽を唱えたイーノが、ペンギン・カフェ・オーケストラによって、ひとつのブームを作ったのは周知の事実だが、このレコードではペンギン・カフェ同様様々な音楽の要素がつめこまれている。
まずひとつめ、ホルガー・シューカイなどにも見受けられる中近東音楽の影響だ。サウンドコラージュはカンのメンバーのお得意だが、このレコード盤にもそれがふんだんに使われている。しかし彼のオリジナリティーあふれるギターサウンドとの融和がなされており興味深い。
ふたつめ、トーマスのギターに見られる、ドルッティ・コラムのビィニ・ライリーや、ジャズ特にECM系列のソロギタリストの音色と強い相互関係に結ばれている。
デジタル・ディレイや、ハーモナイザーなどによって加工されたギターサウンドは、彼のサウンドを個性的なものにしている。このレコードが録音された1980~1981年ぐらいにかけては、上記のドルッティなどが現れ、静ひつなギターサウンドが衝撃を与えた。それはニューウェーブが、袋小路に追い込まれていったのと同時期に出現している。それはトーキングヘッズなどのエスニック・ブームなどと共に、新しい切り口を見つけようともがく動きの主流となった。
ホルガー・シューカイが『ペルシアン・ラブ』をリリースし、それと呼応してデビット・バーン、ブライアン・イーノの『ブッシュ・オブ・ゴースト』が生まれた。
そして3つめ、バイオリンやリズム・パターンに見られる東ヨーロッパ・ジプシーの影響だ。それは表立った影響ではないにしろ、A-1に強く表れている。これはカンからの影響なのかもしれないが、汎ヨーロッパ的な音楽、という理念がこのレコードには強く現れている。実際的な面をとっても、レコーディングは、フランスのアビニョン、パリで行われており、ミックス・ダウンはベルンで行われている。そして前述のように、スイス人であるトーマスと、ドイツ人、イルミンといったように、このレコーディング・セッションは中部ヨーロッパの殆んどの国にまたがっている。
サウンド面においても、汎ヨーロッパ的な傾向は如実に現れている。それはメロディーとしてのヨーロッパ・フォークソング。リズムとしてのスラブ系、そしてクラシカルな印象さえも与えるトーマスのギター、そこから見える中近東の影響というように、歴史と地理をふまえた上でこのレコードは成立している。
さてそういったこのレコードの背景はともかく、全てを踏まえた上で、このレコードでの余裕とポピュラリティーは特筆すべきだ。リリース当初は一部の人達にしか知られていなかったものの、こうして日本でリリースされることはとても喜ばしい。ひとつのジャンルを形成しなければなかなか注目されない現状で、こういった埋もれがちな音楽が、リリースされ、それによってコマの足りなくなったジグソー・パズルのような現在のヨーロッパ音楽の、全体像が見えてくるのは、素晴らしいことだろう。
ここに書いたような要素がいかにうまく融合されているか。そしてどこからそれがやってきているのかを想像しながらこのレコードを聞くのは
とても楽しいことだと思う。
…読むのにとても疲れると思う。
1.DINNER WITH A VIOLIN 5.05
ディナーとバイオリンを聴く?
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