シャルトリューズの年代特定の方法 | 西新宿 Bar BenFiddich(ベンフィディック)

西新宿 Bar BenFiddich(ベンフィディック)

BenFiddichの店名は店主の鹿山博康から由来【Ben】→【山】【Fiddich】→【鹿】
畑を持つ農家バーテンダーであり『Farm to glass』を提唱
日本在来種の自生する草根木皮をもカクテルに変える新しい可能性を模索
アブサン、薬草酒、古酒がゴロゴロ転がるBar


こんにちは



BenFiddich店主の鹿山です



今日はシャルトリューズのボトルの
1980年代以降の年代特定の方法を
お伝えするよ



シャルトリューズがよくわからない方は
以前
シャルトリューズ修道院
及び
シャルトリューズ蒸留所へ
赴いたときの記事を
書いたので見てね↓






Monastery liqueur(修道院リキュール)の
代表格と最高峰
と言えば
シャルトリューズ(chartreuse)


シャルトリューズマニアは世界中に存在し
シャルトリューズ古酒コレクター達は
SNSを通じお互いの情報を共有し合う程の
結束の固さ


現存するシャルトリューズのボトルは
19世紀半ば〜21世紀の現代に至るまで
僕らの心とロマンを擽らせる
BenFiddichにある1930年代〜1980年代の
シャルトリューズの古酒達



ここら辺はラベルで文字の印字である程度の
年代が特定できる


では1980年代以降はどうやって
年代特定するのか?


はい


わかりやすい年代特定方法がある

現行のシャルトリューズ


ここを見てみよう

【左L935142】
【右L936118】




【左L935142】
1084(修道院設立年)+935(上三桁)=2019年
2019年と断定できたら
下三桁の数字の142の数字は
2019年から始まった142日目の数字
つまりは5月22日となる
よって
2019年5月22日のボトリングとなる


【右L936118】
1084(修道院設立年)+936(上三桁)=2020
2020年と断定できたら
下三桁の数字の118の数字は
2020年から始まった118日目の数字
(2020年は閏年なので気をつけよう)
つまりは4月27日となる
よって
2020年4月27日のボトリングとなる





そう


シャルトリューズ修道院設立年の1084年
この数字が起点となるのだ

因みに
この判別方法は1980年代後期以降である

シャルトリューズ修道院を設立した
ブリューノ聖人
(真ん中で生き絶え修道士に看取られている図)









もう一つの判別方法


2017年よりシャルトリューズ.ジョーヌ(黄)
のアルコール度数が40度→43度に変更


よってシャルトリューズ.ジョーヌ(黄)の
表ラベルのアルコール度数を見れば
2017年以前のものか、それ以降かも
判別ができる



【なぜ2017年より43度になったのか?】



それは2017年にシャルトリューズの蒸留所が
ヴォアロン(Voiron)の町から
エギュノワール(Aiguenoire)の集落に
蒸留所が移設したからだ
移設した理由はヴォアロン(Voiron)の蒸留所は
街中にある為、フランスの法律なのか
街の新しくできた条例なのか定かではないが
消防法に引っ掛かるらしく長年の協議の末
移設することとなった



エギュノワール(Aiguenoire)の集落は
元々シャルトリューズ修道士達の集会所として
使われていたエリアであり
元々シャルトリューズジョーヌは
1972年以前は43度であった
(これも年代特定の目安となる)


ヴォアロン(Voiron)の街から
エギュノワール(Aiguenoire)に
移転することにより蒸留所が
シャルトリューズ山のシャルトリューズ修道院に
近くなるという理由で
原点回帰として40度→43度に戻したのだ


赤がエギュノワール(Aiguenoire)
青がヴォアロン(Voiron)
黄がシャルトリューズ修道院


新しくなったエギュノワール(Aiguenoire)の
シャルトリューズ蒸留所

移設前の写真




なのでもしあなたのお手元にある
シャルトリューズジョーヌ(黄)が43度であれば
それは2017年以降の
エギュノワール(Aiguenoire)で作られた
シャルトリューズジョーヌ(黄)である


シャルトリューズジョーヌ(黄)が40度であれば
それは2017年以前の
ヴォアロン(Voiron)で作られた
シャルトリューズジョーヌ(黄)
ということになる



またボトリング地がボトルに表記されるようになったのも、1970年代初頭にシャルトリューズ ディフジョンが設立されてからヴォアロン(Voiron)と表記するようになっている












Stat crux dum volvitur orbis (ラテン語)

直訳: 十字架は動かず地球は回る

意味

地球は常に自転し、その地球上で起こる全ての物事、全ての生物、全ての感情も
変化し続けるいわゆる
諸行無常

その中で唯一無二、十字架=神のみが永遠に不変でありそれは恒久的に倒れることはない
1084年シャルトリューズ修道院を設立した
ブリューノ聖人が作った理念








今宵、西新宿Bar BenFiddich
お待ちしております