以前、新聞のコラムで書いたものから。
【志能便】
「忍者」は昭和期の小説家の造語で、明治大正期は「忍術遣い」と呼ばれていたそう。聖徳太子の頃から使われていたのが「志能便しのび」「志能備しのび」。以降は「細人」「細作」と書いて“シノビ”と読むようになったと言われます。
【仕事】
最も活躍したのが、戦国時代。国取りに明け暮れ、戦国大名が他国の情報を得るのに、忍者を諜報活動につかったようです。
変装は、忍術の1つで『七方出ななほうで』と言われ、出家僧や山伏から旅芸人や商人に変装し、諜報活動を行なったと云われます。香りもそれらしく見せる重要な要素で、線香の匂いのしない出家は怪しく、護摩ごまの匂いは山伏、呉服屋ならキャラの香りなど、和薬の知識も必要だった訳です。自然現象や心理学、科学を応用した隠れ身の術の一種で、忍者の本質でもあり重要な術と云われています。
【忍者と風水】
ゲームで見かける忍者が「火遁 ◯◯の術」「水遁 ◯◯法」と叫んでいるシーン。実際に、忍者の兵書に『五遁ごとん』という言葉があり、『木火土金水』を使い「遁げる(逃げる)」と記されています。
気になった『木火土金水』は、東洋五術の基本。我々風水師にとっては欠くことのできない『五行(木火土金水)』理論がここで登場してきました。
【奇門遁甲】
三国志で有名な諸葛亮孔明が使った兵法「奇門遁甲きもんとんこう」は、忍術の原書のひとつ。ナント我々、風水師とってもこの『奇門遁甲』は、重要な占術の1つでもあります。
【ルーツ】
忍者の表の職業は、農業や商人。和薬を扱っていた為、薬問屋も多く居たといいます。薬の行商人となり、全国行脚しながら諜報活動していたといわれます。
ところで私のルーツは三重県大津の薬問屋、つまり『甲賀近くの薬問屋=甲賀忍者』でお殿様について新潟の長岡城藩へ移り住んだ。と親戚内では云われています。
ご先祖様が使っていた奇門遁甲を使うのも何かの巡りあわせかと感慨深いものがあります。