3回目の誕生日 | いつも機嫌よく

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2015年春、卵巣がん(明細胞腺がん、1C)の手術を受けました。
これから始まる治療をがんばりぬけるように、日々感じたことなど綴っていこうと思います。

ゴールデンウィークもはや終盤になってしまいました。皆さんのブログを拝見して、各地の花の便りなど楽しませてもらっています。

私は今年はカレンダー通りに5月1日と2日は出勤したので、前半が三連休、後半は四連休になりました。

前半の4月28日〜30日は、一度行きたいと思っていた残雪の尾瀬を歩いてきました。29日は私の54歳の誕生日だったので、夫からのプレゼント旅行でした。1日目は、吹割の滝に立ち寄ってから尾瀬の手前の片品村のロッジに泊まって、2日目の朝に大清水から入山しました。今年の尾瀬は雪が少なかったそうですが、雲ひとつない青空の下、燧ケ岳や尾瀬沼の展望を堪能して、沼のほとりの山小屋で静かな夜を過ごました。翌朝は、朝靄の尾瀬沼周辺を散策、普段は歩けない森の中に入れるのは雪の季節だけの特別なお楽しみでした。













こうして手術から3回目の誕生日を元気に迎えることができて、しみじみとした感慨があります。去年のブログを読むと、深夜に不安な気持ちを夫に打ち明けたりしていて、術後2年の検査を控えて精神的に不安定になっていました。今年も連休明けに、術後3年のCT検査の予定があり、そのことを考えると不安な気持ちもないわけではありませんが、一年前に比べると病気のことを考える時間は少なくなってきたように感じます。

この一年の間に、私よりも長く経過観察を続けてこられた方が何人か再発して治療を始められたことを知りました。この病気は3年経っても、5年経っても、安心ということはないのだと改めて思います。一方で、オラパリブという新しいお薬が適用になったり、再発でも手術や放射線治療で元気になられた方々のことも知りました。数年以内には実用化されるという画期的な治療法の記事も読みました。そのような様々なことを読んだり聞いたりするなかで、再発の先のことは再発してから考えよう、と心境が変化してきたような気がします。

不安な気持ちが払拭できたわけではなく、それは私の心の中に残っているので、来週の検査の前にはまた不安定になるかもしれません…でも、いまはせっかく元気でいられるのだから、元気な自分に集中して暮らしていきたいと思います。

連休後半は、榛名山の麓の施設で暮らす夫の両親と伯母に会いに行ってきました。両親はこの一年ほどの間に認知症が進み、会話がままならなくなってきました。そんな状態の両親に会いに行くのは、夫にとっては気が重いことのようです。それでも、母の日のお花を夫が渡した時には、母の顔がパッと輝いて「まぁ、嬉しい!」と本当に嬉しそうにしてくれたので、私たちも温かい気持ちになりました。しばらく経って母が「このお花なあに?」と聞くので、夫が母の日のプレゼントだと言うと、初めて聞いたみたいに「まぁ、嬉しい」ってまた喜んでくれて。何度も喜べるのはいいことかも、って夫が独り言のように言いました。頻繁には会いに行けないのですが、次は娘たちも一緒に行けたら、もっと喜んでもらえるかなと思います。

明日で連休はおしまい。明後日からはまた日常が戻ってきます。10日(木)が3か月ぶりの受診で、母の日の週末は実家の両親の介護で岐阜に帰る予定です。5月はなにかと予定が多くて、忙しくしているうちに過ぎてしまいそうです。