前回は、
■ 素材のコンポジション 【 Blender 2.8 BETA 】
でコンポジションについて書きました。とりあえず、爆発で素材を作ったわけですが、Blenderではモディファイヤーで
のような爆発を実装できるのでそれを用いて
のようにコンポジションを行い、ノードで
のように変更し、更に、
のようにする方法を書きました。今回も、Blenderを使った動画を作る時の事について書こうかなと思います。
■ VSEでのシーケンシャル
VSEでは、動画を編集できますが、画像については、スライドショーのように使う方法と動画のシーケンシャルとして読み込む方法があります。後者の場合、手書きのアニメのシーケンシャルをそのまま動画として読み込めるので、プロジェクトで指定したフレームレートに会った速度で再生される動画として扱うことができますが、Blenderでもそうした事が可能です。まず、
のようにBlenderを開いて、VSE(VideoEditiong)に切り替えます。
そして、画像素材を読み込む設定にすると、画像が指定できるので、
のようにシーケンシャルを選択します。解像度とファイル形式が同じ状態で、連番になっていることが条件ですから、数が飛ばないようにファイル名で保存する必要がありますが、その条件を満たしている場合、Blenderでは、シーケンシャルをすべて選択して読み込むと
のように一つのストリップとして読み込まれます。
の時には、
になり、
の時には、
のよに読み込んだシーケンシャルがそのまま反映されます。
■ プロジェクトの設定
Blenderのプロジェクトですが、今回のようなアスペクト比が16:9ではない動画の書き出しもできます。YouTubeでも
のようなアスペクト比の動画を出力できるのですが、製作段階でプロジェクトの解像度の指定を行うとこうした感じの状態にできます。
と言うよりも、キャプチャーだとゲームDVRや編集ソフトに付属するキャプチャーソフトで画面全体を選択した場合、使用している画面構成でキャプチャーができるので、こう言った広いキャプチャーも可能になります。
Blenderレンダーの場合、
で指定をしますが、ビューポートの情報を使用しない場合だと、主だった部分はこの辺りになります。
で
■ 画像
■ アニメーション(動画)
■ 音声
の出力が可能です。音声はビューポート上でスピーカーオブジェクトを配置して幹審づしたりVSE上で調整した物を書き出すときに使えるので、音声だけ抽出する場合に利用できます。
動画の仕様は
で指定します。
解像度とフレームレートを指定して、動画の開始フレームと最終フレームを指定します。
■ レンダーレイヤーの設定
Blenderでは3D出力ができますが、これはビューポート上の話になるので、通常の動画制作だと関係ない機能かもしれません。コンポジションをする場合に、ステレオベースと焦点距離を合わせて、LとRのマッチブームを個別に行って立体視にするという方法もありますが、ビューポートを使った表示において、立体視を用いる場合に使用します。
の項目の中に、
がありますが、ここでステレオ表示を選択すると立体視の画像や映像の書き出しができます。
■ シーンの設定
ゲーム制作やビューポートで作ったmのを表示する際にはカメラオブジェクトの視点で見たものになりますから、カメラの選択の必要になりますが、それは、シーンの
の場所にあるカメラの選択で指定します。シーンでは、これとは別に、カラーマネージメントとオーディオの設定が可能です。
カラーマネージメントはレンダリング結果のテイストを決める項目で、オーディオはチャンネル数や音の設定を行います。
殻設定することになりますが、カラーマネージメントでは、
から表示の選択を行います。2.8からはDCI-P3が加わったので、QuadroやRADEON PROの構成だとDCI-P3にすると広い色空間で作業できるようになります。レンダーと言うのは書き出すときに使用する色空間になります。
シーケンサーというのは、演算時に使用する内部処理の事なので、これについては広ければ広いほどいいと言う事になります。その為、用途で使い分けることになりますが、sRGBで作ってsRGBで出すグラフィック用とだとそのままで問題はないと思います。色域の広いパネルを使っている場合、コンシューマの動画だとHDTVの仕様だとREC.709を使っているので、REC.709を使うことになります。(と言っても、これは過去の仕様なので、今後のUHDの時代では比較してはならないほど狭いものになります。ちなみに、UHDやSHVで使用するのはDCI-P3よりも広いITU-R BT.2020でHDRも加わります。)
露出とガンマで明るさをコントロールできますが、カーブで色の調整も可能です。この辺りは、写真のトーンカーブの調整と同じイメージです。そして、ルックというのはフィルムシミュレーターです。
オーディオですが、
のようになっており、基本的にこれはビューポート上の出来事での音の話になります。つまり、7.1chを使う場合、カメラオブジェクトから見た場合の空間の出来事を7.1chで記録してミキシングを行って書き出すことができます。
■ カメラの設定
ビューポート上でモデルを作ると、トランジションやパーティクルや3Dテキストなどを作ることができますし、モーショングラフィックはここで制作します。その場合、カメラオブジェクトの設定が必要になります。
のようにカメラオブジェクトを指定して見えるものをレんだリングを行って素材を作ることになりまが、プロパティーは、
のようになっています。カメラは通常のパースのついたものとパノラマと平面で捉えたような状態になる平行投影があります。
カメラではセンサーサイズを指定する事になりますが、35mmフルサイズ36mmを指定することになりますが、プリセットで色々なカメラが用意されています。
あと、これもビューポート上でしか使いませんが、被写界深度の設定が可能です。
