講談社BB読書記録 No.4 | BLOGkayaki1

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読書記録、環境問題について


『これでナットク!植物の謎』日本植物生理学会/2007.8

 まずは個人的な話からなのですが、高校時代は兎に角「生物」の授業が大好きで、国語や英語は悲惨な点数を取ろうとも、生物だけは学内で1,2位を争っていた程でした。そして大学は農学部に入り、植物関係の事をより深く学んでおりました。
 しかし何故また「生物」が好きだったのか。そのどこに惹かれたのかよく覚えていなかったのです。
 そこで、本書と出会ったわけです。コレは本当に面白い。知っていることも多かったけれども、知らなかったこと、そして最新の研究(2007年のもの!)なども紹介されておりました。好奇心を大いにそそります。そうか、自分が「生物」に惚れ込んだのは、コレだったんだなぁ、と。

目の付け所に感心

 本書は、日本植物生理学会ホームページ(http://www.jspp.org/)の「質問コーナー」という一般の人からの疑問に答えるサイトを一冊の本に纏められたものです。
 その中には、高校生の質問も寄せられているのですが、その質問というのが、なかなか面白い。
 一番面白いな、と思ったのは、メンデルの実験でした。

 メンデルの実験で、エンドウの茎は「高い」「低い」の2種類で、豆(種子)は「丸い」「しわ」の2種類あり、それぞれの純正を掛け合わせると、3:1の比率で子孫が出来る、ということを習いました。
 その中で、「高くない」「やや丸い」などの中間種は出来ないのか、というのが質問の主旨でした。
 恥ずかしながら、意外にも自分はこういった疑問など持たないでいました。好奇心はあるから「分からないこと」は進んで調べたりなどしていましたが、「疑問に思ったこと」つまり自分で考えたりすることを、疎かにしていたように思います。

 この答えは、メンデルがわざわざ中間種を取り除いて「超」純正を選び抜いたからなのですが、言われてみれば実に興味深いことです。

二酸化炭素施肥

 話は少し変わって、他に面白いなと思った話題は、ビニールハウス内で二酸化炭素濃度を高くして栽培するという施肥の方法でした。これはすでに実用化されているそうです。
 ならば、最近の温暖化対策として、大量に二酸化炭素を排出するところからそれを集めて濃縮し、地中深くに「埋め戻し」たり海底に捨てたりしようという研究が盛んですから、その濃縮された二酸化炭素を、ハウス栽培農家に提供するのはどうでしょうか、と思いました。
 もし実用化されれば、素敵なことだと思うのですがね。