①クロアチア フルーツブランデー紀行 トラヴァリッツァTravarica 自家製で作ってみた | 西新宿 Bar BenFiddich(ベンフィディック)

西新宿 Bar BenFiddich(ベンフィディック)

BenFiddichの店名は店主の鹿山博康から由来【Ben】→【山】【Fiddich】→【鹿】
畑を持つ農家バーテンダーであり『Farm to glass』を提唱
日本在来種の自生する草根木皮をもカクテルに変える新しい可能性を模索
アブサン、薬草酒、古酒がゴロゴロ転がるBar



鹿山です















クロアチアに行ってきました















なぜか?













ラキアの勉強です














今回はフルーツブランデーの
ラキア』
のカテゴリーにおいての
『トラヴァリッツァ』Travarica』

について書く




















まずラキアとクロアチアを語る前に
ラキアはバルカン半島諸国においての
国民的飲料だ
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バルカン半島諸国

(セルビア、スロベニア、クロアチア、ボスニア、アルバニア、マケドニア、ブルガリア、コソボ,ギリシャ)








バルカン半島とは中学生の時に習った
ヨーロッパの火薬庫と呼ばれる国々だ
近接する大国の利害の歴史から民族、宗教が入り混じる複雑な地域であり
第一次世界大戦勃発の引き金となった国々でもある
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サラエボ事件

セルビアの国粋主義グループ黒手組の支援を受けた暗殺団が
オーストリア ハンガリー二重帝国の皇位継承者をヒット
第一次世界大戦勃発





そこから第一次世界大戦が集結し、
セルビア人主導のもと
ユーゴスラビア王国が誕生するが
民族、宗教問題でガタガタの中
第二次世界大戦でドイツとイタリアに併合





第二次世界大戦終結後
七つの国境、六つの共和国、五つの民族、四つの言語、三つの宗教、二つの文字を一つの国家として
まとめあげたのが
鹿山の大好きなチトー元帥であり
ユーゴスラビア社会主義連邦の誕生である
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そこからは1980年代以降
チトー元帥死後、
また国家が空中分解

民族主義の名の下
スロベニア紛争
コソボ紛争
クロアチア紛争
ボスニア紛争
マケドニア紛争が巻き起こる。
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そしてユーゴスラビアは解体
現在の上記地図上
民族ごとに国が別れ現在に至る













鹿山は歴史が好きだ

特に近現代史にロマンを感じる







なぜか







リアルだからだ












そんな行ってみたかったバルカン半島にラキアの勉強として
クロアチアを選ぶ






もう一度おさらいしよう





ラキアとはなんなのか




バルカン半島諸国は言語が異なるので、
 rakiya,rakija, Rakia, rachiuと呼び方が微妙に異なるのでラキアに統一する






ラキアの名称はオスマン帝国時代のトルコのアニス酒であるラクの派生で、ラキアだ



absintheも然り、基本的な酒類ルーツは南から北上してゆく





そのラキアの原料は
杏子
プラム
プルーン
洋梨
林檎
チェリー
ラズベリー
クワ 
ブルーベリー 
ミラベル 
カリン
イチジク
エルダーベリー
ナナカマド
サンザシ
etc......


糖分がある果実は全てアルコールになる




それがバルカン半島諸国におけるラキアだ









目的地クロアチアは
地中海沿岸 ダルマチア地方である都市 ザダル
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ザダルの街の沿岸部
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様々な種類のラキアも露店に並ぶ
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及び市街地だ
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今旅はクロアチアのザダルからハンガリーのブタペストまでのフルーツブランデーの研修だ

鹿山が、フルーツブランデーにハマるきっかけを作ってくれたフルーツブランデーの先駆者である
洋酒ライターの石倉氏
そして同行者の同じく洋酒ライターの沼氏
と鹿山の三人での研修旅行だ







ここは言わずもがな、地中海性気候






地中海沿岸部はユーラシア大陸とアフリカ大陸の交差する場所であり、さらには年間を通して温暖であり
植物多様性な地域だ








ダルマチア地方の植物多様性地域ならではのラキアのアイデンティティとして、そして種類として


Travarica(トラヴァリッツァ) というものがある
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ではTravarica(トラヴァリッツァ) とは?

①ラキアの一種であるkomovicaコモヴィツァ
(ブドウ由来の蒸留酒)に地中海沿岸のハーブを漬け込んだもの



②そのハーブとは、フェンネル、ミント、セージ、ローズマリー、ヘンダールー、カモミール、ジュニパー、タイム、etc....




ブドウ栽培が盛んなダルマチア地方と地中海性気候により多種多用なハーブが歴史的に自生しているエリアならではの必然だ










なので鹿山もクロアチアで作ってみた










まずスーパーでラキアの一種であるkomovicaコモヴィツァを買う
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海反対側のイタリアでもグラッパが盛んであり
ハーブを漬け込んだものも多い


しかし、クロアチアのTravarica(トラヴァリッツァ)
の特徴は
どのブランドを覗いても
確実に瓶に混入しているのが
フェンネルだ










そう、ザダルの街の土があるところを歩けば
鹿山の大好きなフェンネルが大いに自生している
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ここにも
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ここにもだ
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そう、この地中海沿岸部は鹿山の大好きなフェンネルの原産地でもある
フェンネル
古代ローマ、古代エジプトより栽培される歴史ある由緒正しい作物だ
Travarica(トラヴァリッツァ)にフェンネルが混入しているのは地理的要因、及び歴史的に大いにフェンネルが自生しているダルマチア地方必然の理だ






よって、鹿山がダルマチア地方ザダルでは三種、採取

①フェンネルフラワー(横に広がるアネトールの味わい)
②ローズマリー(対照的に深い味わい)
③カナメモチの若枝(バラ科なので枝に甘く立ち上がる香りがある)
このトリニティをブドウ由来のスピリッツである
komovica(コモヴィツァ)に混入 
自家製Travarica(トラヴァリッツァ)を仕込むのだ
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どーん完成
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BenFiddichで飲めます
今宵、Bar BenFiddich   お待ちしております。