これは3DCGだからできる事なんですが、3DCGでは、座標を持っているので奥行の情報を持っています。これをZバッファと言うグレースケールの画像で得ることができます。その為、この深度情報を用いて奥行きをコントロールできます。これは、GoogleCameraでスライドさせて撮影するとZバッファが生成され、Zバッファを包含したマルチビューな画像を生成することができます。その為、後処理でZバッファ参照で被写界深度をコントロールできます。
また、ステレオフォトメーカーを使うと、このGoogleカメラのZバッファを用いて立体視が可能な写真を作成することができます。
■ Cyclesの設定の設定
Cyclesを使った場合、
のような設定項目になります。基本は同じですが、出力で、
のように動画を選択した場合、
のエンコードオプションを指定することになります。先日も触れましたが、DNxHD(4Kの動画については、DNxHRなのでフルHDを使う用途などのコーディックになります。その為、8KとかVRとかのように巨大な解像度を用いる用途だと別のコーディックを用いることになります。)なども使用できますが、ビットレートの設定なども可能です。
あと、透過については、
で行うことができます。
■ グリースペンシル
Blenderでは、3Dだけではなく平面の手書きアニメーションを作成することも可能なので、それについても触れておきます。
のようにカメラを設定して、シェルフを見ると、
のように描画時に選択出るボタンが用意されています。ドローがフリーハンドで、ラインは直線を引く用途で使います。
多角形は編ではない場合の選択です。そして、消去は消しゴムツールです。
ちなみに、
■ バックにドロー
すでにある絵の下に描かれます。
■ 追加ドローイング
新しいキーフレーム作成時に、前のキーフレームの絵の
複製に追記します。
と言う仕様になっています。
通常は、連続ドローイングにチェックを入れておけばラスターグラフィックのように描けるので使いやすいかなと思います。ちなみに、この状態だとずっとペンの状態が維持されるのですが、描くのを終了場合には【 Enter 】キーを押すと先ほどのボタンの選択が可能になります。
つまり、ラインを引いて消しゴムを使いたい場合には、エンターで一旦、ドローなどを終了させる必要があります。
右側のシェルフには、
のようにレイヤーの項目があります。新規で追加すると、
のようにレイヤーが表示されます。つまり、レイヤー構成でパーツを分けて描いて動かす事が可能なので、最初のキーフレームで1フレーム目の絵の状態を全てのレイヤーで記録しておき、変化が始まるところまでそのレイヤーの状態をキーフレームに追加します。
そして、そこから、キーフレームを追加すると空白になるので、オニオンスキンで下絵を参照しながら変化を書き足すことができます。
とりあえず、
のような感じでブラシで描く場合に、ブラシストロークで描いていくことができます。と言っても、これはラインとシェイプの構造物なので、基本的にベクターグラフィックですが、カリグラフィーのような手書きのできるベクターグラフィックになります。
とりあえず、
な感じで消しゴムツールを使って消すと、パスではなく選択されている範囲内の実が消えるので、
のような感じで不要なラインを消すことができます。(ちなみに、今回も何も見ずにマウスで描いています。)
とりあえず、今回もマウスでガシガシと描いて
な感じにしましたが、グリースペンシルでは、ブラシのコントロールができます。とりあえず、シェイプを使う場合には、登録したラインとシェイプを使うことになるので、
のように塗が入るものについては、増やしておく必要があります。また、色が異なる場合にもグリースペンシルカラーを追加しておく必要があります。
とりあえず、ざっと塗ってみると、
な感じになります。塗りですが、
のようにブラシで塗ることも可能ですが、
を
のようにフィルの不透明度を上げることで、
のように塗りつぶすことができます。
その為、
のようにラインを引いてシェイプの色を決めて置いて不透明度を100%にすると塗りつぶされます。その為、
のようにアウトラインを引いて
のように塗りつぶすこともできます。その為、
のような感じでアウトラインだけを描きながら仕上げていくこともできます。
映像や画像の書き出しですが、Blender 2.78bでは、
のボタンで行います。つまり、GLレンダリングで出力を行うことになります。カメラのボタンをクリックすると。
のような感じで画像が出力されます。映像や画像での書き出しができるわけですが、その時にプロジェクトの解像度やフレームレートを指定する必要があり、コーディックの指定も必要になります。
グリースペンシルと言うと、以前、
と言う動画をアップしましたが、これはマウスで描いた事例です。
グリースペンシルは筆圧感知対応なので、ペンタブレットや液晶タブレットを使用した場合、嘘のように描き味がいいです。
■ ビューポートなので。。。
2.79bの場合、ビューポートですから、
のようにオブジェクトを置いて、
な感じでアタリをつけます。と言っても、この時のラインの状態は、
な感じなので、平面なんですが、この状態から、
のような感じで背景を隠して、
のような感じで透明度を下げて
の世に新規レイヤーの追加後
のように黒のブラシを選択して、
な感じで線画を描いていくことも可能です。ただ、この状態だと色が沈んで見えにくいので
のような感じで平面やCUBEを置いて描くと線が目立つので描きやすいかもしれません。
というか、筆な滑らかに流れるので書き味はいいはずなんですが、やはり、マウスだときれいに描くのは難しいですね。w
あと、オニオンスキン表示はされますが、基本的に動きを入れるレイヤーは、キーフレームが打たれると
のようにクリアされるので、
な感じでレイヤーで動かす場所とそうでない場所を分けておくと作業しやすいかもしれません。
■ 作業環境
■ Core i5 650
■ H55M-pro
■ DDR 1333 2GBx3(single ch)
■ Quadro k620
■ SATA 2 hdd
■ WINDOWS 10 x64
■ Blender 2.79b x64
■ Gimp 2.10.8 (画像のリサイズで利用)