あんころ爺を継ぎたい | 「言葉」をミカタに、人生に「物語」を!

「言葉」をミカタに、人生に「物語」を!

コピーライター&作家の川上徹也が 
心に刺さる「言葉」、心を動かす「物語」の
生れる舞台裏を公開!

あなたの人生を変えるのは、
あなたの「言葉」だ。

前回書いた

つぶあん派とこしあん派の

論争についてよく語っていたのが、

2013年に亡くなられた

天野祐吉さんです。

 

天野さんは朝日新聞連載の

CM天気図などで

おなじみのコラムニストでもあり

コメンテーターであり 

雑誌『広告批評』の主宰者でしたが、

「あんころ爺」と自称して、

よく「あんこ」について論評されてました。 

  

2009年度、天野さんが

東京コピーライターズクラブ (TCC)の...
ホールオブフェイム(殿堂入り)に選ばれました。

 

当時、私はTCCの幹事をしていた関係で

選ばれた天野さんの記念トークイベントを

企画して司会というか

インタビュアー役をさせていただきました。
 

天野さんは、その時、

 

つぶあん派は万葉集好き。

こしあん派は古今集好き。
 

つぶはん派の男の下着はブリーフ。

こしあん派の男の下着はトランクス。

 

という持論を展開されました。
(一番下のリンク参照)

 

その時ついつい

「僕は断然つぶあん派ですがトランクスです」

と口を挟んでしまうと


「そういう乱れたことをやっているとダメだ」

 

と叱られた記憶があります。
(天野さんは「こしあん原理主義派」

 だったようです)

実はもっと前、川上脚本で

1998年に青山円形劇場で上演した

『SWAP』という舞台を

天野さんが

観に来ていただいたことがあります。

一方的にファンだったので

(広告学校にも通っていたし)

上演する時に勝手に招待状を送ったら
来てくださったのです。

 

終演後、天野さんは差し入れともに
 

「広告なんかやってずに

  こっち(舞台)をやりなさい」
 

と言っていただいたのが 

強く印象に残っています。 
 

言った方はそんなこと、

たぶん観たことさえ

忘れてた可能性が高いけど、
声をかけられた方は

強く記憶に残っているものです。

 

 

天野さん亡きあと、

あんころじい(あんこ学)を

世に広めるあんころ爺を

継ぐものはいなさそうです。

 

川上も、もう少し爺になったら、

あんころ爺を継ぎたい。